もし、いつも歩いている街の時間が突然止まってしまったら、どんな光景が広がっていると思いますか?
道路を走っていた車も、信号待ちをしていた人も、カフェで会話を楽しんでいた人たちも、その瞬間の姿のまま動かなくなる。そんな不思議な世界を自由に歩き回れるのが、時間停止をテーマにしたシミュレーションゲーム『俺だけが動ける街』です。
物語の始まりは、路地裏にある一軒の骨董屋。そこで手に入れたのは、名前が刻まれた古い真鍮の懐中時計でした。
一見すると、どこにでもありそうな古時計ですが、その竜頭を押し込んだ瞬間、周囲の様子が一変します。
それまで聞こえていた街の喧騒が消え、行き交う人々も車も完全に静止。ところが、時計を手にした主人公だけは、何事もなかったかのように動き続けられるのです。
そして、このゲームで興味深いのは、時間が止まった世界の舞台が、特別な施設や架空の異世界ではないという点にあります。
女子大のテニスコート、街角のカフェ、会社員が働くオフィス、通勤客が利用する電車、さらには病院やスーパーまで、普段の生活で見慣れた場所がそのまま探索エリアになっています。
しかも、それぞれの場所には異なる立場や職業のヒロインが登場するため、訪れる場所によって出会える人物も変わってきます。
例えば、テニスコートではラケットを構えた女子大生、病院では仕事中の看護師や女医、オフィスでは勤務中の会社員といった具合に、場所ごとに異なる場面が用意されているのが特徴です。
こうした設定によって、何気ない街の風景が、時間を止めるというたった一つの能力でまったく違ったものに見えてきます。
ただし、主人公が使える時間停止の能力は、無制限というわけではありません。
時計の分針が一周するまでという制約があり、停止した世界で何をするかによって残り時間も変化します。
つまり、好きな場所を自由に探索できる一方で、限られた時間をどう使うかという判断も求められる仕組みです。
いつもと変わらない街なのに、自分以外のすべてが動かない。
そんな奇妙な状況を、実写風AI動画による映像表現とプレイヤー自身の選択によって体験できることが、『俺だけが動ける街』ならではの特徴となっています。
そして、街に存在する14人のヒロインとの出会いが、この時間停止という能力の使い道をさらに広げていくのです。
止められる時間は60分!限られた時間をどう使うか
街全体の時間を止められると聞くと、好きな場所へ移動して、気になるものを好きなだけ眺められるような能力を想像するかもしれません。
ところが、『俺だけが動ける街』では、時間停止の能力にも一定の制約が設けられています。
その中心となるのが、懐中時計の分針が一周するまでという60分間の制限時間です。
プレイヤーは街のさまざまな場所でヒロインと出会い、時間を停止させた状態で行動を選択していきますが、何をするにも同じだけの時間がかかるわけではありません。
例えば、相手の様子を観察するだけなら時間をほとんど消費しない一方、別の行動を選ぶと残り時間が減っていく仕組みになっています。
つまり、時間を止めたからといって、すべての行動を無制限に試せるわけではなく、限られた時間の中で何を優先するかが重要になってくるのです。
さらに、ゲーム画面には残り時間が表示されており、プレイヤーはその数字を確認しながら次の行動を選べます。
ここで特徴的なのが、時間停止中に用意されている複数の選択肢です。
ヒロインを観察する、別の行動を試す、ポーズを変更する、あるいは時間停止を解除するといった操作が用意されており、選んだ内容によって展開するシーンも変化します。
ただ映像を順番に再生するだけではなく、プレイヤー自身が次の行動を決めることで、異なる場面へ進んでいく構成になっているわけです。
また、制限時間が足りなくなった場合には、時間停止を延長する仕組みも存在します。
ただし、一度時間が動き出してしまうと、それまでの停止状態を継続することはできません。だからこそ、残り時間を意識しながら行動を組み立てるという、ちょっと変わった時間管理の要素が生まれています。
そして、もう一つ見逃せないのが、時間停止を解除するという選択そのものにも意味があることです。
本作では、停止中にどのような行動を取ったかによって、時間が再び動き始めた際のヒロインの反応が変化する場面も用意されています。
時間が止まっている間だけでなく、その後に何が起こるのかまで含めて一つのシーンが構成されているため、同じヒロインでも選択する行動によって異なる展開を楽しめるのが特徴です。
また、解放したシーンはアルバム機能から再生できるので、一度見た場面を最初からやり直さずに振り返ることも可能となっています。
時間を止めるという圧倒的に自由な能力に、あえて制限時間を設けている。
この仕組みによって、『俺だけが動ける街』は単なる映像鑑賞だけではなく、プレイヤーの選択によって体験する場面が変わるシミュレーションゲームとして成立しています。
そして、こうした時間停止の仕組みが街のさまざまな場所に用意されたヒロインとの出会いに組み合わさることで、探索する場所ごとに異なる体験が生まれていきます。
テニスコートから病院まで、14人のヒロインが待つ街
時間停止の能力を使って探索できる場所は、女子大やカフェ、オフィス、病院など、普段の生活でも見かけるような施設ばかりです。
ただ、『俺だけが動ける街』では、それぞれの場所に異なるヒロインが登場するため、どこを訪れるかによって体験できる場面が大きく変わってきます。
登場するヒロインは、アップデートで追加された2人を含めて全部で14人。女子大生から会社員、看護師、女医、ショップ店員まで、年齢や職業、登場する場所もさまざまです。
例えば、女子大のテニスコートに登場する西園彩花は、ラケットを手にしたスポーティーな雰囲気のヒロイン。もう一人の女子大生である結城美桜はチアサークルに所属しており、同じ大学という舞台でも、それぞれ異なる人物像が用意されています。
一方、カフェでは店員の藤咲朱里だけでなく、客として訪れている志摩咲良も登場します。
同じ施設にいても立場が違えば、その場にいる理由も過ごし方も異なるもの。こうした細かな設定があることで、単にヒロインを選ぶだけではなく、街の中でさまざまな人物と出会っていくような感覚が生まれています。
さらに、オフィスには会社員の宮野沙耶香や受付嬢の真壁玲奈、病院には看護師の杉浦楓と女医の氷川真琴が登場。通勤中の会社員である久遠麻衣や、ジムに登場するヨガインストラクターの朝倉瑞希など、施設ごとに異なる職業や服装のヒロインが配置されているのも特徴です。
そして、街の探索範囲は仕事場や学校だけに限りません。
スーパーで買い物をしている岸本千尋や、銭湯の常連である日向雫など、仕事とは関係のない場所で過ごしているヒロインも登場します。
こうして見ていくと、本作の舞台は特定の建物に限定されているわけではなく、街そのものが複数のシチュエーションを楽しむためのフィールドになっていることが分かります。
また、ver 1.1では警察官の氷室凛と、アパレルショップで働く月島莉子が新たに追加されました。
交番やショップという新しい舞台が加わったことで、探索できる場所とヒロインの組み合わせも広がっています。
ちなみに、本作では最初からすべての場所を自由に選べるわけではなく、ヒロインとの会話などを通じてランクを上げることで、行ける場所が増えていく仕組みも用意されています。
そのため、気になるヒロインがいる場所へすぐに向かうだけでなく、街を探索しながら少しずつ行動範囲を広げていくという遊び方もできるのです。
さらに、各ヒロインには複数のシーンが収録されており、一人につき25〜40シーンという構成になっています。
14人という人数の多さだけでなく、それぞれに異なる場面が用意されている点も、本作の収録規模を感じさせる部分です。
なお、通常の14人とは別に、レビュー特典としてナイトプールに登場する水城レイラも用意されています。
テニスコートで過ごす女子大生、仕事中の会社員、病院で働く医療スタッフ、買い物中の女性たち。
普段なら何気なく通り過ぎてしまうような場所にも、それぞれ異なる人物と場面が存在している。そんな街を自分の意思で巡りながら、時間停止という特殊な能力を使っていくことが、『俺だけが動ける街』の大きな特徴となっています。
実写風AI動画と400以上のシーンが生み出す独特の臨場感
14人のヒロインが登場する『俺だけが動ける街』ですが、もう一つ注目したいのが、キャラクターや街の風景を実写風AI動画で表現しているという点です。
一般的なアドベンチャーゲームでは、イラストや立ち絵を切り替えながら物語を進める作品も多いものの、本作では人物の動きや表情を動画で見せる構成が採用されています。
例えば、テニスコートでラケットを構える女子大生や、病院の廊下でカルテを手にしている看護師など、ヒロインがそれぞれの場所で過ごしている様子が実写に近い映像で描かれています。
しかも、時間停止という設定があるため、プレイヤーが目にするのは、何かの動作をしている途中で突然静止した世界です。
普段なら一瞬で過ぎ去ってしまう場面を、時間が止まった状態で観察できるという演出は、本作の映像表現と相性のよい仕組みになっています。
そして、こうした場面は単に動画を再生するだけで終わるわけではありません。
ゲーム画面には行動を選択するためのメニューが表示されており、プレイヤーはヒロインを観察したり、視点を変更したりしながら、次の展開を選んでいきます。
特に特徴的なのが、映像を眺める位置や対象を細かく切り替えられることです。
例えば、ヒロインの表情に注目したり、全体の姿を確認したりと、選択した内容に応じて映像の見せ方が変わります。一般的な動画作品のように決められた順番で場面が進むのではなく、自分の選択によって見る場面を切り替えられるところに、ゲームならではの面白さがあります。
また、本作には400以上のシーンが収録されており、動画の合計再生時間は約1時間40分。映像はフルHDで制作されているため、実写風の人物表現を中心とした作品として、相応の収録規模が確保されています。
ただし、この1時間40分という数字は、最初から最後まで一本の映像として物語が続くという意味ではありません。
複数のヒロインや行動選択に対応した動画が収録されており、プレイヤーが場所や人物、行動を選ぶことで、それぞれのシーンを体験していく構成です。
つまり、映像の総再生時間だけでなく、どのような場面を選択できるのかという点も、本作のボリュームを考えるうえで重要になってきます。
さらに、一度解放したシーンはアルバム機能に登録され、あとから好きなタイミングで再生できるようになっています。
この機能があることで、特定のヒロインの場面をもう一度見たい場合でも、毎回同じ場所を訪れて最初から操作する必要はありません。
ゲームを進めながらシーンを解放し、気に入った場面をアルバムに集めていくという楽しみ方も用意されているわけです。
ちなみに、本作の映像はAIによって生成された実写風の表現であり、実際の人物を撮影した実写映像とは異なります。
そのため、人物の動きや表情がどこまで自然に見えるかは、AI映像ならではの特徴として好みが分かれる部分かもしれません。
一方で、イラスト調のキャラクターではなく、現実の街や人物に近い見た目で時間停止の世界を表現していることは、本作を特徴づける大きな要素です。
街の時間が止まるという非現実的な設定を、現実に近い映像で描いている。
この組み合わせによって、普段見慣れた場所がまったく違う空間に変わるという、独特の雰囲気が生まれています。
そして、14人のヒロインと400以上のシーンを、自分の選択によって少しずつ体験していく構成こそが、『俺だけが動ける街』を一般的な映像作品とは異なるものにしています。
時間停止ゲームが好きなら、この街を歩いてみたい
ここまで紹介してきた『俺だけが動ける街』ですが、作品の特徴を振り返ると、時間停止という特殊な能力を使いながら、さまざまな場所で異なるシチュエーションを体験できることが大きなポイントになっています。
特に、時間停止をテーマにした作品が好きな人にとっては、懐中時計ひとつで街全体の動きが止まり、自分だけが自由に行動できるという設定そのものが興味を引く部分ではないでしょうか。
しかも、舞台となるのは特別な異世界ではなく、女子大やカフェ、オフィス、病院といった身近な場所ばかりです。
普段なら何気なく通り過ぎてしまうような街の風景が、時間を止めるという能力によって別の表情を見せる。そんな非現実的な状況を楽しめる人には、相性のよい作品といえます。
また、一人のヒロインを中心に物語が進む作品よりも、さまざまな人物やシチュエーションを楽しみたい人にも向いています。
本作には14人のヒロインが登場し、それぞれ職業や登場場所が異なるため、同じ時間停止という設定でも、訪れる場所によって体験できる場面が変わってきます。
さらに、ver 1.1では警察官とアパレルショップ店員が追加されており、街を探索する楽しみも広がっています。
一方で、壮大な物語や複雑な人間関係をじっくり追いかけたい人にとっては、少し方向性が異なるかもしれません。
というのも、本作は主人公とヒロインの関係を長いストーリーで描くというより、時間停止という特殊な状況の中で、プレイヤー自身が行動を選択していくことに重点を置いたゲームだからです。
そのため、一本道の物語を読み進めるよりも、自分で場所や行動を選びながら、さまざまな場面を体験していく遊び方が好きな人に適しています。
そして、実写風AI動画を採用している点も、作品を選ぶ際の判断材料になります。
一般的なイラスト調のゲームとは見た目の印象が大きく異なり、現実に近い人物や街の風景を使って非現実的な状況を表現しているため、映像の雰囲気そのものに興味を持てるかどうかも重要です。
収録されているシーンは400以上、動画の合計再生時間は約1時間40分。解放した場面をアルバムから再生できる機能もあり、気に入ったシーンを繰り返し楽しめる構成になっています。
ただし、収録されている動画を最初から最後まで眺めるだけの作品ではなく、時間制限を意識しながら行動を選ぶというゲーム要素も含まれています。
こうした仕組みを踏まえると、『俺だけが動ける街』は、時間停止という設定に興味があり、複数のヒロインやシチュエーションを自分の選択で体験したい人に向いた作品です。
もし街の時間が止まったら、自分はどこへ向かい、何をするのか。
そんな想像を、14人のヒロインが登場する街と実写風AI動画によって形にしたのが『俺だけが動ける街』です。
普段と変わらない街の中で、自分だけが動けるという奇妙な状況。その世界でどのような場面が待っているのかは、本作の映像表現や選択式のゲームシステムに触れることで、より具体的に感じられる内容となっています。
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