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【Echoes of Aincrad】SAOファンなら買うべき?プレイして分かった良い点・悪い点をレビュー

【Echoes of Aincrad】SAOファンなら買うべき?プレイして分かった良い点・悪い点をレビュー

ソードアート・オンラインのゲームと聞くと、多くの人はキリトやアスナたちを操作しながら、原作やアニメを追体験したり、ゲームオリジナルの物語を楽しんだりする作品を思い浮かべるのではないでしょうか。

実際、これまで発売されてきたSAOゲームシリーズも、原作キャラクターを中心に据えた作品がほとんどでした。そのため、ファンにとっては「お気に入りのキャラクターと一緒に冒険すること」がシリーズならではの魅力だったと言えます。

しかし、『Echoes of Aincrad』は、その路線から大きく方向転換しています。

本作で主人公となるのはキリトではなく、プレイヤー自身が作成したオリジナルキャラクターです。プレイヤーは一人の攻略組としてアインクラッドへ足を踏み入れ、このデスゲームを生き抜いていくことになります。

つまり、本作は「キリトの物語を追体験するゲーム」ではなく、「もし自分がSAO事件に巻き込まれたら」という体験を重視した作品になっています。

この方向性は、これまでのシリーズとはかなり異なります。派手なイベントシーンやドラマチックな演出を前面に押し出すというよりも、アインクラッドという巨大な浮遊城を一人のプレイヤーとして探索し、攻略していく没入感を大切にしたゲームデザインになっている印象を受けました。

そのため、従来のSAOゲームを期待してプレイすると「思っていた作品と違う」と感じる可能性があります。一方で、「SAOの世界を実際に歩いてみたい」「一人のプレイヤーとしてアインクラッドを攻略したい」と考えていた人にとっては、これまでになかった体験が味わえる作品でもあります。

言い換えれば、『Echoes of Aincrad』はキャラクターゲームというよりも、「アインクラッド生活シミュレーション」に近いゲーム性を目指した挑戦作です。このコンセプトを受け入れられるかどうかで、本作の評価は大きく変わってくると感じました。

実際にプレイして最初に感じるのは「淡白さ」

本作を遊び始めてまず感じたのは、「思っていた以上に淡白なゲームだ」という点でした。

もちろん、この「淡白」という言葉は必ずしも悪い意味だけではありません。ただ、これまでのSAOゲームシリーズをイメージしていると、そのギャップには少なからず驚かされると思います。

というのも、本作はゲームを開始してからしばらくの間、広大なフィールドを移動し、敵を倒し、再び目的地へ向かうという流れが繰り返されます。途中で頻繁にイベントが発生したり、仲間同士の会話が挟まったりすることは少なく、プレイ時間の多くを探索や移動が占める構成になっています。実際に10時間ほどプレイしたレビューでも、「半分以上は移動していた印象だった」と語られているほどです。

一方で、このゲームデザイン自体は決して失敗というわけではありません。

むしろ、「一人の攻略組としてアインクラッドを旅する」というコンセプトを考えると、移動時間を多く設けている理由は理解できます。目的地までの道のりを歩き、景色を眺めながら敵と遭遇し、少しずつ階層を攻略していく流れは、まさにSAOという作品の世界を自分自身が体験することを意識した設計だからです。

問題は、その移動時間をより魅力的な体験へと昇華させる仕掛けが不足していることにあります。

例えば、道中で仲間との雑談が自然に始まったり、世界観を深掘りするフレーバーテキストが用意されていたり、思わず立ち寄りたくなる探索スポットが数多く配置されていたりすれば、同じ移動でもプレイヤーが受ける印象は大きく変わります。しかし、本作ではそうした細かな演出やインタラクト要素が少なく、「ただ目的地へ向かっているだけ」という時間になってしまう場面が目立ちました。

さらに、街へ到着したあとも自由度はそれほど高くありません。建物や街並みは丁寧に作り込まれており、洗濯物が干されているなど生活感を感じられる細かな描写も見受けられますが、実際にプレイヤーが触れられる要素は限られています。そのため、美しく作られた街でありながら、どこか張りぼてのような印象を受けてしまうのは惜しいところです。

つまり、本作が目指している方向性そのものは非常に興味深いと言えます。

プレイヤー自身が物語を感じ取り、アインクラッドという世界を生きるナラティブ体験を提供しようという発想は、近年のゲームデザインとしても魅力的です。しかし、その体験を支えるイベントや探索要素、街での生活感といった細かな仕組みが十分に備わっていないため、完成度という意味ではあと一歩届いていない印象が残りました。

だからこそ、本作の評価は大きく分かれるのだと思います。派手な演出やストーリー展開を期待して購入すると物足りなさを感じやすい一方で、「アインクラッドで生活する空気感」を楽しめる人にとっては、この静かなゲームテンポそのものが魅力として映る可能性もあります。良くも悪くも、本作は従来のSAOゲームとはまったく異なる体験を提供する作品だと感じました。

本作最大の魅力は「アインクラッドを生きる体験」

ここまで読むと、「結局、移動ばかりで退屈なゲームなのでは?」と感じた方もいるかもしれません。

確かに、本作にはテンポの良いイベントや次々と展開するストーリーを期待すると肩透かしを受ける場面があります。しかし、その一方で本作だからこそ味わえる魅力も確かに存在しています。それが、「アインクラッドを一人のプレイヤーとして生きる」という没入感です。

これまでのSAOゲームは、キリトたち主人公の活躍を追いかける作品が中心でした。そのため、プレイヤーは物語の当事者というより、原作の世界を追体験する立場になることが多かったと言えます。

一方、『Echoes of Aincrad』では、自分自身が攻略組の一員となって最前線へ挑むことになります。広大なフィールドを歩き、モンスターと戦いながら目的地へ向かう時間そのものがゲーム体験として設計されており、「攻略組の一日はこんな感覚だったのかもしれない」と自然に想像できる瞬間があります。

実際、レビューでも移動時間の長さを単なる欠点として切り捨てるのではなく、「プレイヤー自身がナラティブを生み出す体験」として評価している点が印象的でした。景色を眺めながら次の目的地を目指し、自分のペースで敵を倒し、少しずつ階層を攻略していく。この一連の流れは、派手な演出では得られない没入感につながっています。

近年では、『The Elder Scrolls V: Skyrim』や『Red Dead Redemption 2』のように、プレイヤー自身が世界の中で物語を感じ取る「ナラティブ体験」を重視したゲームが高く評価されています。本作も目指している方向性はそれに近く、「自分だけの冒険」を描こうとしていることがプレイしていると伝わってきます。

ただし、その魅力を十分に引き出し切れていないことも事実です。

例えば、探索中に仲間との会話がもっと頻繁に発生したり、世界観を補完するテキストやサブイベントが豊富に用意されていたりすれば、プレイヤーは移動そのものをさらに楽しめたはずです。しかし現状では、その余白をプレイヤー自身の想像力に委ねる割合が大きく、「惜しい」と感じる場面が少なくありません。

だからこそ、本作は「素材は非常に良いのに完成形になり切れていない作品」という印象を受けました。

アインクラッドという世界を自分の足で歩き、一人の攻略組として攻略を進めていく体験には、これまでのSAOゲームにはなかった新鮮さがあります。そのコンセプト自体は非常に魅力的であり、シリーズの新たな可能性を感じさせてくれるものです。

もし今後のアップデートや続編で、探索中のイベントや生活感、NPCとの交流などがさらに充実していけば、本作が目指していた「アインクラッドを本当に生きるゲーム」は、一段階完成度の高い作品へと進化する可能性を秘めていると感じました。

一方で完成度には惜しい部分も多い

ここまでご紹介してきたように、『Echoes of Aincrad』は「アインクラッドを一人のプレイヤーとして生きる」というコンセプト自体は非常に魅力的です。

だからこそ、プレイを続けるほど「あと少し作り込まれていたら、もっと評価が変わっていたのではないか」と感じる場面が何度もありました。本作には光るアイデアが数多くある一方で、それを支えるシステムや演出が十分に追いついていない印象を受けます。

まず気になったのは、探索中にプレイヤーへ与えられる情報量の少なさです。

広大なフィールドを歩いている時間は長いものの、その途中で発生するイベントや仲間との会話、世界観を補完する演出は決して多くありません。そのため、美しく作られた景色の中を歩いていても、時間が経つにつれて「次の目的地まで移動しているだけ」という感覚が強くなってしまいます。

もちろん、静かな時間を楽しめるゲームは珍しくありません。しかし、そのような作品では探索そのものが楽しくなる仕掛けや、歩くだけで新しい発見があるような設計が丁寧に組み込まれています。本作にもその方向性は感じられるものの、現状ではプレイヤーの想像力に委ねる部分が大きく、もう一歩踏み込んだ工夫が欲しかったというのが率直な感想です。

また、街の作り込みについても同じことが言えます。

街並みそのものは細部まで丁寧にデザインされており、建物や小物からは生活感が伝わってきます。ところが、実際に利用できる施設やNPCとの交流、寄り道したくなるようなコンテンツはそれほど多くありません。そのため、「見た目は魅力的なのに遊びの幅が少ない」というギャップを感じやすく、世界へ没入する流れが途中で途切れてしまうことがあります。

さらに、本作は全体を通して「プレイヤー自身が面白さを見つける」ことを重視した設計になっています。

この考え方そのものは決して悪くありません。むしろ近年のオープンワールドゲームでも採用されることが多い考え方ですが、それを成立させるためには探索・収集・発見・交流といった数多くの要素が有機的につながっている必要があります。本作では、それぞれの要素がまだ十分に噛み合っておらず、結果として「やりたいことは伝わるが、完成形には届いていない」という印象につながっています。

レビューでも「未完成という表現が近い」と評されていた理由は、まさにこの点にあります。ゲームとして致命的な欠陥があるわけではなく、根幹となるコンセプトは非常に魅力的です。しかし、その魅力を最大限に引き出すための細かなシステムや演出が不足しているため、プレイ後にはもどかしさのほうが強く残ってしまいます。

逆に言えば、この部分が改善されれば、本作の評価は大きく変わる可能性があります。探索中のイベントを増やす、NPCとの交流を充実させる、街でできることを広げるなど、プレイヤーが自然と寄り道したくなる要素が追加されるだけでも、「アインクラッドを生きる体験」は一段と魅力的になるはずです。

その意味では、『Echoes of Aincrad』は現時点で完成された作品というよりも、大きな可能性を秘めた意欲作と言えるのではないでしょうか。コンセプトに惹かれるからこそ、あと一歩の完成度を求めたくなる――そんな惜しさが最後まで付きまとった作品でした。

アクションは遊びやすいが粗も目立つ

探索を重視したゲームデザインについて見てきましたが、続いて気になるのがアクション面です。

本作はアクションRPGとして見ると、決して遊びにくい作品ではありません。むしろ操作自体は比較的シンプルにまとめられており、シリーズ初心者でもすぐに慣れやすい作りになっています。

通常攻撃に加えてスキルを組み合わせながら戦う基本システムは分かりやすく、敵との戦闘テンポも軽快です。複雑なコンボ入力を要求される作品ではないため、純粋にSAOの世界で戦う楽しさを味わえるという点は、本作の長所と言ってよいでしょう。

もちろん、ボス戦では攻撃を見極めながら立ち回る場面もあり、通常戦闘より緊張感が増します。そのため、ゲーム全体を通して極端に単調という印象はなく、ライトなアクションRPGとして一定の完成度は確保されています。レビューでも「遊びやすいアクションRPGに仕上がっている」と評価されており、この点は安心して楽しめるポイントです。

ただ、その一方で気になる部分も少なくありません。

プレイを続けていると、敵の攻撃判定に違和感を覚える場面や、「今の攻撃が当たるのか」と感じるようなシーンが時折見受けられます。難易度が高いというよりは、当たり判定や敵の挙動に若干の不自然さが残っており、純粋な手応えではなく理不尽さとして受け取ってしまう場面があるのは惜しいところです。

特に気になったのが、本作に搭載されている「デスゲームモード」との相性です。

このモードでは、一度ゲームオーバーになるとセーブデータが削除されるという、原作さながらの緊張感を味わえる仕様になっています。コンセプトだけを見るとSAOらしさを象徴する非常に面白いシステムですが、通常プレイでも当たり判定に違和感を覚える場面がある現状では、「自分のミスではなくゲーム側の判定で失敗した」と感じる可能性も否定できません。

本来であれば、高難易度モードほどゲーム側には高い完成度が求められます。プレイヤーが失敗しても納得できるゲームであれば挑戦意欲につながりますが、少しでも理不尽さを感じてしまうと、「もう一度挑戦したい」という気持ちよりもストレスのほうが勝ってしまいます。その意味では、デスゲームモードは非常に魅力的なアイデアである反面、現状ではシステムの完成度が追いついていない印象を受けました。

こうして見ると、アクション面にも本作らしい特徴が表れています。

ゲームの根幹となるシステムそのものは十分に楽しめる水準にあり、気軽に遊べるアクションRPGとしての完成度は決して低くありません。しかし、その土台の上にある細かなバランス調整や挙動の精度には改善の余地が残されており、プレイすればするほど惜しさが見えてきます。

だからこそ、本作は「面白くないゲーム」ではなく、「もっと面白くなれたゲーム」という表現がしっくりきます。アクションそのものは遊びやすく、SAOの世界で戦う楽しさも十分に感じられるだけに、細かなブラッシュアップが行われれば、プレイヤーからの評価はさらに高まるのではないかと感じました。

クラフト・育成要素は期待ほどではない

探索やアクションに続いて、本作でもう一つ気になったのがクラフトや育成システムです。

アインクラッドを攻略していくゲームであれば、「素材を集めて強力な装備を作る」「少しずつキャラクターを育てて次の階層へ挑む」といった成長の楽しさを期待する方も多いのではないでしょうか。実際、発売前の情報でも、本作は武器の強化やクラフト要素が一つの特徴として紹介されていました。

しかし、実際にプレイした印象としては、この部分も全体的にやや物足りなさが残ります。

ゲームを進める中で武器の強化や装備の更新は行えるものの、「探索を頑張ったから強くなれた」という実感を得られる場面は決して多くありません。新しい素材を集めて装備を作る喜びや、装備構成を試行錯誤する面白さも控えめで、クラフトがゲームプレイの大きなモチベーションにはなりにくい印象を受けました。

特に惜しいと感じたのは、本作のゲームデザインとは非常に相性が良いシステムだったという点です。

ここまで何度か触れてきたように、『Echoes of Aincrad』は探索そのものを楽しむ作品として設計されています。そのため、フィールドを隅々まで歩き回った結果、希少素材を発見できたり、新たな武器を生産できたりすれば、「探索する意味」がさらに強くなり、ゲーム全体の満足度も大きく向上したはずです。

ところが現状では、そのサイクルが少し薄く感じられます。

探索を繰り返しても劇的な成長を実感しにくく、新しい装備を手に入れたときの達成感も控えめです。そのため、「もう少し探索を続けよう」「あと少し素材を集めて装備を強化しよう」という、いわゆるハックアンドスラッシュ作品にある中毒性までは生まれていません。

レビューでも、「本来はプレイヤー自身が少しずつ強くなっていく楽しさを押し出したかったのではないか」と語られていましたが、実際に10時間ほどプレイした段階では、その拡張性はあまり感じられなかったようです。つまり、クラフト要素が存在しないわけではなく、「もっと発展させられたのではないか」と思わせる程度に留まっていることが、惜しい評価につながっています。

こうして振り返ると、本作では探索・アクション・育成という三つの要素がそれぞれ独立して存在しているものの、相互に結び付くことで生まれる相乗効果までは十分に発揮できていません。

例えば、探索で素材を集め、その素材で装備を強化し、強くなった状態で新たな階層へ挑戦する。このサイクルがより濃密に設計されていれば、「アインクラッドを攻略している」という実感はさらに強くなったはずです。

だからこそ、本作はプレイしていて何度も「あと一歩」という感覚が付きまといます。ゲーム全体の方向性は決して間違っておらず、目指している体験も魅力的です。ただ、その体験を支えるクラフトや育成システムにはもう少し厚みが欲しかったというのが率直な感想でした。探索好きや育成好きのプレイヤーほど、その可能性を感じるからこそ物足りなさも強く感じてしまう、そんな作品になっていると言えます。

『Echoes of Aincrad』はどんな人におすすめ?

ここまでプレイフィールやシステム面について詳しく見てきましたが、「結局、自分には向いているゲームなのか」が一番気になるポイントではないでしょうか。

結論から言うと、本作は万人向けの作品ではありません。

一方で、刺さる人にはしっかり刺さるゲームでもあります。そのため、購入を検討する際は、「SAOが好きだから」という理由だけで判断するのではなく、自分がどのようなゲーム体験を求めているかを考えることが大切です。

まず、本作をおすすめしたいのは、「アインクラッドを実際に歩いてみたい」と思っていたSAOファンです。

これまでのシリーズでは、キリトたちの物語を追体験することが中心でした。しかし、本作では自分自身が一人の攻略組となり、最前線を目指して階層を攻略していくことになります。そのため、「もし自分がSAO事件に巻き込まれたら」という世界観を味わいたい人にとっては、これまでの作品にはなかった没入感を楽しめます。

また、探索そのものを楽しめる人にも相性が良い作品です。

派手なイベントが次々と発生するゲームではありませんが、その代わりに広いフィールドを歩きながら少しずつ前進していくゲームテンポになっています。目的地までの道のりを含めて冒険と捉えられる人であれば、この静かなゲームデザインを心地良く感じられるかもしれません。

逆に、従来のSAOゲームのようなドラマ性を期待している方は注意が必要です。

本作はストーリー演出よりも「世界を体験すること」に重点を置いているため、イベントシーンやキャラクター同士の掛け合いは比較的控えめです。そのため、原作キャラクターとの交流や、アニメさながらの熱い展開を期待して購入すると、物足りなさを感じる可能性があります。レビューでも、「これまでのSAOゲームとは別物として考えたほうが良い」と評価されていました。

さらに、アクションRPGとして高い完成度を求める人にも、現時点では積極的におすすめしにくい部分があります。

アクションそのものは遊びやすく作られている一方で、当たり判定や細かなゲームバランスには改善の余地が残されています。クラフトや育成システムについても奥深さはまだ十分とは言えず、ゲームシステム全体として見ると「あと少し作り込んでほしかった」と感じる場面が少なくありません。

それでも、本作を完全に否定する気にはなれないのは、ゲーム全体から「作りたかったもの」がはっきり伝わってくるからです。

アインクラッドを攻略する一人のプレイヤーとして生きる体験は、これまでのSAOゲームにはなかった新しい挑戦でした。その方向性に魅力を感じるのであれば、現状でも十分楽しめる可能性がありますし、今後アップデートによってコンテンツやシステムがさらに充実すれば、本作の評価は大きく変わる余地を秘めています。

総合すると、『Echoes of Aincrad』は「ドラマを楽しむSAOゲーム」ではなく、「アインクラッドという世界を体験するSAOゲーム」です。このコンセプトに魅力を感じるのであれば、一度手に取ってみる価値は十分にある作品だと感じました。

まとめ|『Echoes of Aincrad』は挑戦的だからこそ評価が分かれる一本

ここまで『Echoes of Aincrad』を見てきましたが、本作を一言で表現するなら、「非常に挑戦的な作品」という言葉が最もしっくりきます。

従来のSAOゲームのように、キリトたちの活躍を追体験するキャラクターゲームではなく、一人のプレイヤーとしてアインクラッドを攻略していく体験そのものをゲームに落とし込もうとした意欲作でした。これまでのシリーズにはなかった方向性へ踏み出したことは、高く評価したいポイントです。

一方で、その挑戦が完全に成功しているかと言われると、素直にうなずくことはできません。

探索を重視したゲームデザイン、プレイヤー自身が物語を感じ取るナラティブな体験、攻略組として階層を踏破していく没入感など、目指しているものは最後まで一貫しています。しかし、それらを支える探索要素やイベント、クラフト、街での遊び、アクションの細かな完成度があと一歩及ばず、「もっと面白くなれたはず」という惜しさが常につきまといました。

ただ、それでも本作には他のSAOゲームにはない魅力があります。

広大なアインクラッドを自分の足で歩き、モンスターと戦いながら次の階層を目指していく時間は、原作ファンだからこそ味わえる特別な体験です。派手な演出は少なくても、「自分も攻略組の一員になった」という没入感については、本作ならではの価値が確かに存在していました。

だからこそ、本作は購入する人を選ぶゲームでもあります。

ドラマチックなストーリー展開や濃密なキャラクター同士の掛け合いを期待している方には、物足りなく映る可能性があります。その一方で、「SAOの世界を自分自身で歩いてみたい」「アインクラッドという舞台を体験したい」という思いを持っている方であれば、本作ならではの魅力を見つけられるかもしれません。

個人的には、本作をプレイしていて何度も「惜しい」という感情を抱きました。

それは決してゲームがつまらないからではなく、ゲーム全体から開発陣の目指したビジョンが伝わってきたからです。コンセプトそのものは非常に魅力的であり、その実現に必要な細かなシステムやコンテンツがもう少し充実していれば、シリーズの代表作になれるだけのポテンシャルを秘めていたように感じます。

現時点では、完成度という意味で手放しにおすすめできる作品ではありません。しかし、従来のSAOゲームとは異なる体験を味わいたい方や、アインクラッドという世界そのものに魅力を感じている方であれば、一度プレイしてみる価値は十分にあります。

今後のアップデートや続編によって、このコンセプトがさらに磨かれていくことにも期待したいところです。もし『Echoes of Aincrad』が目指した「アインクラッドを本当に生きるゲーム」が完成形へ近づけば、SAOゲームシリーズの新たな代表作として語られる日が来るかもしれません。

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