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キャッスルヴァニア ベルモンドカースは期待外れ?進化した戦闘と惜しい探索要素

キャッスルヴァニア ベルモンドカースは期待外れ?進化した戦闘と惜しい探索要素

『悪魔城ドラキュラ』シリーズの40周年を飾る新作として登場した『キャッスルヴァニア ベルモンドカース(Castlevania: Belmont’s Curse)』。久しぶりの完全新作ということもあり、かつての名作を思い浮かべながら発売を楽しみにしていたファンも多かったと思います。

今回の主人公は、ドラキュラを討伐した英雄トレバー・ベルモンドの娘、ローズ・ベルモンド。シリーズを象徴する鞭「ヴァンパイアキラー」を手に、魔物がはびこる街や不気味な悪魔城を探索していきます。

ただ、本作は従来の『悪魔城ドラキュラ』と同じ感覚で遊べる作品ではありません。

スピード感のある戦闘や手応えのあるボス戦は魅力的ですが、その一方で、探索の自由度や移動アクションの操作性には気になる部分もあります。特に『月下の夜想曲』のような探索型アクションRPGを期待している場合、ゲーム性の違いに戸惑うかもしれません。

では、シリーズの新たな挑戦は成功しているのか。戦闘や探索の仕組みを掘り下げながら、本作ならではの魅力と惜しい部分を整理していきます。

キャッスルヴァニア ベルモンドカースは従来の悪魔城ドラキュラと何が違う?

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』を理解するうえで、まず押さえておきたいのが、従来のシリーズ作品とはゲームデザインの方向性が大きく異なることです。

開発にはコナミに加え、『Dead Cells』の開発に携わったEvil Empireが参加し、Motion Twinもアドバイザリースタジオとして協力しています。こうした開発体制からも、過去のシリーズ作品をそのまま再現するのではなく、現代的な2Dアクションとして新しい遊びを取り入れようとする姿勢がうかがえます。

物語の中心となるのは、英雄トレバー・ベルモンドの娘であるローズ・ベルモンドです。

かつてドラキュラを討伐した父の血を受け継ぐローズは、街を襲う魔物たちの異変を調査するため、ヴァンパイアキラーを手に立ち上がります。魔物によって荒廃した街や不気味な悪魔城を進むうちに、彼女はベルモンド家の運命にも関わる陰謀へと巻き込まれていくことに。

このように、ベルモンド一族とドラキュラを巡る世界観は受け継がれており、シリーズファンにとって馴染み深い要素が残されています。

一方、実際のゲームプレイに目を向けると、過去作品との違いがはっきりしてきます。

本作は広大なマップを探索しながら新しい能力を獲得し、それまで進めなかった場所へ足を踏み入れていくメトロイドヴァニア形式を採用しています。ここだけを見ると、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』を思い浮かべる人もいるかもしれません。

しかし、両作品ではプレイヤーに求められる技術や、ゲームを進めるうえでの楽しさの中心が異なります。

『月下の夜想曲』では、城内を探索して装備やアイテムを集め、キャラクターを成長させながら未知のエリアを開拓していくことが大きな魅力でした。新しい装備を発見する楽しさはもちろん、探索そのものがキャラクターの強化につながる仕組みも、作品の面白さを支えていた部分です。

それに対して『ベルモンドカース』では、プレイヤー自身の操作技術を試すプラットフォームアクションが、ゲームプレイの中心に据えられています。

例えば、鞭を使って空中を移動したり、危険な仕掛けが配置された場所で足場を乗り継いだりと、ステージの各所にアスレチックのような仕掛けが用意されています。単に敵を倒して先へ進むだけではなく、ジャンプのタイミングや移動アクションを正確に使いこなさなければ突破できない場面も少なくありません。

このあたりは、従来の探索型『悪魔城ドラキュラ』というよりも、『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』のような、アクション性を重視した近年のメトロイドヴァニアに近い印象です。

もちろん、こうした方向性の変化そのものが悪いわけではありません。

操作を覚え、難しい仕掛けを突破できるようになる楽しさは、アクションゲームならではの魅力ですし、探索とアスレチックを組み合わせることで、従来のシリーズにはなかった手応えも生まれています。

ただし、問題となるのは、プレイヤーが『キャッスルヴァニア』という名前に何を期待しているかです。

装備を集めてキャラクターを強化し、広大な城を自由に探索することを楽しみにしていた人にとっては、アスレチックの比重が大きい本作を別物のように感じる可能性があります。反対に、歯応えのある2Dアクションや、自分の操作技術で難所を突破するゲームが好きな人なら、この変化を前向きに受け止められるはずです。

つまり、『ベルモンドカース』は過去の名作をそのまま現代に復活させた作品ではなく、シリーズの世界観を引き継ぎながら、ゲームプレイの方向性を新しく組み立てた作品といえます。

その違いを理解したうえで注目したいのが、本作で特に力を入れている戦闘アクションです。鞭を使った移動だけでなく、複数の武器を使い分ける戦闘や、敵の動きを見極めるボス戦にも、従来とは異なる面白さが用意されています。

鞭を使った立体的な移動と爽快な戦闘が生み出す新しいアクション

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』の戦闘で特徴的なのは、複数の武器を使い分けながら、スピード感のある攻防を楽しめることです。

シリーズを象徴するヴァンパイアキラーはもちろん、本作には剣や槍、拳、双剣など、7つのカテゴリーに分けられた武器が登場します。それぞれ攻撃範囲や攻撃速度が異なり、敵との距離を保ちながら戦うのか、素早い連続攻撃で押し切るのかによって、立ち回りも変わってきます。

単純に攻撃力の高い武器を選べば有利になるわけではなく、敵の動きや攻撃の隙に合わせて武器を使い分けることが重要です。特に動きの速い敵を相手にする場合、威力の高い一撃を狙うよりも、攻撃後の隙が少ない武器で着実にダメージを与えるほうが戦いやすい場面も考えられます。

また、基本となる通常攻撃とスライディング回避に加え、ゲームを進めることでパリィや空中ステップ、ダブルジャンプなどのアクションが解放されていきます。

こうした操作が増えることで、敵の攻撃を避けて反撃するだけでなく、空中から攻め込んだり、攻撃を受け流して反撃の機会を作ったりと、戦闘中に取れる選択肢も広がっていく仕組みです。

ただ、ここで興味深いのが、本作の戦闘は一見すると近年のソウルライク作品に近いものの、実際には攻撃的な立ち回りを重視している点でしょう。

例えば、パリィは敵の攻撃を防ぐための手段というよりも、相手の動きを見極めて反撃につなげる役割が強くなっています。スライディング回避も、攻撃を避けながら素早く位置を変えられるため、敵との距離を調整しつつ攻め続ける戦い方と相性が良いものです。

そのため、敵の攻撃を慎重に待ち続けるというより、相手の動きを読みながら積極的に攻撃を仕掛けることが、戦闘を楽しむうえで重要になってきます。

そして、この戦闘システムの魅力が特に表れているのがボス戦です。

本作には攻撃力が高く、次々と激しい攻撃を繰り出してくるボスが登場します。初めて戦う相手では、攻撃のタイミングや安全な位置が分からず、一方的にダメージを受けてしまうことも珍しくありません。

しかし、何度か挑戦するうちに、最初は避けられなかった攻撃にも対応できるようになり、反撃を仕掛けるタイミングも自然と見えてきます。

例えば、最初の挑戦では攻撃を避けるだけで精一杯だったとしても、次の挑戦では敵の動きを見極めて反撃できるようになる。さらに攻撃パターンを覚えれば、ほとんどダメージを受けずに倒せるほど立ち回りが変化することもあります。

ここで重要なのは、キャラクターの能力が強化されたから勝てるようになるのではなく、プレイヤー自身が敵の動きを理解し、操作に慣れることで勝利に近づいていくという部分です。

難しいボスを何時間もかけて攻略するタイプの作品とは異なり、比較的短い挑戦の中で自分の上達を実感できるため、失敗しても再挑戦する意欲が生まれやすくなっています。

もちろん、終盤になると敵の攻撃が激しくなり、難易度のバランスに気になる部分も出てきます。それでも、ボスの動きを覚えることが攻略につながる設計は、本作の戦闘を評価するうえで外せない魅力といえます。

一方、戦闘では軽快な操作を楽しめるものの、鞭を使った移動やアスレチックについては、少し事情が異なります。

本作では鞭を使って空中を移動する場面が多く、ジャンプや空中ステップを組み合わせながら、複雑な地形を突破していくことになります。こうした仕掛けは単なる移動手段ではなく、戦闘と並ぶ重要なゲーム要素として組み込まれているのが特徴です。

ところが、キャラクターが壁に吸い付くような挙動を見せたり、空中ステップからダブルジャンプへ移行する際の反応が鈍く感じられたりと、細かな操作が思い通りに決まらない場面もあります。

特に問題となるのは、正確な操作が要求されるアスレチックほど、こうした違和感がプレイヤーの負担につながりやすいことです。

自分の判断が間違って失敗したのであれば、次は操作のタイミングを変えて挑戦しようと思えます。しかし、意図した操作がうまく反映されずに失敗した場合、同じ仕掛けを繰り返すこと自体がストレスになってしまいます。

戦闘では敵の動きを理解することで上達を実感できるのに対して、移動アクションでは操作の反応に戸惑うことがある。この違いは、アスレチックを重視する本作だからこそ、気になる部分です。

それでも、武器ごとの特徴を活かした攻撃や、回避と反撃を組み合わせるスピード感のある戦闘には、従来のシリーズとは異なる魅力が備わっています。

特にボス戦については、単に敵の攻撃力を高くするのではなく、攻撃パターンを理解することで攻略の糸口が見えてくるため、アクションゲームとしての手応えを十分に味わえる仕上がりです。

さらに本作では、こうした戦闘を自分好みに変化させるカスタマイズ要素も用意されています。武器の性能だけでなく、探索で手に入る魔導器やボスから獲得するアルカナを組み合わせることで、同じ敵を相手にしても異なる戦い方ができるようになっています。

魔導器とアルカナの組み合わせで広がる戦い方の自由度

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』では、武器の使い分けやプレイヤー自身の操作技術だけでなく、装備の組み合わせによって戦闘スタイルを変えられることも大きな魅力です。

その中心となるのが、探索中に獲得できる「魔導器」と、ボスを倒すことで手に入る「アルカナ」という2つのシステムになります。

まず魔導器は、キャラクターにさまざまな強化効果を与えるアクセサリーのような装備です。各エリアに隠された通路や宝箱などから入手でき、最大3つまで同時に装備できるため、どの効果を組み合わせるかによって戦いやすさが変わってきます。

例えば、空中で攻撃した際のダメージが25%増加する「レイブンの羽」は、ジャンプを交えながら積極的に攻撃するプレイスタイルと相性の良い魔導器です。

一方、HPが30%以下になると攻撃力が20%増加する「影のベール」は、体力が減った状態で火力を高められる装備となっています。攻撃を受ける危険性は残るものの、追い込まれた状況から一気に反撃したい場合には、こうした効果が役立つ場面もあるはずです。

もちろん、攻撃力を高めることだけが魔導器の役割ではありません。

回復を重視したい場合には、ポーション使用時にHPを最大まで回復できる「魔女の結び目」が選択肢に入ります。特にボス戦では、回復できる機会が限られることもあるため、1回のポーションでどれだけ体力を立て直せるかが攻略の安定性に関わってきます。

さらに、防御力を高める魔導器を組み合わせれば、敵の攻撃に耐えながら戦う構成も可能です。

例えば、HPが最大のときに防御力が80%増加する「闇の印章」と、攻撃を受けた後の4秒間、防御力が60%増加する「心霊の遺物」を組み合わせることで、被弾時の負担を軽減する方向に装備を整えられます。

このように、魔導器は単純にキャラクターの能力を底上げするだけではなく、プレイヤーがどのような戦い方を重視するかによって、装備の価値が変わってくる仕組みです。

攻撃を避けることに自信があるなら火力を優先し、敵の動きを覚えるまで苦戦するようであれば回復や防御を重視する。苦手な部分を装備で補えるため、アクションの腕前だけに頼らず、自分なりの攻略方法を考えられるのは嬉しいところです。

また、こうした装備の自由度をさらに広げているのが、ボスを倒すことで獲得できるアルカナになります。

アルカナは、撃破したボスの力を利用できるシステムで、強力な一撃を繰り出すものから回復効果を持つものまで、さまざまな能力が用意されています。

通常の武器攻撃とは異なる効果を持っているため、魔導器による強化と組み合わせることで、戦闘中に取れる選択肢も増えていきます。

例えば、攻撃力を高める魔導器を中心に装備し、アルカナで強力な攻撃を繰り出す構成なら、敵の隙を見極めて大きなダメージを与える戦い方が考えられます。反対に、防御や回復を重視した装備と回復系のアルカナを組み合わせれば、多少の被弾を許容しながら粘り強く戦う方向にも調整できるわけです。

特に本作のボス戦では、敵の攻撃パターンを覚えて反撃することが重要になるため、こうしたカスタマイズ要素が攻略を支える役割を果たしています。

何度挑戦しても勝てないボスが現れた場合、操作技術を磨くことだけが解決策ではありません。装備を見直して防御力を高めたり、攻撃の機会が少ない相手に合わせて一撃の威力を重視したりと、別の角度から攻略方法を考える余地があります。

つまり、本作の戦闘はプレイヤー自身の上達を楽しめる一方で、装備の工夫によって難しい場面を乗り越える楽しさも備えているのです。

ただ、魔導器やアルカナの仕組みが魅力的だからこそ、それらを集める探索については、もう少し工夫が欲しかった部分もあります。

本来、メトロイドヴァニアにおける探索の面白さは、単に新しい装備が手に入ることだけではありません。

まだ足を踏み入れていない場所を発見したり、以前は通れなかった道の先に思いがけない報酬が用意されていたりと、マップを調べる行為そのものに楽しさがあるはずです。

ところが『ベルモンドカース』では、アスレチックを中心としたステージ構成になっていることもあり、自由に未知の場所を探し回るというより、目の前に用意された障害物を順番に突破していく感覚が強くなっています。

もちろん、隠し通路や宝箱を発見する楽しさが失われているわけではありません。新しい魔導器を手に入れれば装備の組み合わせを試したくなりますし、これまでとは違う戦闘スタイルを構築できることにも面白さがあります。

しかし、その報酬を獲得するまでの過程が似たようなアスレチックの繰り返しになってしまうと、探索そのものに新鮮さを感じにくくなります。

さらに気になるのが、マップ内の移動を支えるファストトラベルの仕組みです。

本作ではファストトラベルのポイントが限られているうえ、移動先を選ぶために一度専用のエリアを経由する必要があります。そのため、以前訪れた場所に戻りたい場合でも、目的地へ直接移動できず、余分な手間が発生してしまいます。

特に、新しい移動能力を獲得した後は、過去のエリアに戻って探索できる場所が増えるため、こうした移動の不便さが気になりやすくなります。

一度突破したアスレチックを再び通過しなければならない場面もあり、装備を探す楽しさより、目的地へ向かうまでの負担が大きく感じられることもあるのです。

もちろん、移動をある程度制限することで、悪魔城の構造を意識させたり、探索中の緊張感を維持したりする狙いも考えられます。ただ、その仕組みが実際の遊びやすさと噛み合っているかという点では、疑問が残ります。

魔導器やアルカナによるカスタマイズには十分な魅力があり、装備の組み合わせを考える時間は、本作の戦闘を楽しむうえで重要な要素になっています。

それだけに、新しい装備を発見するまでの探索にも、もう少し自由度や快適さがあれば、カスタマイズの面白さをさらに引き立てられたのではないかと思います。

戦闘を自分好みに変えられる楽しさは確かにあるものの、そのために必要な探索が必ずしも快適とは限らない。 この点は、本作のゲームデザインを評価するうえで見逃せない部分です。

そして、探索の負担を考えるときに無視できないのが、移動アクションの解放タイミングや、アスレチックにおける操作性の問題になります。

探索とアスレチックに残る惜しさ!操作性と移動の不便さが気になる

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』では、探索を進めることで新しいアクションが解放され、それまで通れなかった場所へ移動できるようになります。こうした仕組みはメトロイドヴァニアではおなじみですが、本作の場合、能力を獲得したときの達成感がやや薄くなっている点は気になります。

というのも、段階的に解放されるアクションの多くは、それまでの移動を便利にする性質が強く、新しい能力によって遊び方そのものが大きく変化する場面が限られているためです。

本来、探索型アクションゲームでは、新しい能力を獲得した瞬間に、それまで見えていたマップの意味が変わるような体験が大きな魅力になります。

例えば、以前は高すぎて届かなかった足場に登れるようになったり、越えられなかった障害物を突破できるようになったりすると、過去に訪れたエリアにも新しい発見が生まれます。単に移動できる範囲が広がるだけでなく、これまでの探索経験と新しい能力が結びつくことで、もう一度マップを調べたくなるわけです。

もちろん、本作にもそうした仕組みは取り入れられています。ただ、序盤から複雑なアスレチックが数多く登場する一方で、移動を快適にするアクションが段階的に解放されるため、必要な能力を手に入れる頃には、すでに似たような仕掛けを何度も突破していることがあります。

その結果、新しいアクションを獲得したときも、これまでできなかったことが可能になる驚きより、ようやく操作が便利になったという感覚が強くなりがちです。

特に本作は、鞭を使った空中移動や足場を乗り継ぐアスレチックをゲームプレイの中心に据えています。それだけに、基本的な移動アクションについては、もう少し早い段階から自由に使えるようにしても良かったのではないかと思います。

難しい仕掛けを突破すること自体は、アクションゲームとして決して悪い要素ではありません。むしろ、自分の操作技術が上達することで、それまで苦戦していた場所をスムーズに通過できるようになるのは、こうした作品ならではの楽しさです。

ただし、その面白さを成立させるためには、プレイヤーが意図した操作を正確に反映できることが重要になります。

本作では、戦闘中の回避や攻撃については軽快な操作感が実現されている一方で、アスレチックになると細かな挙動が気になる場面があります。

例えば、壁際でキャラクターが吸い付くような動きを見せることで、スライディングから次の移動へつなげようとしても、思った通りに操作できないことがあります。また、空中ステップからダブルジャンプへ移行する際にも、入力に対する反応が鈍く感じられる場合があり、正確なタイミングを要求される場面では無視できない問題です。

ここで厄介なのは、失敗した原因が自分の操作にあるのか、それともキャラクターの挙動にあるのか、判断しにくくなることです。

敵の攻撃を見極められずに倒されたのであれば、次は回避のタイミングを変えようと考えられます。しかし、ジャンプや空中移動が意図した通りにつながらなかった場合、同じ場所に挑戦しても納得感を得にくくなってしまいます。

まして本作では、危険な仕掛けが大量に配置された場所や、複数の移動アクションを組み合わせなければ突破できない場所も登場します。操作の正確さが求められる場面が多いからこそ、こうした小さな違和感が積み重なると、アスレチックそのものを楽しむ余裕が失われやすくなるのです。

さらに、探索を進めるうえでは、同じ場所を何度も行き来する必要があることも負担につながっています。

メトロイドヴァニアでは、新しい能力を獲得した後に以前のエリアへ戻り、隠された通路やアイテムを探すことも重要な遊びのひとつです。本作でも魔導器や武器を集めるために過去のエリアを再訪する機会がありますが、移動の仕組みが十分に快適とはいえません。

ファストトラベルのポイントが限られているうえ、移動先を選ぶために専用のエリアを経由する必要があるため、目的地へ向かうまでに余分な手間が発生します。

もちろん、自由に移動できる範囲を制限することで、マップの構造を意識させたり、道中の敵や仕掛けをゲームプレイの一部として活用したりする狙いは考えられます。

ただ、本作では移動経路そのものにアスレチックが数多く配置されているため、一度突破した仕掛けを再び通過する場面も少なくありません。

初めて訪れる場所であれば、どのように進めばよいのかを考えながら仕掛けを突破する楽しさがあります。しかし、すでに攻略方法を理解している場所を何度も通る場合、新しい発見よりも、同じ操作を繰り返す負担が大きくなってしまいます。

特に、探索の目的が新しい魔導器や隠されたアイテムの回収である場合、プレイヤーが楽しみにしているのは、その先に何が用意されているかという部分です。

ところが、目的地に到達するまでの移動に時間がかかり、同じアスレチックを繰り返す必要があると、報酬を発見する楽しさよりも、そこへ向かうまでの面倒さが印象に残りやすくなります。

この点は、魔導器やアルカナによるカスタマイズが充実している本作にとって、特にもったいない部分だと感じます。

せっかく多彩な装備が用意されていても、それらを集める過程が負担になってしまえば、探索への意欲も薄れてしまいます。新しい装備を見つけたときの喜びと、そこへたどり着くまでの楽しさがうまく結びついていれば、メトロイドヴァニアとしての魅力はさらに高まったはずです。

また、探索における問題は、単純にファストトラベルのポイントを増やせば解決するものでもありません。

移動アクションの解放タイミングや、アスレチックの配置、過去のエリアを再訪する際の導線など、複数の要素が組み合わさることで、ゲーム全体のテンポが決まってきます。

本作の場合、それぞれの仕組みに一定の意図は感じられるものの、実際のゲームプレイでは十分に噛み合っていない部分が見受けられます。

戦闘では敵の攻撃パターンを理解し、自分の操作技術が上達することで、難しいボスを突破する楽しさが生まれています。それに対して探索では、新しい能力を獲得しても移動が便利になる程度にとどまったり、操作の違和感によってアスレチックの攻略にストレスを感じたりと、達成感につながりにくい場面があるのです。

戦闘ではプレイヤーの上達を気持ちよく実感できるのに、探索では同じような手応えを得られないことがある。 この違いが、本作の評価を分ける大きな要因になっていると考えられます。

とはいえ、アクションの難しさそのものが極端に高いわけではなく、プレイヤーの腕前に合わせて難易度を調整できる仕組みも用意されています。

そのため、購入を検討する際には、戦闘やアスレチックがどの程度難しいのか、そして最後まで遊ぶにはどれくらいの時間が必要になるのかも確認しておきたいところです。

難易度は高い?クリア時間と購入前に知っておきたいポイント

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』は、敵の攻撃を見極める戦闘と、正確な操作を要求されるアスレチックの両方を楽しむ作品です。そのため、アクションゲームが苦手な人にとっては、最後まで攻略できるのか気になるところだと思います。

まず難易度についてですが、本作は決して簡単なゲームではありません。序盤から複雑な足場を乗り継ぐ場面や、複数の移動アクションを組み合わせる仕掛けが登場するため、操作に慣れるまでは同じ場所で何度も失敗することも考えられます。

特に注意したいのが、戦闘の難しさとアスレチックの難しさは、必ずしも一致しないことです。

例えば、敵の攻撃パターンを覚えることが得意な人であれば、最初は苦戦したボスでも、何度か挑戦するうちに安定して倒せるようになるはずです。実際、本作のボス戦は攻撃の予兆や動きを理解することで攻略の糸口が見えてくるため、理不尽な難しさを押し付けるというより、プレイヤーの上達を促す設計になっています。

一方、アスレチックでは敵の行動を覚えるだけでは突破できず、ジャンプや空中移動を正確なタイミングで入力する技術が必要になります。

しかも、移動アクションには細かな操作の違和感が残るため、戦闘には慣れていても、足場を乗り継ぐ場面では思うように進めない可能性があります。ボス戦が得意だからといって、探索中の仕掛けまで簡単に突破できるとは限らないわけです。

ただ、本作にはこうした難しさを軽減するための仕組みも用意されています。

特徴的なのが、オプションからゲームの難易度を細かくカスタマイズできることです。

一般的なアクションゲームでは、イージーやノーマル、ハードといった難易度を選択する方式が多く見られます。それに対して本作では、攻撃力の補正や回復アイテムの数、アスレチックで受けるダメージ量など、複数の項目を個別に調整できるようになっています。

例えば、戦闘そのものは楽しめているものの、敵の攻撃力が高すぎて攻略できない場合には、ダメージに関する設定を見直すことで負担を軽減できます。

反対に、戦闘の難しさはそのまま残しつつ、アスレチックでの失敗によるダメージだけを抑えるといった調整も可能です。

このように、苦手な要素に合わせて難易度を変更できるため、すべてのプレイヤーが同じ条件で攻略する必要はありません。高難度アクションを楽しみたい人は標準設定で挑戦し、物語や探索を中心に楽しみたい人は負担を減らすなど、自分に合った遊び方を選べるのは大きな利点です。

さらに、魔導器による防御力の強化や回復効果、レベルによる能力の底上げも用意されているため、操作技術だけで攻略が決まるわけではありません。

敵の攻撃を避けることが苦手であれば、防御力を高める装備を優先したり、回復手段を充実させたりすることで、ある程度は弱点を補えます。難しいボスに遭遇した際も、何度も同じ戦い方を繰り返すのではなく、装備や能力の組み合わせを見直すことが攻略につながる場合があります。

もっとも、難易度を自由に調整できることと、ゲームそのものが遊びやすく設計されていることは、分けて考える必要があります。

本作では序盤から手強いアスレチックが登場する一方で、移動を快適にするアクションは段階的に解放されていきます。そのため、難易度設定で受けるダメージを減らせたとしても、操作の自由度が限られていることや、思い通りにキャラクターを動かしにくい部分まで解消されるわけではありません。

特に、複雑な移動操作を要求される場面では、失敗によるペナルティが軽くなっても、同じ仕掛けに何度も挑戦する必要があります。

もちろん、繰り返し挑戦することで操作に慣れていく楽しさはありますが、アスレチックをゲームプレイの中心に据えるのであれば、基本的な移動能力を早い段階から使えるようにするなど、難易度設定とは別の部分でも工夫が欲しかったところです。

では、実際に最後まで遊ぶ場合、どの程度の時間が必要になるのでしょうか。

プレイ時間の目安としては、難易度カスタマイズを使用せず、トゥルーエンドへの到達とマップ踏破率100%を達成したケースで、約30時間という報告があります。

この数字は、単にエンディングを見るだけではなく、マップを隅々まで探索した場合のプレイ時間です。そのため、メインストーリーを中心に進める人であれば、これより短い時間でクリアできる可能性があります。

一方、隠された通路やアイテムを探しながら進めたり、難しいアスレチックで何度も失敗したりする場合には、さらに時間がかかることも考えられます。

特に本作では、魔導器や武器を集めることで戦闘スタイルの幅が広がるため、カスタマイズを楽しみたい人ほど探索に時間をかけることになりそうです。

ただし、プレイ時間が長ければ、それだけ満足度が高くなるとは限りません。

本作の場合、広大なマップを探索する楽しさがある一方で、ファストトラベルの不便さやアスレチックの繰り返しによって、移動に時間を取られる場面もあります。そのため、約30時間というボリュームを評価する際には、単純なプレイ時間だけでなく、その時間の中でどれだけ新しい発見や達成感を得られるかも重要になってきます。

また、一般的な高難度のソウルライク作品と比較すると、標準設定での攻略難易度は比較的抑えられているという評価もあります。

ボス戦では敵の動きを覚えることで突破口が見えてきますし、装備や難易度カスタマイズによって攻略の負担を減らすことも可能です。そのため、難しいアクションゲームに興味はあるものの、長時間同じボスに挑戦し続けるような作品は苦手という人でも、楽しめる余地があります。

ただ、ジャンプや空中移動を組み合わせたアスレチックが苦手な場合は注意が必要です。戦闘の難しさを軽減できても、複雑な地形を突破するための操作そのものがなくなるわけではないため、購入前にはこの点を理解しておきたいところです。

『ベルモンドカース』は、難しいゲームを自分の腕前や好みに合わせて調整できる一方で、アスレチックの操作技術は最後まで求められる作品です。

スピード感のある戦闘やボス攻略に魅力を感じる人であれば、十分に楽しめる可能性がありますが、自由な探索やキャラクターの成長を中心に楽しみたい人にとっては、期待していたゲーム体験と異なる部分もあると思います。

こうした特徴を踏まえると、本作を購入するかどうかは、単純に『悪魔城ドラキュラ』シリーズが好きかどうかだけでは判断しにくいところです。従来のシリーズに求めていたものと、本作が重視しているアクションの方向性が合っているかどうかが、満足度を左右する重要なポイントになります。

キャッスルヴァニア ベルモンドカースは買い?シリーズ復活作としての評価

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』は、久しぶりのシリーズ完全新作として十分な魅力を備えている一方で、すべての要素がうまく噛み合っているとは言い切れない作品です。

特に評価したいのは、スピード感のある戦闘と、プレイヤー自身の上達を実感できるボス戦の完成度になります。

複数の武器を使い分けながら敵の攻撃を回避し、隙を見つけて反撃する戦闘には、現代的な2Dアクションとしての面白さが詰まっています。最初は手も足も出なかったボスでも、攻撃パターンを覚えることで少しずつ対応できるようになり、最終的には安定して倒せるようになる。この過程は、アクションゲームを遊ぶうえで大きな達成感につながる部分です。

さらに、魔導器やアルカナによるカスタマイズも、戦闘の魅力を引き立てています。

攻撃力を重視して短期決戦を狙うのか、防御や回復を優先して安定した攻略を目指すのか。プレイヤーの好みに合わせて装備を組み合わせられるため、単に操作技術を磨くだけでなく、自分なりの戦い方を考える楽しさも用意されています。

こうした要素を見る限り、戦闘を中心としたアクションゲームとしては、十分に評価できる仕上がりだと思います。

ただ、惜しいのは、戦闘で感じられる面白さが探索や移動アクションにまで一貫しているわけではないことです。

本作は鞭を使った空中移動や複雑な足場を乗り継ぐアスレチックを重視していますが、細かな操作の反応やキャラクターの挙動には気になる部分が残されています。

戦闘では敵の動きを理解することで攻略が安定していくのに対して、アスレチックでは意図した操作がうまくつながらず、同じ場所で何度も失敗してしまうことがあります。

もちろん、難しい仕掛けを突破する楽しさそのものは否定できません。しかし、プレイヤーの判断や操作技術とは別の部分でストレスを感じてしまうと、せっかくの達成感も薄れてしまいます。

また、新しい移動アクションの解放タイミングについても、もう少し工夫が欲しかったところです。

メトロイドヴァニアでは、新しい能力を獲得することで探索できる範囲が広がり、それまで訪れた場所にも新しい発見が生まれることが大きな魅力になります。

ところが本作では、能力の獲得によって新しい遊びが生まれるというより、それまで不便だった移動が少しずつ快適になっていく印象が強くなっています。

さらに、ファストトラベルの制約やアスレチックの繰り返しも重なるため、広大なマップを自由に探索する楽しさについては、やや物足りなさが残ります。

特に、魔導器や武器を集めることに魅力がある作品だからこそ、それらを探しに行く過程でも、もう少し新鮮な体験が欲しかったと感じます。

では、本作は購入する価値のあるゲームなのか。

その判断で重要になるのは、『悪魔城ドラキュラ』というシリーズに何を求めているかという点です。

例えば、『月下の夜想曲』のように、装備を集めながらキャラクターを成長させ、広大な城を自由に探索する楽しさを期待している場合、本作のゲームデザインには戸惑うかもしれません。

探索要素がなくなったわけではありませんが、ゲームプレイの中心に据えられているのは、鞭を使った移動やアスレチック、そしてスピード感のある戦闘です。従来の探索型アクションRPGとは、楽しさを感じる部分が異なっています。

一方で、『Dead Cells』や『プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠』のように、操作技術を磨きながら難しい仕掛けやボスを突破するアクションが好きな人であれば、本作の方向性にも魅力を感じられると思います。

特にボス戦については、敵の動きを覚えて攻略する面白さがしっかり作られており、何度も挑戦することで自分の上達を実感できる設計が印象的です。

また、難易度を細かくカスタマイズできるため、高難度アクションが得意ではない人でも、自分に合った設定で攻略を進められる余地があります。

ただし、アスレチックそのものが苦手な場合は、難易度設定だけですべての負担を解消できるわけではありません。複雑な移動操作を求められる場面は残るため、この点については購入前に理解しておく必要があります。

そして、シリーズ40周年を迎えた新作として考えると、本作が従来のゲーム性をそのまま踏襲するのではなく、新しい方向性を打ち出したこと自体には意味があると感じます。

長く続いてきたシリーズだからこそ、過去の名作を再現するだけではなく、現代のアクションゲームに合わせて遊びを進化させることも必要です。

ただ、新しい要素を取り入れるのであれば、それぞれの仕組みがひとつのゲームとして噛み合っていることも重要になります。

本作では、戦闘やボス戦、カスタマイズといった個々の要素には確かな魅力があります。それにもかかわらず、探索のテンポや移動アクションの操作性が十分に洗練されていないため、ゲーム全体としての完成度にはもう一歩踏み込んでほしかったという印象が残ります。

『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』は、期待外れと切り捨てるには惜しい作品ですが、シリーズの完全復活を印象づけるほどの完成度に達しているかといえば、課題も少なくありません。

それでも、軽快な戦闘や手応えのあるボス戦を楽しみたい人にとっては、十分に購入を検討する価値があります。

反対に、『月下の夜想曲』のような自由度の高い探索や、装備を集めながらキャラクターを育てる楽しさを最優先に考えている場合は、本作のアクション重視の方向性が自分の好みに合っているか、慎重に判断したいところです。

シリーズの伝統を受け継ぎながら、新しいアクションへ挑戦した『ベルモンドカース』。その挑戦には確かな成果があるだけに、今後のシリーズ作品では、戦闘の面白さと探索の楽しさがさらに高い水準で結びつくことを期待したいと思います。

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