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【FFレゾナンス】「ドット絵FFの進化形」は本当に面白い?体験版を遊んだ感想

【FFレゾナンス】「ドット絵FFの進化形」は本当に面白い?体験版を遊んだ感想

「もし、スーパーファミコン時代のFFがドット絵のまま進化していたら、どんなゲームになっていたのか」。

FFレゾナンスを初めて見たとき、まず気になったのはそこでした。昔のFFを思わせるドット絵をベースにしながら、画面の作りや演出はかなり豪華になっていて、歴代シリーズを知っている人なら思わず反応してしまう要素もかなり多く盛り込まれています。いかにも往年のFFファンを狙った作品という印象が強く、それだけに「懐かしさだけで評価されているゲームではないのか」という疑問もありました。

そこで実際に体験版を約4時間遊んでみたのですが、結論から言えば、FFレゾナンスは思っていた以上にしっかり面白いRPGでした。

特に好印象だったのが戦闘と育成システムで、昔ながらのコマンドバトルをそのまま持ってきたわけではありません。敵の弱点を突いてブレイクを狙い、そこから一気にダメージを叩き込むという現代的な仕組みが取り入れられており、歴代FFの主人公たちの力を借りる「ビジョンシステム」も含めて、触っているうちに「あれも試したい、こっちも育てたい」と思わせる作りになっています。体験版の段階でも、このシステムにはかなり先が気になる手応えがありました。

一方で、遊び終えた時点で「これは間違いなく傑作になる」とまで言えるかというと、そこはまだ何とも言えません。

戦闘そのものは面白いものの、通常の敵でも少し硬く感じられ、毎回きっちり戦おうとするとテンポの悪さが気になる場面があります。さらに、ストーリーについても体験版の範囲では強烈に先が気になるところまではいかず、主要キャラクターにもまだ完全には入り込めていません。

ただ、これは裏を返せば、ゲームシステムについてはすでにかなり好感触で、あとは物語がどこまで乗ってくるかという状態でもあります。

「昔のFFっぽいから懐かしい」で終わる作品ではなく、コマンドRPGとして遊んでもきちんと面白い。そのうえで、歴代FFを知っているほどニヤリとできる仕掛けが重なっているので、少なくともスーファミ時代のFFやFF5あたりが好きだった人なら、体験版だけでも触ってみる価値は十分にあると感じました。

戦闘は「昔のFF」ではなく現代RPGとしてしっかり面白い

では、実際に遊んでみて何が一番良かったのかというと、やはり最初に挙げたいのは戦闘です。

FFレゾナンスは見た目こそ昔のFFを強く意識していますが、戦闘まで当時のシステムをそのまま再現しているわけではありません。基本となるのはターン制のコマンドバトルで、敵には弱点が設定されており、そこを狙ってブレイクゲージを削っていく。うまくブレイクまで持っていけたら、そのタイミングで高火力の攻撃を集中させるという流れになっています。

この仕組みだけを聞くと、最近のRPGを遊んでいる人なら「オクトパストラベラーに近いのかな」と感じるかもしれません。確かに似ている部分はあるのですが、実際に触ってみると少し感覚が違っていて、オクトパストラベラーのように弱点を規定回数突けばブレイクするのではなく、FFレゾナンスではゲージを削り切ることでブレイクが発生します。

つまり、弱点攻撃はブレイクするための絶対条件ではなく、あくまでゲージを効率よく削るための手段というわけです。弱点を突けない状況でも少しずつ削っていけるため、「この敵にはこの攻撃しか意味がない」という窮屈さはそれほど感じませんでした。

そして、このあたりでちゃんとFFらしさが残っているのも面白いところです。

敵の弱点は基本的に魔法属性が中心になっていて、黒魔法を扱えるキャラクターなら属性を使い分けながら弱点を狙えます。一方、物理攻撃主体のキャラクターが不利になるかというとそうでもなく、属性を持った物理攻撃も用意されているため、それぞれの役割を考えながら戦えるようになっていました。

さらに、強力な攻撃を仕掛けてくる敵に対しては、その前にブレイクを狙うのか、それとも防御して受けるのかという判断も必要になります。弱点を見つけて攻撃を繰り返すだけではなく、敵の行動を見ながらこちらの手を変えていく余地があるので、コマンドバトルとして考える部分は思った以上に多めです。

だからこそ、遊んでいて感じたのは、FFレゾナンスは「昔のFFを懐かしむためのゲーム」ではなく、昔のFFが持っていた手触りを残しながら、今遊んでも面白いコマンドバトルへ作り直そうとしているということでした。

ドット絵や歴代シリーズの要素に目を奪われやすい作品ではあるものの、それを全部抜きにして戦闘だけを見ても、かなり手応えがあります。そして、この戦闘をさらに面白くしているのが、FFレゾナンスでかなり重要な位置を占めている「ビジョンシステム」でした。

FF5好きなら気になる「ビジョンシステム」がかなり面白い

先ほど戦闘そのものにかなり手応えがあると書きましたが、FFレゾナンスを遊んでいて「これはもっと触ってみたい」と感じたのは、むしろここからでした。

本作には「ビジョン」と呼ばれるシステムがあり、各地に存在する光の祠でクリスタルを調べることで、歴代FFの主人公たちの力を手に入れられます。たとえばティナのビジョンをセットすると、ファイアやブリザドといった魔法が使えるようになるだけでなく、魔法攻撃を強化する効果なども付与される。つまり歴代キャラクターが単純に仲間として加入するのではなく、そのキャラクターの能力や特徴そのものを装備するような仕組みになっています。

これだけなら歴代FFを題材にしたジョブシステムとも言えるのですが、面白いのはビジョン自体にも育成要素が用意されていることです。

装備した状態で戦闘を重ねてマスタリーポイントを獲得すると、そのビジョンが持っている「マスタリーアビリティ」を習得できます。さらに、そこで覚えたアビリティは別のビジョンを装備しているときにもセットできるため、一つのビジョンを育てて終わりではありません。複数のビジョンを育てながら能力を覚え、それらを組み合わせて自分なりのキャラクターを作っていくことになります。

このあたりの感覚は、FF5を遊んだことがある人ならかなり馴染みやすいと思います。ジョブを育ててアビリティを習得し、別のジョブへ移っても覚えた能力を組み合わせられる、あの遊び方に近いものがあります。

ただ、FF5とまったく同じというわけでもありません。FF5では「黒魔道士」「ナイト」といった職業そのものを選びますが、FFレゾナンスでは歴代キャラクターがその役割を担っています。そのため、同じ魔法系のビジョンであっても習得できる能力が単純に一系統へまとまっているわけではなく、元になったキャラクターの特徴が反映されているのが面白いところです。ティナなら黒魔法系の能力を持ちながら、すべての属性魔法を網羅しているわけではない、といった違いもあります。

しかも、ビジョンを付け替えたからといって、本作オリジナルのキャラクターたちの個性が消えてしまうわけでもありません。

各キャラクター自身もレベルアップによって固有のアビリティを覚えていくため、そこへビジョンによる能力を重ねていく形になります。素のキャラクターが持っている特徴を残しながら、「このキャラにはどのビジョンを持たせるか」「どのアビリティを引き継がせるか」と考えられるので、育成の自由度は体験版の時点でもかなり期待できそうでした。

FF5のジョブシステムが好きだった人なら、この「育てたものが次の育成につながっていく感覚」はかなり刺さるはずです。

そして何より、歴代FFのキャラクターを単なるファンサービスとして登場させるのではなく、育成やパーティ構築そのものに組み込んだことが、ビジョンシステムの面白いところだと感じました。新しいビジョンを手に入れれば、それだけ使える技が増えるだけでなく、育成や組み合わせまで変わってくる。体験版を遊び終えた段階で、まだ見ていない歴代キャラクターを早く手に入れて育ててみたいと思えた時点で、このシステムにはかなり惹かれています。

クラウドやティナが「ジョブ」になる面白さ。歴代FF要素の使い方がうまい

ビジョンシステムについてもう少し掘り下げると、個人的にうまいと感じたのが、歴代FFのキャラクターを「能力を借りる存在」だけで終わらせていないところです。

ティナやクラウドといった歴代キャラクターは、ビジョンとして装備して能力を得られるだけでなく、戦闘中にも実際に姿を現します。ビジョン側のアビリティを選択すると、装備しているキャラクターではなくビジョン本人が技を繰り出すため、仕組みとしてはジョブに近いのに、見た目としては歴代キャラクターと一緒に戦っているような感覚も味わえるんですよね。

さらに、敵をフルブレイクすると、装備しているビジョンによる「レゾナンス」という必殺技も発動できます。オリジナルキャラクター側にもユニットバーストが用意されているので、普段は弱点やブレイクを意識したコマンドバトルを進めつつ、ここぞという場面では歴代キャラクターまで加わって派手な攻撃を叩き込む。このメリハリも、実際に遊んでみるとなかなか気持ちいいものでした。

こうした作りを見ていると、FFレゾナンスが歴代キャラクターを登場させる意味も少し変わって見えてきます。

シリーズものでは過去作の人気キャラクターが登場すること自体がファンサービスになりやすく、もちろん本作にもその側面はあります。ただ、クラウドやティナが画面に出てきて技を使うだけなら、最初は嬉しくても、その新鮮さはいずれ薄れてしまうはずです。

その点、FFレゾナンスでは「誰のビジョンを装備するか」がキャラクターの性能や育成にも関わってくるので、新しいビジョンを手に入れること自体がゲームとしての楽しみにつながっています。歴代キャラクターを知っているから嬉しいだけではなく、「このビジョンを育てたら何を覚えるんだろう」「別のキャラクターに付けたらどうなるんだろう」と、RPGとして試してみたいことが自然に増えていくわけです。

もちろん、歴代FFを知らなければ成立しない仕組みというわけでもありません。少なくとも体験版を遊んだ範囲では、ビジョンそのものが育成やカスタマイズを支えるシステムとして機能しているため、過去作への思い入れが薄くてもゲーム部分は楽しめる作りになっています。

逆に、過去作を知っている人にとっては、そこへもう一段別の楽しさが加わります。

ティナならどんな能力を持っているのか、クラウドなら戦闘中にどう動くのか。知っているキャラクターだからこそ入手したときの嬉しさがありますし、そのキャラクターらしさが能力や演出にどう落とし込まれているのかを見る楽しみも出てきます。歴代FFという題材をファンサービスとゲームシステムの両方に使っているからこそ、ビジョンを集めることそのものが楽しみになる。ここはFFレゾナンスのかなり強い部分だと感じました。

HD-2Dの戦闘演出はかなり良い。それだけにムービー演出は好みが分かれそう

歴代キャラクターが実際に戦闘へ姿を見せてくれるとなると、当然気になってくるのが演出面です。そして、この部分についてはFFレゾナンスが掲げる「ドット絵FFの進化形」という方向性が、かなり分かりやすく表れているように感じました。

特に良かったのが、通常の戦闘画面でキャラクターが動く場面です。

昔のFFでは、ドット絵のキャラクターが少ない動きの中で攻撃や魔法を表現していましたが、FFレゾナンスではその雰囲気を残しながら動きそのものがかなり派手になっています。背景やエフェクトを含めた画面全体の見栄えも現代的になっていて、それでいて3Dのキャラクターを操作しているのとは明らかに違う。ドット絵だからこその格好良さを残したまま、戦闘演出を今のゲームとして見られるところまで引き上げている印象です。

クラウドのように元々アクションの印象が強いキャラクターを見ても、その良さは分かりやすく感じられました。ビジョンとして登場して技を繰り出す姿はしっかり動きますし、エフェクトも含めて十分に派手なので、「ドット絵だから演出が地味」という感覚はほとんどありません。

むしろ、ここまで2Dの表現がよくできているからこそ、少し気になった部分もあります。それが、一部で挟まれるムービー演出でした。

もちろん、ムービーそのものが悪いという話ではありませんし、演出を豪華に見せるという意味では分かりやすい方法でもあります。ただ、実際にプレイしていると通常のHD-2D表現だけでも十分に格好良く見えるので、「ここもそのままドット絵で見たかったな」と思う場面が出てきます。幸い演出にはスキップできるものも用意されていますが、作品全体がこれだけ2D表現に力を入れているだけに、個人的にはそちらへ振り切った姿も見てみたかったところです。

これは単純にムービーがあるかないかという話以上に、FFレゾナンスという作品をどこに魅力を感じて遊ぶかでも評価が変わりそうです。

豪華な必殺技演出を楽しみたい人なら気にならないと思いますし、一方で「もし昔のFFがドット絵のまま進化していたら」という部分に惹かれた人ほど、できる限りその表現だけで見せてほしいと感じるかもしれません。少なくとも自分の場合は後者で、HD-2Dによる戦闘が予想以上によく動き、見ていて格好良かったからこそ、ムービーに頼らなくても十分成立しているように感じました。

そして、ここまで戦闘システムや育成、演出についてはかなり好印象だったのですが、実際に4時間ほど遊んでいると、戦闘について一つだけ無視できない部分も見えてきます。それが、通常の雑魚戦にかかる時間でした。

惜しいのは雑魚戦。面白いシステムだからこそテンポが気になった

先ほど触れたように、FFレゾナンスの戦闘システム自体はかなり面白く、弱点を探してブレイクを狙う流れにも手応えがあります。ただ、体験版を4時間ほど遊んでいると、その面白さとは別のところで少し引っかかったのが、通常の雑魚戦にかかる時間でした。

本作ではボスだけでなく、道中で遭遇する敵もそれなりに耐久力があります。弱点を突いてブレイクゲージを削り、フルブレイクしたところへ攻撃を集中させるという基本をきちんと使えば倒せるものの、雑魚だから通常攻撃を何回か選んで終わり、というテンポではありません。そのため、一戦ずつなら気にならなくても、探索しながら何度も戦闘を繰り返していると、少し重たさを感じるようになってきました。

ここで難しいのが、「考える必要があるから面倒」というわけではないことです。

たとえばFF10も、敵によって有効な攻撃手段が違うため、雑魚戦でもある程度は相手を見ながら行動を選びます。それでも戦闘そのものが大きなストレスになりにくかったのは、正しい行動を選んだときに敵を比較的スムーズに処理できたからではないかと思います。

FFレゾナンスの場合も、弱点を見極めて適切な攻撃を選ぶこと自体はむしろ面白いんです。ただ、そこからブレイクまで持っていき、さらにHPを削り切るまでにもうひと手間かかる。この「答えは分かっているのに、戦闘がまだ続く」という感覚が重なることで、雑魚戦のテンポが少し気になってきます。

とはいえ、単純に敵を柔らかくすれば解決する話でもなさそうです。

FFレゾナンスは、レベルアップしただけでHPやMPが全回復するわけではなく、セーブポイントでも無条件に全回復できる作りにはなっていません。その一方でエーテルは極端に貴重なアイテムではなく、ブレイク時にMPを回復できる能力も用意されているため、リソース管理を要求しながら、それをプレイヤー側の工夫で補えるようになっています。

このあたりを見ると、道中の戦闘も含めて多少歯応えを残そうとしている意図は感じられますし、昔のRPGにあった「ダンジョンの奥へ進むほど少しずつ消耗していく感覚」が好きな人なら、むしろ好意的に受け取れる部分かもしれません。

だからこそ惜しいんですよね。戦闘が単調だから早く終わってほしいのではなく、弱点やブレイクを考える部分は面白いので、正解を選んだときにはもう少し気持ちよく敵を倒し切らせてほしいという感覚に近いです。

もちろん、このあたりは製品版での敵の種類や育成状況によって印象が変わる可能性もあります。それでも体験版を遊んだ範囲では、もう少しだけ雑魚戦がサクッと進むようになれば、戦闘について感じた不満はかなり小さくなりそうでした。

探索や武器防具屋にも残っていた「昔のRPGを遊ぶ楽しさ」

雑魚戦についてはもう少しテンポが良くなってほしいと感じた一方で、その戦闘を挟みながらフィールドを歩き回ること自体はかなり楽しめました。

FFレゾナンスのフィールドは、目的地まで一直線に進むというより、少し寄り道したくなるような作りになっています。特に印象に残ったのが宝箱の配置で、マップを眺めていると「この先、何かありそうだな」と感じる場所があり、実際に足を運んでみると宝箱が見つかる。露骨に隠されているわけでもなければ、普通に進んでいるだけですべて回収できるわけでもない、その塩梅がなかなか良かったんですよね。

さらに、「石板のかけら」という収集要素も用意されているので、自然とフィールドの隅まで見て回りたくなります。最近のRPGでは目的地までのルートや収集物の場所がかなり分かりやすく示される作品も増えましたが、FFレゾナンスでは自分でちょっと怪しい場所を探してみる余地が残されていました。一部では画面の見にくさを感じる場面もあったものの、探索そのものが作業になりにくいのは好印象です。

そして、もう一つ地味ながら「これ、いいな」と思ったのが、町にある武器防具屋でした。

RPGでは当たり前の存在に思えるかもしれませんが、最近はクエスト報酬やダンジョンの宝箱から強い装備が次々と手に入り、店で武器や防具を買う意味が薄くなっている作品もあります。ところがFFレゾナンスでは、少なくとも体験版の序盤では武器防具屋を覗いて、「今の所持金なら何を買うべきか」と考える意味がきちんと残されていました。

全部を買えるわけではないから、武器を優先するのか、防具を新しくするのか、それとも少しお金を残しておくのか。こういう選択はものすごく大きなシステムではありませんが、昔のRPGを遊んでいたときには確かにあった楽しさです。新しい町へ到着したら、まず武器防具屋へ行って品揃えを見る。その中に今より明らかに強い武器を見つけると、それだけで少し嬉しくなるんですよね。

戦闘でHPやMPが少しずつ減っていくことも含めて考えると、FFレゾナンスは昔のRPGを思わせる要素を見た目だけで再現しているわけではないように感じます。探索して宝箱を見つけ、戦闘で消耗しながら先へ進み、町へ戻ったら手に入れたお金で装備を整える。そうしたRPGの基本的な流れに、あえて意味を持たせようとしている印象があります。

しかも、体験版を約4時間遊んだだけでもかなり密度があり、本編は相当なボリュームになりそうな気配もありました。軽く遊んですぐ終わるRPGというより、育成や探索も含めて腰を据えて進めていくタイプになりそうです。

こういう部分まで含めて見ると、FFレゾナンスが目指している「昔のFFらしさ」は、ドット絵や歴代キャラクターといった分かりやすいところだけではないのかもしれません。町で装備を整え、寄り道しながらフィールドを探索し、少しずつパーティを強くして先へ進む。その過程そのものを楽しませようとしているところにも、昔ながらのRPGらしさが残っていました。

体験版で気になった最大の部分はストーリー。評価は製品版まで保留したい

ここまで戦闘や育成、探索についてはかなり好印象な部分が続きました。それでも、体験版を遊び終えた時点で「これは間違いなく面白い作品になる」と言い切れない理由があります。

それが、ストーリーです。

もちろん、物語そのものがつまらないと感じたわけではありません。ただ、体験版の範囲では「この先で何が起こるんだろう」と強く引っ張られるところまではいかず、メインとなる3人のキャラクターについても、まだ特別な思い入れを持つところまでは届きませんでした。システム面では続きを遊びたい理由がいくつも見つかったのに対して、物語についてはもう少し先まで見てから判断したい、というのが現時点での感覚です。

ただ、ここは体験版だけで評価を決めてしまうのも早いと思っています。

物語の序盤を丁寧に描くタイプのRPGなら、最初の数時間ではまだ大きな目的やキャラクター同士の関係が見えてこないこともありますし、そもそも今回遊べる範囲そのものが限られています。たとえばFF5で考えてみても、序盤だけを切り取って「この物語が最終的にどこまで面白くなるのか」を判断するのは難しいはずです。FFレゾナンスについても、体験版の終点が物語を評価するには少し早いところにある、と考えたほうが自然に感じました。

むしろ気になるのは、ここまでゲームシステムがしっかり作られているからこそ、ストーリーまで面白くなったときに作品全体の評価が一気に上がりそうなことです。

ビジョンを集めて育てる楽しさがあり、戦闘では弱点やブレイクを考える余地がある。フィールドへ出れば寄り道したくなる場所もあり、町に着けば新しい装備を買う楽しみまで残されています。RPGとして長く遊び続けるための仕組みについては、体験版の時点ですでにかなり揃っていました。

だからこそ、最後に欲しくなるのが「この世界の先を見たい」と思わせてくれる物語なんですよね。

ここがしっかり噛み合えば、ビジョンを育てたいから先へ進むだけではなく、物語を追っていたら自然と新しいビジョンや町、ダンジョンへ辿り着き、そこでまた育成や探索が面白くなっていく。RPGとしてかなり気持ちのいい循環が生まれそうです。

逆に言えば、歴代FFのキャラクターや懐かしいネタがどれだけ出てきても、本編の物語に最後まで入り込めなければ、「ファンサービスは楽しかった」で終わってしまう可能性もあります。FFレゾナンスが歴代シリーズへの思い入れだけに頼らない一本のRPGになれるかどうか、その意味でもストーリーはかなり重要になりそうです。

戦闘や育成については、もう続きを遊びたいと思えるところまで来ている。だから今、一番知りたいのはFFレゾナンス自身の物語がどこまで面白くなるのか。体験版ではまだ答えが出なかった部分だからこそ、ここについては製品版を遊んでから改めて評価したいと思います。

ギルガメッシュなど歴代FFネタはかなり濃い。ファンサービスだけでも楽しめる

ストーリーについてはまだ判断を保留したい一方で、体験版の段階ですでにかなり楽しませてもらった部分もあります。それが、歴代FFを知っている人ほど反応してしまうファンサービスです。

そもそもビジョンシステム自体が歴代キャラクターを活用した仕組みなので、シリーズ経験者を意識した作品であることは最初から分かります。ただ、実際に遊んでみると、それ以外のところにも「あ、これ知ってる」となる要素がかなり仕込まれているんですよね。

体験版でも分かりやすかったのが、ギルガメッシュの登場でした。

宝箱から「源氏の小手」を手に入れると、おなじみのBGMとともにギルガメッシュが現れる。ここまでなら歴代FFを知っている人へのサービスとして想像できる範囲なのですが、そのまま終わらず、せっかく手に入れた源氏の小手をギルガメッシュに盗まれてしまいます。単に有名キャラクターを登場させるだけではなく、「そこでそう使うのか」と少し笑えるネタにしているのが良かったところです。

こういうファンサービスは、やりすぎると本編より過去作ネタのほうが目立ってしまう難しさもあります。特にFFのように長い歴史を持つシリーズなら、有名なキャラクターやモンスター、BGMを出すだけでもファンは反応してくれるので、それに頼ろうと思えばいくらでも頼れてしまいます。

ただ、体験版を遊んだ限りでは、単に懐かしいものを次々と見せられているだけ、という感覚にはなりませんでした。

ビジョンは育成システムとしてゲームの中に組み込まれていますし、歴代シリーズを思わせる敵も実際に戦う相手として登場します。そのうえでギルガメッシュのような少し遊びのあるネタも挟まれるので、過去作要素を見つけること自体が探索中のちょっとした楽しみになっています。

しかも、体験版だけでこれだけ出てくるとなると、製品版では「次は何が出てくるんだろう」という期待も自然と膨らみます。ビジョンとして登場する歴代キャラクターはもちろん、敵やアイテム、BGMまで含めれば使える題材は相当な数になるはずなので、シリーズを長く遊んできた人ほど細かなところまで見たくなりそうです。

実際、体験版の終盤でも、スーファミ時代のFFを知っている人なら見覚えのある相手が登場し、しかも簡単に倒せるサービス戦ではなく、しっかり強敵として立ちはだかります。知っているものが出てきた嬉しさと、「こいつと本当に戦うのか」という驚きが同時に来るので、この使い方は素直に楽しかったです。

とはいえ、ここまで書いてきた通り、歴代FFの要素が多いことだけでFFレゾナンスそのものを高く評価したいわけではありません。

懐かしいキャラクターやBGMに反応できるのは確かに楽しいですし、それだけでも体験版を遊ぶ理由にはなります。ただ、その楽しさはあくまでプラスアルファであって、一本のRPGとして面白いかどうかは別の話です。

むしろ今回の体験版で期待が高まったのは、ファンサービスの下にある戦闘や育成がちゃんと面白かったからこそ。そこへFFレゾナンス自身のストーリーまで噛み合ってくれれば、「昔のFFを知っている人が懐かしむゲーム」だけでは終わらない作品になりそうだと感じています。

FFレゾナンスは「懐かしいFF」だけでは終わらなそう。あとは物語次第

ここまで体験版を振り返ってみると、FFレゾナンスに対する印象は、プレイする前と後でかなり変わりました。

最初は「昔のFFを思わせるドット絵に、クラウドやティナといった歴代キャラクターを組み合わせた作品」というイメージが強く、正直なところ、懐かしさを前面に押し出したファン向け作品なのかなとも思っていました。ところが実際に約4時間遊んでみると、その見方だけでは少しもったいないゲームです。

何より良かったのは、RPGの中心となる戦闘と育成にきちんと面白さがあったこと。

弱点を突いてブレイクを狙い、そこから一気に攻撃を叩き込む戦闘には考える余地がありますし、歴代キャラクターの力を借りるビジョンシステムも、単なるファンサービスではなく育成の軸として成立しています。ビジョンを育ててアビリティを覚え、それを別の組み合わせでも活用していく仕組みは、製品版でもいろいろ試したくなる部分でした。

そこへ、寄り道した先で宝箱を見つける探索や、町で所持金と相談しながら装備を買う楽しさが加わってくる。こうして一つずつ見ていくと、FFレゾナンスが昔のFFから受け継ごうとしているものは、ドット絵という見た目だけではないことが分かってきます。

一方で、すべてが文句なしだったわけでもありません。

雑魚戦はもう少しテンポ良く進んでほしいと感じましたし、HD-2Dの表現がよくできているからこそ、一部のムービーについては好みが分かれそうです。そして何より、体験版の範囲ではストーリーにまだ強く引き込まれるところまでいかなかった。ここは製品版を評価するうえで、かなり大きなポイントになりそうです。

ただ、それでも体験版を遊び終えて「もう十分かな」とはならなかったんですよね。

まだ手に入れていないビジョンを使ってみたいですし、育成が進めばどこまで戦い方を変えられるのかも気になります。フィールドの先には何があるのか、歴代FFから今度は誰が登場するのかと考えると、製品版でも続きを遊んでみたいと思えるだけのものはすでにありました。

だから現時点でのFFレゾナンスを一言で評価するなら、「ドット絵FFの進化形」という言葉に惹かれた人には、一度体験版を触ってみてほしいRPGです。

特にスーファミ時代のFFやFF5のジョブシステムが好きだった人なら、懐かしさだけでなく「こういうFFを今の時代に作るなら、確かにこうなるかもしれない」と感じられる部分もあると思います。体験版だけでも約4時間遊べるため、自分に合うかどうかを確かめるには十分なボリュームがあります。

あとは、やはり物語です。

戦闘が面白く、育成ももっと試したい。探索にも昔ながらのRPGらしい楽しさがあり、歴代シリーズのファンサービスまでたっぷり入っている。ここに「FFレゾナンスの物語を最後まで見届けたい」と思えるだけのストーリーが加われば、単なる懐古作品ではなく、一つの新しいFFとしてかなり印象に残る作品になるかもしれません。

体験版を遊んだ今は、そこまで期待して製品版を待ってみたいと思っています。

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