FF14の「魔獣使い」と聞いて、まず思い浮かべるのは、フィールドにいる魔獣を捕まえて仲間にし、その魔獣と一緒に戦っていく遊びだと思います。
実際、魔獣使いには全50種類の魔獣が用意されており、自分よりレベルの高い魔獣は捕獲できないため、コレクションを進めること自体がひとつの大きな目標になっています。ただ、実際に触ってみると、単純に「魔獣を集めるジョブ」というイメージだけでは収まらない内容でした。
というのも、魔獣使いには捕獲や育成だけでなく、専用のバトルコンテンツが用意されています。
そこでは、仲間にした魔獣を連れて敵と戦うだけではありません。どの魔獣を編成するのか、限られたリソースをどこで使うのか、手に入れたビーストギアをどう組み合わせるのか。さらに戦闘が始まれば、いつものFF14と同じようにギミックを処理しながら、自分と魔獣の両方を動かしていく必要があります。
特に面白いのが、魔獣使い自身のレベルとは別に、それぞれの魔獣へ「ビーストランク」が設定されていることです。専用コンテンツで経験値を得られるのは実際に連れていった魔獣に限られるため、誰を育てて、誰を攻略に使うのかという判断まで後々効いてきます。
こうして遊んでいると、魔獣を集めるコレクション要素、育成、装備を組み合わせるハクスラ的な面白さ、そしてFF14らしいギミックバトルが、ひとつのコンテンツに詰め込まれていることが分かってきます。
一方で、実際に遊んだからこそ気になった部分も少なくありません。
「魔獣使いは面白いのか?」と聞かれれば、個人的には面白い部分がしっかりあるコンテンツだと感じました。それでも評価が素直に「面白かった」だけで終わらないのは、UIやチュートリアル、育成に必要な周回、そして魔獣を自由に使い分けるうえでの仕組みなど、せっかくの面白さを少し邪魔している部分も見えてくるからです。
では、実際にどこが面白かったのか。そして、なぜ魔獣使いを巡って賛否が分かれているのか。
ここからは、実際に遊んで特に印象に残った部分から掘り下げていきます。
魔獣使いで特に面白かった3つのポイント
魔獣使いには気になる部分もありますが、それでも遊び続けたくなるだけの面白さはしっかりあります。
なかでも印象に残ったのが、限られたリソースをやりくりする緊張感、ビーストギアを組み合わせて強くしていく楽しさ、そして従来のFF14とは少し違った形で成立しているバトルの3つでした。
ギリギリの状況を切り抜ける「リソース管理」が面白い
まず面白かったのが、何でも好きなだけ使えるわけではないからこそ生まれる、リソース管理の緊張感です。
普段のFF14では、ギミックを正しく処理できたか、スキルをきちんと回せたかといった部分が戦闘の結果に直結しやすくなっています。一方、魔獣使いでは多少ミスをしても、その時点ですべてが決まるとは限りません。
魔獣のHPが減ったり、手持ちのアイテムを消費したりしながらも、その後の判断次第では立て直せます。
だからこそ、「まだいけるのか」「ここでアイテムを使うべきか」「この魔獣を残しておいた方がいいのか」と考える場面が自然と増えていきます。実際、複数の魔獣が倒れ、アイテムも使い切り、自分のHPまでほとんど残っていない状態から勝てるような展開も起こるため、単に決められた手順をこなすだけではない緊張感がありました。
さらに、道中で欲しいアイテムが手に入るとは限らないところも、この遊びと相性が良く感じます。
予定していた回復手段が手に入らなければ、その状態でどう進むかを考えなければいけません。逆に欲しかったものがうまく揃えば、それまで苦しかった攻略が一気に楽になることもあります。
こうした状況の揺れがあることで、勝ったときにも「予定通り攻略できた」というより、手元にあるものを使い切って何とか切り抜けたという感覚が残ります。
FF14では珍しいタイプの面白さですが、魔獣使いならではの魅力としてかなり印象に残る部分でした。
ビーストギアを重ねて強くするハクスラ的な楽しさ
そして、もうひとつ面白かったのが「ビーストギア」です。
最初に個々の効果だけを見ると、数値の変化が小さく、「これを選んだところで、そこまで変わらないのでは」と感じるものもあります。ところが、似た効果を複数重ねていくと話が変わってきます。
たとえば防御面を強化する効果を積み重ねたり、ブロック成功率を上げるギアと、ブロックをきっかけに別の効果が発動するギアを組み合わせたりすると、それぞれ単体では地味だった能力がひとつの戦い方として形になっていきます。
ここが単なるステータスアップとは少し違うところです。
「数字が高いからこれを取る」だけではなく、すでに持っているギアとの相性を見ながら次に何を選ぶか考える。その組み合わせがうまく噛み合って、明らかに戦いやすくなった瞬間には、自分でビルドを作った手応えも感じられます。
毎回まったく同じ条件で戦うのではなく、そのとき手元にある選択肢から形を作っていくため、少しハクスラに近い楽しさが入っているわけです。
普段のFF14では装備をその場で拾いながらビルドを組み立てていくような機会はほとんどありません。それだけに、この部分はかなり新鮮でした。
いつものFF14とは違う、それでも確かに「FF14」な戦闘
ここまで見ると、魔獣使いはFF14とはかなり違うゲームを遊んでいるようにも思えます。
ただ、実際に戦闘へ入ると、根っこの部分にはきちんとFF14らしさが残っています。
敵の攻撃を見てギミックを処理し、自分のスキルを回しながら、魔獣の状態まで管理する。しかも、敵や状況によっては雑魚を先に処理するのか、それとも無視してボスを削るのか、強力な攻撃だけ魔獣に受けてもらうのかといった判断も必要になります。
面白いのは、必ずしもひとつの正解だけが用意されているわけではない点です。
ギミック処理に不安があるなら雑魚を早めに倒して安全を確保する。一方で処理に自信があるなら、雑魚を残したままボスへの攻撃を優先してもいい。さらに魔獣への指示や敵の誘導まで使えば、攻撃の手をできるだけ止めずに処理する方法も考えられます。
つまり、従来のFF14で培ってきたギミック処理やスキル回しが無駄になるのではなく、そこへ魔獣の編成やHP管理、リソースの使い方といった新しい判断が重なっています。
FF14らしさを残しながら、いつものFF14とは違う頭の使い方を求められる。
このバランスは魔獣使いのかなり面白いところでした。
ただ、その一方で「面白いのに、なぜここはこうなっているのか」と引っかかる部分もあります。むしろ土台となるゲーム部分が面白かったからこそ、遊び続けるほど惜しい部分も目につくようになりました。
一方で「惜しい」と感じた魔獣使いの3つの課題
ここまで触れてきたように、魔獣使いは戦闘そのものに面白い部分が多く、魔獣やビーストギアをどう使うか考える余地もしっかり用意されています。
だからこそ余計に気になったのが、ゲームの難しさとは少し違うところで引っかかる場面が多いことでした。
特に、UIの分かりにくさ、チュートリアルの不足、そして実際に遊んだときの難易度感については、もう少し整っていれば最初の印象がかなり変わったのではないかと感じます。
必要な情報にすぐアクセスできないUI
魔獣使いでは、戦闘が始まってから操作するだけではなく、事前に情報を確認し、どの魔獣を連れていくか考えることも攻略の一部になっています。
それだけに気になるのが、考えるために必要な情報へアクセスしづらい場面があることです。
たとえば、特定の技が必要になったとき、「その技をどの魔獣が持っていたのか」をすぐ確認できなければ、一度覚えた情報を自分の記憶から引っ張り出す必要があります。ショップでも、すでに持っていて購入できないアイテムが候補として表示されたり、テントで回復する対象を考えたいのに、この先に登場する敵をその場で確認できなかったりと、細かなところで判断が止まりやすくなっています。
もちろん、プレイヤー自身が情報を覚えながら上達していくことまで否定する必要はありません。
ただ、魔獣使いの場合は、魔獣の編成、HP、技、ビーストギア、敵との相性など、もともと考える対象がかなり多くなっています。そこへ「必要な情報がどこにあるのか探す」という手間まで加わると、本来楽しむべき戦略とは別のところで負荷が増えてしまいます。
さらに気になったのが、こちらには物理耐性や魔法耐性といった情報が用意されているにもかかわらず、敵から受ける攻撃が物理なのか魔法なのか判断しづらいケースがあることです。せっかく耐性を考えられる仕組みがあるなら、その判断材料もセットで見せてほしくなります。
難しいから迷うのであれば、それもゲームの面白さになります。
一方で、情報を確認しづらいから迷うのは、少し意味が違います。
魔獣使いは自分で考えて攻略する部分が魅力だからこそ、その思考を支えるUIについては、もう一段使いやすくなってほしいところです。
丁寧だった説明が、重要なところで急に足りなくなる
もうひとつ惜しく感じたのが、チュートリアルのバランスです。
魔獣使いを始めた直後は、魔獣の捕まえ方や基本的な指示などをかなり丁寧に教えてくれます。初めて触るシステムでも順番に試せるため、この段階ではそれほど戸惑いません。
ところが、いざ専用コンテンツへ入ると雰囲気が変わります。
ここからは魔獣をただ攻撃させればいいわけではなく、敵からの攻撃を受けさせたり、魔獣のHPを管理したり、状況に応じて自分と魔獣の役割を切り替えたりと、それまで以上に考えることが増えていきます。
それなのに、複雑になるタイミングで説明が薄くなるため、「さあ、ここから実践です」と渡された情報だけで、いきなり本番へ放り込まれたような感覚がありました。
たとえば、敵の攻撃を魔獣へ向ける「引きつけろ」ひとつを取っても、実際の戦闘ではかなり重要です。
自分が倒れればそこで終わる以上、すべての攻撃を自分で受け続ける必要はありません。危険な場面では魔獣に攻撃を引き受けてもらい、自分のHPを守る。こうした基本的な考え方を最初の実戦で体験させるだけでも、その後の理解はかなり違っていたはずです。
しかも、弱点属性などの重要な情報が後になって説明されるため、「それなら最初に知っておきたかった」と感じる部分もあります。
最初から全部説明すると情報量が多くなりすぎる、という事情はあると思います。それでも、魔獣使いは覚えることが多いからこそ、説明を減らすよりも、実際に戦わせながら少しずつ覚えさせる方が相性は良かったように感じました。
「普通のIDくらい」と考えて入ると難しく感じやすい
そして3つ目が、実際にプレイしたときの難易度感です。
ここで注意したいのは、「難しいから悪い」という話ではありません。むしろ、ある程度歯応えがあるからこそ、前述したリソース管理や魔獣を使い分ける面白さが生きています。
問題は、普段のIDと同じ感覚で入ると、求められることが想像以上に多いことです。
通常の戦闘でも、敵を攻撃しながらギミックを処理する必要があります。魔獣使いではそこへ、魔獣のHP、自分のHP、魔獣を入れ替えるタイミング、位置取り、敵からの攻撃を誰に受けさせるのかといった判断が加わってきます。
さらに戦闘前には敵の情報を見ながら編成も考えるため、戦いが始まる前からすでに攻略は始まっています。
言ってしまえば、DPSとして敵を削るだけではなく、魔獣への攻撃を管理するタンク的な考え方や、HPを見ながら立て直す要素まで一人で抱えるような感覚です。
もちろん、この忙しさそのものが魔獣使いの面白さでもあります。
自分と魔獣をうまく動かし、ギミックを処理しながらギリギリで勝てたときの手応えは、簡単にクリアできるコンテンツでは味わいにくいものです。
ただ、最初に想像していた難易度との落差が大きいと、「思っていたより難しい」という印象だけが先に残ってしまいます。
しかも先ほど触れたUIやチュートリアルの問題が重なることで、ゲームそのものが難しいのか、まだ仕組みを理解できていないだけなのか、その境目まで分かりにくくなっています。
ここは非常にもったいないところでした。
というのも、操作や仕組みが分かってくると、魔獣使いの戦闘には自分なりに攻略を組み立てる面白さが見えてきます。
そして、その面白さをさらに掘り下げていくと、次に気になってくるのが「魔獣をどう育てるか」です。
実はこの育成部分こそ、魔獣使いの評価が分かれる理由を考えるうえで、かなり重要なポイントになってきます。
魔獣使い最大の論点は「周回」と育成の関係にある
ここまで挙げてきたUIやチュートリアルは、今後の調整によって改善しやすい部分でもあります。
それよりも魔獣使いを長く遊ぶことを考えたとき、個人的にかなり気になったのが育成の仕組みです。
というのも、魔獣使いにはジョブそのもののレベルとは別に、各魔獣を強くする「ビーストランク」が存在します。この仕組み自体は育成要素として分かりやすいものの、実際に遊んでいくと、ビーストランクを上げるための周回と、魔獣を使い分けながら攻略する楽しさが少し噛み合っていないようにも感じました。
魔獣使いLv50だけでは終わらない「ビーストランク」
まず押さえておきたいのが、魔獣使い本人をレベル50まで育てれば、それだけですべての準備が整うわけではないことです。
それぞれの魔獣には独立したビーストランクが設定されており、専用コンテンツを攻略していくなら、こちらの育成も重要になります。さらに経験値は所持しているすべての魔獣へ入るのではなく、実際に連れていった魔獣だけが対象になるため、誰を育てるのかという選択も必要です。
ここだけを見ると、それほど不自然な仕組みには感じません。
お気に入りの魔獣を連れて戦い、少しずつ強くなっていくのであれば、育成ゲームとしてむしろ分かりやすい構造です。
ところが、魔獣使いの戦闘には「敵に合わせてどの魔獣を連れていくか考える」という別の面白さがあります。
そこで少し話が変わってきます。
攻略を続けているうちに、「この敵なら今まで使っていなかった魔獣の方が相性が良さそうだ」と気づくことがあります。本来なら、そこで編成を変えて試してみること自体が攻略の楽しさになるはずです。
しかし、その魔獣のビーストランクがほとんど上がっていなければ、すぐには実戦へ投入しにくくなります。
つまり、戦略としては別の魔獣を試したいのに、育成状況を見ると今まで使ってきた魔獣をそのまま使った方が楽という状況が起こりやすいわけです。
このあたりから、育成と攻略の関係が少し気になり始めました。
強くしてから挑むか、弱いまま試行錯誤するか
さらに悩ましいのが、どの程度までビーストランクを上げてから次へ進むのかという問題です。
当然ながら、しっかり育成してから挑めば攻略は楽になります。
実際、推奨されるランク帯まで魔獣を育ててから進めば、初見でも突破できる場面が出てきます。逆にランクが足りない状態で挑めば、単純な力押しでは通用しにくくなるため、「弱点を突ける魔獣を入れた方がいいのか」「この攻撃は止められないのか」「魔獣を交代させるタイミングを変えるべきか」といった試行錯誤が必要になります。
どちらが正しい遊び方という話ではありません。
何度も負けながら攻略法を探すことが苦手なら、先に十分な育成を済ませてから挑んだ方が楽しみやすいと思います。一方で、ギリギリの戦力から試行錯誤して突破することに面白さを感じる人なら、育成しすぎない方が魔獣使いの戦闘を深く味わえる可能性があります。
ここはプレイヤーによって評価がかなり変わるところです。
ただ、個人的に惜しいと感じるのは、ビーストランクを上げる手段と攻略が強く結びついているため、育成を進めようとすると、すでに攻略した場所を繰り返す時間も増えていくことでした。
「勝てないから何度も挑戦する」のと、「強くするためにクリア済みの場所を何度も回る」のでは、同じ繰り返しでも遊んでいる感覚はかなり違います。
前者なら、失敗するたびに次の手を考えられます。
後者の場合、目的は経験値を積み上げることになるため、どうしても作業感が出やすくなります。周回そのものが好きな人なら気になりにくいものの、試行錯誤することに面白さを感じる人ほど、この違いは大きく感じるかもしれません。
ビーストランクが魔獣ごとなのは戦略性を狭めていないか
そして、ここで一番気になったのが、ビーストランクが魔獣ごとに分かれていることです。
たとえば、ある敵に苦戦している最中に、「この敵ならモルボルを使えば相性が良いのでは」と気づいたとします。
ところが、これまでモルボルをほとんど使っておらずビーストランクが1のまま、対して普段使っている魔獣はランク19まで育っている。この状況になったとき、わざわざモルボルを育て直して攻略へ投入する人がどれだけいるのか、という問題が出てきます。
おそらく多くの場合、すでに育っている魔獣をさらに強くして、そのまま突破する方が手っ取り早くなります。
そうなると、本来は「敵の特徴を見て最適な魔獣を選ぶ」という面白さがあるにもかかわらず、実際には**「育っている魔獣の中から選ぶ」ことが先に来てしまう**わけです。
ここはかなり惜しく感じました。
魔獣ごとにビーストランクがあるからこそ、育てた魔獣への愛着が生まれるという良さもあります。そのため、単純にすべての魔獣を同じランクにすれば解決するとも言い切れません。
それでも、最高ランクの魔獣に合わせて一時的に別の魔獣を引き上げられる仕組みなど、まだ育てていない魔獣を気軽に試せる逃げ道がひとつあるだけでも、編成を考える面白さはかなり広がりそうです。実際、そうした仕組みがあれば試したことのない魔獣を投入しつつ、個別育成そのものも残せるという考え方ができます。
魔獣をたくさん集められるゲームだからこそ、「この敵には誰を連れていこう」と悩む時間は、本来かなり面白い部分です。
ところが、その選択肢を増やすために再び周回が必要になると、気軽に編成を試しにくくなってしまいます。
そして、この問題をさらに掘り下げていくと、単なる育成の話だけではなく、そもそも魔獣使いでは自分の選択が攻略結果にどれだけ影響するのかという、戦略性そのものの話につながってきます。
戦略性は高い?実は「選べそうで選べない」部分もある
ビーストランクの話からもう一歩踏み込むと、魔獣使いで気になってくるのが「戦略性をどこまで感じられるのか」という部分です。
そもそも戦略性という言葉自体がかなり曖昧ですが、ここでは自分が何を選んだかによって、攻略の結果や戦い方がどれだけ変わるのかという意味で考えてみます。
そう考えると、魔獣使いはかなり面白い位置にいるコンテンツです。
魔獣を選び、ビーストギアを組み合わせ、敵に合わせて戦い方を変える。選択肢そのものはかなり用意されている一方で、実際に遊び込んでいくと、「これだけ選べるのに、思ったほど自由には選べない」と感じる場面も出てきます。
魔獣・装備・行動を考える余地そのものはかなり大きい
まず、戦闘へ入る前から考えられることは少なくありません。
どの魔獣を連れていくのかはもちろん、敵との相性を見て編成を考え、ビーストギアも手持ちとの組み合わせを意識して選んでいく。戦闘中になれば、魔獣へ攻撃を引き受けてもらうのか、自分で受けるのか、どのタイミングで交代させるのかといった判断も加わります。
さらに面白いのは、プレイヤーの腕前によって取れる選択肢まで変わってくることです。
ギミック処理に自信がなければ、雑魚を早めに処理して安全な状況を作る。一方で、攻撃を避けながら戦えるなら雑魚を無視してボスを優先し、必要な攻撃だけ魔獣へ受けさせる。そこから敵の位置まで調整できれば、雑魚を巻き込みながら効率よくダメージを与えることもできます。
つまり、単純に「強い魔獣を3体連れていけば終わり」というゲームではありません。
自分がどこまでギミックを処理できるのか、どこでリスクを取るのかによって、同じ敵でも攻略の組み立て方が変わります。
この部分だけを見ると、魔獣使いの戦略性はかなり高く感じました。
特に、ビーストギアの組み合わせまで噛み合ったときは、「用意された正解を見つけた」というより、自分なりの勝ち方を組み立てた感覚があります。
だからこそ、もう少し自由にいろいろな編成を試してみたくなります。
最終的に3体しか編成できないことが選択肢を狭める
そこで気になってくるのが、実際に戦闘へ連れていける魔獣の数です。
魔獣使いには多数の魔獣が存在し、それぞれ違った特徴を持っています。それなら、「この敵にはこの3体」「別の敵ならこちらの3体」と編成を考えていくことが、ゲームの中心になってもおかしくありません。
ところが、実際に使えるのは3体です。
もちろん、編成枠に制限があること自体は悪いわけではありません。何でも持ち込めるようにすると、かえって選択する意味が薄れてしまうため、限られた枠に誰を入れるか考えることにもゲーム性があります。
問題は、先ほど触れたビーストランクまで含めて考えた場合です。
育成済みの魔獣が限られている状態で、さらに3体へ絞り込むとなると、実際の選択肢は見た目ほど多くありません。
新しく捕まえた魔獣が面白そうでも、ランクが足りない。敵との相性が良さそうな魔獣を見つけても、育て直す必要がある。そうなると結局、「今まで育ててきた中から使いやすい3体を選ぶ」という形へ寄りやすくなります。
せっかく多数の魔獣が用意されているのであれば、攻略中に「あの魔獣を試してみよう」と思わせる機会はもっとあっても良かったと感じます。
育成コストまで考えると「好きな魔獣を試す」が難しくなる
この問題は、単純に3体という編成数だけを増やせば解決するものでもありません。
仮に編成枠が増えたとしても、新しく使いたい魔獣を実戦へ出すまでに周回が必要なら、結局は同じところで引っかかります。
むしろ個人的に重要だと思うのは、まだ育てていない魔獣でも、一度試してみるくらいなら気軽にできることです。
実際に使ってみて、「この魔獣は面白い」「この敵にはかなり刺さる」と分かったところから、本格的に育てるのであれば納得感があります。
反対に、使えるかどうか分からない段階で何度も周回してランクを上げなければならないとなると、試すこと自体を諦めやすくなります。
そう考えると、前の見出しで触れた「一部の魔獣だけ一時的に最高ランクへ合わせられる」といった仕組みは、単なる育成緩和ではありません。魔獣を入れ替えて攻略法を考えるという、このコンテンツ本来の面白さを引き出す仕組みにもなり得ます。
魔獣使いには、戦略を考えるための材料そのものはかなり揃っています。
だからこそ、「何を選ぶか」だけではなく、思いついた選択肢を実際に試せる環境まで整っていたら、さらに面白かったのではないかと感じました。
そして、ここまでの周回性と戦略性を考えるうえで、もうひとつ無視できないのが「毎回どの程度違った展開になるのか」です。
魔獣使いにはローグライク的な要素もありますが、その言葉から想像するゲームと比べると、ランダム性の置き方にはかなり特徴があります。
ローグライクとして見ると「ランダム性」はかなり控えめ
周回性と戦略性について考えていくと、最後に気になってくるのがランダム性です。
魔獣使いの専用コンテンツには、道中で手に入るアイテムやビーストギアなど、そのときの状況に合わせて判断するローグライク的な仕組みがあります。実際、欲しかったアイテムが出るかどうかで展開が変わったり、手に入れたビーストギアによって戦い方が強化されたりするため、まったく変化がないわけではありません。
ただ、何度も繰り返して遊ぶことを前提にすると、攻略そのものを大きく変化させるランダム性は意外と少ないと感じます。
攻略よりも報酬側にランダム性が寄っている
この特徴を分かりやすく考えるなら、「何がランダムになっているのか」を分けて見ると理解しやすくなります。
ローグライク系のゲームでは、出現する敵やイベント、ルート、手に入る能力などがプレイするたびに変化し、その場で攻略方法を組み直すことがあります。
一方、魔獣使いの場合は、攻略側のランダム性についてはそこまで強くありません。
それに対して報酬側にはランダムな部分があり、高いスコアを出したとしても特定の報酬が必ず手に入るわけではなく、ドロップ率が上がるという形になっています。つまり、攻略の展開が大きく変わるというより、攻略した後に何を得られるかという部分へランダム性が寄っているわけです。
この設計自体が悪いとは思いません。
欲しい報酬が出るまで繰り返し挑戦することも、オンラインゲームでは珍しい遊びではないからです。
ただ、ビーストランクを上げるためにも周回する必要があることを考えると、少し気になるところが出てきます。
同じ場所を周回するなら、もう少し変化が欲しくなる
ここまで触れてきた通り、魔獣使いは一度クリアしたら終わりではなく、育成のために同じコンテンツへ繰り返し挑む場面があります。
そうなると重要なのが、「次に入ったとき、前回とは何が違うのか」です。
たとえば出現する敵が変わる、途中で発生するイベントが変化する、想定していなかった効果を手に入れて普段とは違う戦い方を迫られる。そうした変化が大きければ、同じ場所を周回していても毎回少し違った攻略を考えられます。
ところが、魔獣使いでは攻略側のランダム性が控えめなので、繰り返していくうちに「今回はどう攻略しよう」よりも、「前回うまくいった方法をもう一度やろう」という方向へ寄りやすくなります。
もちろん、これはFF14のバトルとして考えれば自然です。
それでも、ビーストランクを上げるために何度も挑戦する仕組みと組み合わせるなら、もう少し戦略性を広げるか、毎回の展開を変えるランダム性を増やすか、どちらかが強ければ周回したときの印象も変わったのではないかと感じます。実際、ビーストランクが専用コンテンツの周回でしか上がらない以上、繰り返しても飽きにくくするために戦略性かランダム性を増やした方が良いのではないか、という考え方につながります。
ここまで取り上げてきた「周回性」「戦略性」「ランダム性」は、それぞれ別々の問題に見えて、実際にはかなり密接につながっています。
周回を求めるなら、そのたびに違う判断をしたくなる。戦略を考えさせるなら、育成していない魔獣も試したくなる。
このあたりがもう少し噛み合っていれば、魔獣使いを繰り返し遊ぶ面白さはさらに強くなっていたように思います。
ただし固定攻略だからこそ「FF14らしい」という見方もできる
とはいえ、ランダム性を増やせば単純に面白くなる、と言い切れる話でもありません。
むしろ、ここは魔獣使いを評価するときに難しいところです。
FF14のバトルは、ある程度決まったギミックを何度も経験し、「ここではこう動く」「次はこの攻撃が来る」と少しずつ理解しながら攻略していく面白さがあります。
最初は何が起きているのか分からなかった攻撃でも、失敗するたびに対処法が見えてくる。そこへ自分の操作も慣れていき、以前は苦戦していた相手を安定して倒せるようになる。この上達の感覚は、FF14が長く大切にしてきたバトルの面白さでもあります。
攻略側のランダム性を大幅に増やしてしまえば、今度はそうしたゲーム性と噛み合わなくなる可能性があります。
さらに、ランダムに登場する敵やイベントを大量に用意するとなれば、難易度を一定範囲に収めることも難しくなり、開発する側の負担も大きくなります。ランダム性が控えめであることには、そうした事情も考えられます。
そう考えると、魔獣使いのランダム性が低いことを、そのまま欠点として片付けるのも違う気がします。
ローグライクのような要素を取り入れながらも、根っこにあるのはFF14です。
だからこそ、毎回まったく違う展開を乗り越えるゲームではなく、決められた攻略の中にビーストギアやリソース管理による変化を加えるという形に落ち着いたのかもしれません。
問題があるとすれば、そのゲーム性と「何度も周回して育成する仕組み」が本当に相性の良い組み合わせなのか、というところです。
そして、ここまで見てきた部分をひとつにつなげて考えると、魔獣使いに対して「面白い」と「惜しい」が同時に出てくる理由も、かなり見えてきます。
魔獣使いは「つまらない」のではなく、面白さを邪魔する部分が惜しい
ここまで魔獣使いを遊んで感じたことを振り返ると、個人的には「つまらない」という評価にはなりませんでした。
むしろ、戦闘だけを切り取ればかなり面白いです。
限られたリソースをどこで使うのか考え、手に入ったビーストギアから組み合わせを作り、敵に合わせて魔獣を動かしていく。そのうえでFF14らしいギミック処理やスキル回しまで求められるため、普段とは違った頭の使い方で戦えるコンテンツになっています。
特に、魔獣のHPもアイテムも余裕がなくなった状態から、残された手段を使ってギリギリで勝てたときの感覚は印象に残りました。
何度かミスをしたから即失敗になるのではなく、そこからどう立て直すのかまで含めて戦闘になるため、綺麗に攻略できなかった回にも思わぬ展開が生まれます。
だからこそ、ここまでの記事で触れてきた不満点も目立ちます。
UIがもう少し分かりやすければ、必要な情報を探すことではなく、手に入れた情報から戦い方を考えることに集中できます。チュートリアルが実戦に合わせて整えられていれば、仕組みを理解できないまま最初につまずく人も減るはずです。
そして育成についても、まだ使っていない魔獣をもう少し気軽に試せるなら、「この敵には誰を連れていくか」という編成の面白さをさらに引き出せます。
どれも、魔獣使いの根本的なゲーム性が面白くないから出てくる不満ではありません。
面白い仕組みがすでにあるのに、その面白さへ素直に触れにくくしている部分が残っている。
個人的には、ここが魔獣使いに対して一番「惜しい」と感じたところでした。
また、周回性・戦略性・ランダム性についても、どれかひとつだけを見て良し悪しを決めるのは難しいと感じます。
ビーストランクを上げるために周回が必要になる。ところが、育成した魔獣とそうでない魔獣との差が広がれば、新しい編成を試しにくくなる。さらに攻略側のランダム性が控えめなので、同じ場所を繰り返すほど攻略方法も固まりやすくなっていきます。
この3つがつながっているからこそ、周回を楽しめる人と、試行錯誤そのものを楽しみたい人でも印象が変わってきます。
実際、何度も負けながら攻略方法を探すより、ある程度育ててから安定して突破したい人なら、ビーストランクを上げながら進める遊び方との相性は悪くありません。一方で、「勝てない相手に編成を変えながら挑みたい」という人ほど、個別のビーストランクが足かせになりやすい構造です。
この違いがある以上、魔獣使いの評価が分かれること自体は、それほど不思議ではないと思います。
では、「魔獣使いは面白い?」という最初の問いに戻ると、個人的な答えは「面白い。ただし、かなり惜しい」です。
魔獣を集める楽しさだけではなく、リソース管理、ビーストギアによるビルド、敵に合わせた編成、そしてFF14らしいバトルを一緒に成立させようとしているところには、このコンテンツならではの魅力があります。
それだけに、今後UIや導線が改善され、育成と編成の自由度についても手が入るのであれば、今よりずっと遊びやすくなる余地があります。
現時点でも面白い部分は十分にある。ただ、その面白さをもっと素直に味わえる形になってほしい。
賛否が分かれている今だからこそ、魔獣使いにはそんな印象が一番近いです。
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