『STAR WARS ゼロ・カンパニー』は、クローン戦争末期を舞台に、特殊部隊「ゼロ・カンパニー」を率いて数々の極秘任務へ挑んでいくターン制タクティカルストラテジーです。時系列としては『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と『エピソード3/シスの復讐』の間に位置しており、クローン・トルーパーたちが銀河各地で激しい戦いを繰り広げる裏側で、歴史の表舞台には残らない戦いが描かれていきます。
プレイヤーが操作する主人公は、共和国軍に所属していたホークス。ある極秘任務をきっかけにゼロ・カンパニーを率いることになるのですが、この部隊がいわゆる共和国軍の正規部隊とは少し違います。クローン・トルーパーだけで構成されているわけではなく、マンダロリアンや賞金稼ぎ、ドロイドなど、それぞれ異なる過去や信念を持ったメンバーが集まった「寄せ集めの特殊部隊」なんですね。そんな一癖も二癖もある仲間たちをまとめながら、銀河の裏側で暗躍する謎の教団「インフィニット・コイル」に立ち向かっていくことになります。
ゲームの基本部分は、『XCOM』シリーズの流れを汲んだターン制のタクティカルバトルです。フィールド上でキャラクターを動かし、遮蔽物や敵との位置関係を確認しながら攻撃やアビリティを使って戦うため、このジャンルを普段あまり遊ばない人だと「スター・ウォーズは好きだけど、ストラテジーは難しそうだな……」と感じるかもしれません。
ただ、実際に遊んでみると、その第一印象はかなり変わりました。本作は戦術を考える面白さを残しながら、ジャンル初心者がつまずきやすい部分はかなり整理されていて、思っていた以上に入りやすい作りになっています。少なくとも「XCOM系だから難しそう」という理由だけで候補から外してしまうのは、少しもったいない作品だと感じました。
しかも、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』の魅力は戦闘だけではありません。3Dフィールドを自分で歩いて探索する場面があり、任務を終えて拠点へ戻れば仲間との交流や育成、装備の変更なども行えます。主人公の外見や初期クラス、装備も自分好みに設定できるので、ストラテジーでありながらRPGとして遊んでいる感覚が思いのほか強いんです。
そして何より面白いのが、最初から完成された精鋭部隊を動かすのではなく、出自も考え方もバラバラな仲間を集め、自分の手でゼロ・カンパニーを作り上げていくところ。戦闘で勝つことだけが目的ではなく、仲間を知り、育て、編成を考えながら少しずつ一つの部隊になっていく過程までゲーム体験に組み込まれています。
遊ぶ前は「スター・ウォーズの世界を使ったXCOM系ストラテジー」というイメージが強かったものの、クリアまで進めてみると、それだけでは本作の面白さを説明しきれませんでした。むしろ、自分で集めた仲間たちと一緒に任務をこなし、寄せ集めだった部隊を育てていくRPGとしての部分こそ、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』を最後まで遊びたくなった大きな理由です。
XCOM系なのにかなり遊びやすい!ストラテジー初心者にも入りやすい作り
ここまで紹介してきたように、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』はターン制タクティカルストラテジーを軸にした作品です。このジャンルを遊び慣れている人ならすんなり入れると思いますが、普段はRPGやアクションゲームを中心に遊んでいる人からすると、「ユニットを一人ずつ動かして戦うゲームは難しそう」と身構えてしまう部分もあるかもしれません。
実際、戦場では各キャラクターへ細かく指示を出しながら、遮蔽物や高低差、敵との位置関係まで考えて部隊を動かす必要があります。一手の判断によってその後の展開が変わるため、何も考えずに敵へ近づいて攻撃を繰り返せば勝てるようなゲームではありません。こうして説明すると余計に難しそうに聞こえるのですが、面白いことに、実際のプレイ感はかなり取っつきやすく仕上がっています。
その理由として大きいのが、プレイヤーが判断するために必要な情報を比較的つかみやすいことです。戦場の状況を確認したうえで、「この遮蔽物まで移動して敵を狙うのか」「少し距離を取って次のターンに備えるのか」と考えられるため、何が起こるのか分からないまま手探りで進める場面は抑えられています。難しさそのものを取り除いたというより、状況を把握したうえで次の一手を考える面白さへ集中しやすくしたという感覚に近いですね。
しかも、一度に覚えなければならないことが極端に多いわけでもありません。基本となるのはキャラクターを移動させ、射撃やアビリティを使いながら敵を倒していくという分かりやすい流れなので、まずは目の前の状況を見ながら一手ずつ考えていけばゲームを進められます。そこから少しずつ、「この位置なら敵を狙いやすい」「ここで前へ出すぎると次のターンが危ない」といった感覚が身についてくるため、遊びながら自然と戦い方を覚えていけました。
もちろん、遊びやすいからといって戦闘が単調という意味ではありません。ゲームが進んで敵の種類やこちらの選択肢が増えてくると、誰をどこへ動かすのか、どの敵から倒すのか、強力なアビリティをどのタイミングで切るのかといった判断も重要になってきます。基本的なルールは理解しやすいのに、そのルールを使って考えられることは徐々に増えていく。このバランスが上手く、慣れてくるほど「次はこう動かしてみよう」と自分なりの戦術を試したくなります。
だからこそ、本作はストラテジーを普段から遊んでいる人だけではなく、これまでジャンルそのものに苦手意識を持っていた人にも入りやすい作品だと感じました。スター・ウォーズが好きで興味を持ったものの、「XCOM系と聞いて難しそうだからやめておこう」と考えているなら、そこだけを理由に避ける必要はないと思います。
むしろ、最初は分かりやすいルールの中で一手ずつ考え、慣れてきたところで自分なりの戦術を組み立てられるようになる。その過程まで含めて楽しめる作りだからこそ、ストラテジーに慣れていない人でも「自分で部隊を指揮している面白さ」にたどり着きやすい。この遊びやすさは、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』をクリアまで遊んで特に印象に残った部分の一つでした。
最大4人の部隊をどう動かす?シンプルなのに奥深いターン制バトル
ストラテジー初心者でも入りやすい一方で、戦闘に慣れてくると「次はどう動かそうか」と考える余地がしっかり残されているのも、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』の面白いところです。基本となるルール自体はそれほど複雑ではないものの、実際に戦場へ出ると、限られた行動回数を誰にどう使わせるかによって戦況がかなり変わってきます。
戦闘では最大4人の部隊を編成し、味方と敵が交互に行動しながらターンを進めていきます。各キャラクターには1ターンにつき最大3つのAP(アクションポイント)が用意されていて、移動や射撃、アビリティなどを使うたびに消費する仕組みです。そのため、単純に「移動して攻撃する」だけではなく、どこまで動くのか、攻撃にいくつAPを残しておくのかまで考える必要があります。
たとえば、目の前に敵がいるからといって、全員を前へ出してそのターン中に攻撃させることが最善とは限りません。あえてAPを残した状態で「警戒体制」に入り、敵が動いてくるのを待つという選択肢もあります。この警戒体制は『XCOM』シリーズでいうオーバーウォッチに近いもので、指定した範囲へ敵が入ってきた瞬間に自動で迎撃してくれるため、敵の進路を予測して使うとなかなか強力です。
しかも、一人だけではなく複数の仲間を同じエリアに向けて警戒させることもできます。「おそらく次はここから敵が出てくる」と予想して待ち構え、実際に敵が射線へ入った瞬間、こちらの部隊が次々と一斉射撃を始める。この狙いがきれいに決まったときはかなり気持ち良く、自分の読みで敵の行動を潰したというストラテジーならではの手応えを味わえました。
一方で、ずっと慎重に待ち構えていればいいわけでもありません。戦闘中には敵へダメージを与えることで部隊共通のリソースとなるポイントが蓄積され、これを消費すると各キャラクターが持つ強力なアビリティを発動できます。敵が密集しているところへロケットランチャーを撃ち込んだり、仲間へAPを付与してさらに行動させたり、チーム全体を強化したりと、その使い方によっては不利だった状況を一気にひっくり返すことも可能です。
この仕組みがあることで、「安全な場所から少しずつ敵を削る」という戦い方だけに偏らないんですね。敵へ攻撃すれば次の強力な一手につながるので、多少リスクを取ってでも攻勢に出る意味がありますし、逆にポイントが貯まっているなら、ここぞという場面まで温存して一気に畳みかける選択もできます。
さらに、敵側もこちらの都合に合わせて動いてくれるわけではありません。なかには倒された際に周囲の仲間を強化する「共鳴」という能力を持つ敵も登場するため、目についた相手から順番に倒しているだけでは、かえって後続の敵を強化してしまう場合があります。敵の能力を確認して、「まずこちらを処理してから、次にあいつを狙おう」と撃破する順番まで組み立てる必要が出てくるわけです。
こうした要素が少しずつ重なってくると、序盤では単純に見えていた戦闘にもかなり奥行きが出てきます。遮蔽物を利用して被弾を抑えるのか、警戒体制で敵を待ち構えるのか、それとも強力なアビリティを投入して一気に押し切るのか。状況によって有効な手段が変わるので、毎ターン同じ行動を繰り返しているだけでは上手くいきません。
とはいえ、前述したようにルールそのものが必要以上に複雑化されているわけではないため、「何をすればいいのか分からない」という難しさよりも、「今ある選択肢の中から、どれを使えば一番うまくいくか」と考える楽しさのほうが前に出ています。慎重に配置した仲間たちが狙い通り敵を迎撃したかと思えば、次のターンでは強力なアビリティを叩き込んで一気に攻勢へ転じる。じっくり考えるストラテジーらしさと、スター・ウォーズらしい派手な戦闘の気持ち良さが、うまく噛み合ったバトルになっていました。
「スター・ウォーズ版XCOM」だけではない!仲間と過ごす拠点パートが面白い
戦闘だけを切り取って見れば、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』は確かにXCOM系のターン制ストラテジーです。ただ、実際にクリアまで遊んでみると、それだけでは本作の魅力を十分に説明できません。むしろ戦場での戦いと同じくらい印象に残ったのが、任務を終えたあとに戻ってくる「拠点」での時間でした。
ミッションの合間には、ゼロ・カンパニーの拠点となる「ザッデン」へ帰還します。ここで面白いのは、単なるメニュー画面から「装備」「育成」「次のミッション」と項目を選んでいく形式ではなく、主人公を直接操作して3Dで作られた拠点内を歩き回れること。仲間との会話はもちろん、新兵の募集やスキルの習得、装備・衣装の変更、施設の強化、武器やアイテムの購入など、次の任務へ向けた準備もこの場所で進めていきます。
もちろん、機能だけを考えれば、これらはすべてメニュー画面にまとめることもできたはずです。それでも、あえて一つの拠点として実際に歩ける場所を用意したことで、「ゼロ・カンパニー」という部隊が単なるゲームシステム上の編成枠ではなく、仲間たちが集まって生活している組織として感じられるようになっています。
実際に任務から帰ってくると、先ほどまで一緒に戦っていた仲間たちが拠点内で過ごしていて、キャラクター同士で会話している場面にも出会います。戦場では頼れる兵士として敵と撃ち合っていた人物が、戻ってみれば何気ない日常を送っている。こうした姿を繰り返し目にすることで、少しずつ「戦闘で使うユニット」ではなく、一緒に任務へ出ている仲間として見るようになっていくんですね。
この感覚は、寄せ集めの特殊部隊を描く本作だからこそ、かなり重要だったように思います。最初から全員が強い絆で結ばれているわけではなく、出自も考え方も異なるメンバーが一つの場所に集まり、任務と日常を繰り返しながら同じ部隊になっていく。その過程をプレイヤー自身も拠点で過ごしながら見ていくため、ストーリー上で「仲間になりました」と説明されるだけの場合とは、部隊への愛着の湧き方が違いました。
そして、戦場と拠点を行き来するゲームサイクルも上手くできています。緊張感のある戦闘を終えたら拠点へ戻り、仲間と話したり装備を整えたりしながら一息つく。そこで次の任務に備えて部隊を強化し、準備が整ったら再び仲間を連れて戦場へ向かう。この繰り返しがあることで、単にステージを順番に攻略しているというより、ゼロ・カンパニーの指揮官として仲間たちと一緒に活動している感覚が自然と生まれてきます。
だからこそ、本作を「スター・ウォーズの世界観で遊べるXCOM系ゲーム」とだけ捉えてしまうのは、少しもったいないところです。戦術を考えて敵を倒す面白さはもちろんありますが、その戦いから帰る場所があり、そこには自分が集めた仲間たちがいる。戦闘と戦闘の間にこうした時間が挟まるからこそ、次の任務で誰を連れていくのか、誰を育てたいのかという判断にも、単純な性能差だけではない思い入れが入ってきます。
**「この仲間たちと、もう一度任務へ行きたい」と思えるところまで部隊に愛着が湧いてくる。**このRPGとしての作り込みは、実際に遊んでみて『STAR WARS ゼロ・カンパニー』への印象が大きく変わった部分でした。
寄せ集めだった仲間が本当のチームになっていく「絆」のシステム
拠点で仲間たちの日常に触れていると、自然とそれぞれのキャラクターに興味が湧いてきます。そして、その感覚を戦闘にもつなげているのが、本作に用意された仲間同士の「絆」です。単に会話イベントをこなして関係性を深めるだけではなく、実際に同じ戦場へ立ち、助け合ってきた経験そのものが絆につながっていきます。
たとえば、一緒にミッションへ参加したり、戦闘中に回復や追撃などで仲間を援護したりすると、キャラクター同士の関係性が少しずつ深まっていきます。絆が強くなれば戦闘面でも恩恵を受けられるため、「仲が良くなった」という物語上の変化だけで終わらず、それまで一緒に戦ってきた積み重ねがゲームシステムにも反映されるわけです。
この仕組みは、ゼロ・カンパニーという部隊の成り立ちにもよく合っています。そもそも彼らは、同じ場所で長年訓練を積んできた正規部隊ではありません。クローンやジェダイをはじめ、それぞれ異なる背景を持ったメンバーが集められた寄せ集めの部隊です。だからこそ、最初から全員が固い信頼関係で結ばれているよりも、実際の任務を通して少しずつ関係を築いていくほうが物語としても納得できます。
しかも、仲間への愛着を深めてくれるのは絆の数値だけではありません。それぞれのキャラクターには個別のサブストーリーも用意されていて、戦場にいるときとは違った一面を知る機会があります。危険を冒してまでオペラを聴くためのチップを手に入れようとする人物がいたり、フォースを扱う仲間と実際に話してみると意外な一面が見えてきたりと、いかにも寄せ集め部隊らしいエピソードが挟まれてきます。
ここが個人的にはかなり良くて、最初は「このキャラクターは戦闘で使いやすいから連れていこう」という性能中心の見方をしていても、物語を進めるうちに少しずつ印象が変わってきます。戦場では頼れる兵士だった人物にも戦いとは関係のない趣味や考え方があり、それを知ったうえで再び一緒に任務へ出ると、同じキャラクターでも以前とは少し違って見えてくるんです。
そのうえ、一緒に出撃すれば絆が深まり、戦闘中に助け合うことにも意味が生まれるため、「お気に入りの仲間を連れていきたい」というRPG的な感情と、「この組み合わせなら戦いやすい」というストラテジーとしての判断が自然に重なっていきます。仲間との交流が戦闘から切り離されたおまけ要素になっていないからこそ、部隊を育てている実感も強くなっていました。
考えてみれば、タイトルにもなっている「ゼロ・カンパニー」は特定の主人公一人を指しているわけではなく、プレイヤーが率いる部隊そのものです。最初は経歴も種族もバラバラだったメンバーと任務を重ね、戦場では互いに助け合い、帰還すればそれぞれの日常や意外な一面を知っていく。そうした時間を積み重ねるうちに、単なる寄せ集めだった集団が「自分の部隊」に変わっていく感覚が生まれてきます。
戦闘に勝つたびにキャラクターが強くなるだけではなく、プレイヤー側にも「このメンバーで最後まで戦いたい」という気持ちが積み上がっていく。このあたりは数値だけでは説明しにくい部分ですが、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』をRPGとして面白いと感じた大きな理由の一つです。
クラス・装備・部隊編成で「自分だけのゼロ・カンパニー」を作れる
仲間に愛着が湧いてくると、今度は「このキャラクターをどう育てようか」という楽しみも大きくなってきます。『STAR WARS ゼロ・カンパニー』では固定キャラクターだけで戦い続けるのではなく、新兵を募集して自分好みのメンバーを加えることもできるため、ゲームを進めるほど部隊編成の自由度が広がっていきます。
各キャラクターにはクラスが設定されていて、武器や装備、アビリティを組み合わせながら、それぞれに役割を持たせていくのが基本です。最初のうちはキャラクターごとの得意分野を生かして育てていけば十分なのですが、中盤以降になると「セカンドクラス」が解放され、2種類のクラスを組み合わせるマルチクラスも使えるようになります。ここから育成の幅が一気に広がってくるんですね。
たとえば、戦闘兵と偵察兵を組み合わせて前線で幅広く立ち回れるキャラクターにしたり、重装兵と襲撃兵を組み合わせて味方を支えるタンクとして運用したりと、組み合わせ次第で同じキャラクターでも役割が変わってきます。「このクラスが正解だから全員これにすればいい」という作りではなく、自分がどんな戦い方をしたいのかを考えながら育成方針を決められるのが面白いところです。
さらに、キャラクターの強さを決めるのはクラスだけではありません。拠点やミッションでは武器、装備、各種アイテムを入手でき、それぞれにレアリティも設定されています。前の見出しで触れた仲間同士の絆もステータス強化につながりますし、拠点を強化すればアイテムの所持数を増やせるなど、一つひとつのシステムが独立しているのではなく、最終的にはゼロ・カンパニー全体の強化へつながっていきます。
とはいえ、育てたキャラクターを全員戦場へ連れていけるわけではなく、実際に出撃できるのは最大4人です。ここがストラテジーとして悩ましいところで、単純にレベルが高い4人を選べばいいという話でもありません。ミッションごとに目的が異なるため、「今回は誰を連れていけば戦いやすいか」まで考えて編成する必要があります。
敵の殲滅が目的なら範囲攻撃を使えるメンバーを中心にして、一気に敵を減らせる編成を考える。一方、物資を回収して脱出する任務なら、火力だけを求めるより機動力を重視し、回収後にどうやって脱出地点まで移動するかまで想定しておいたほうが動きやすくなります。つまり、キャラクター単体の強さだけを見るのではなく、「今回の任務を、この4人でどう攻略するか」まで含めて部隊を作ることになるわけです。
これがあるからこそ、お気に入りのキャラクターだけを毎回固定して使うのとは少し違った面白さも出てきます。ある任務では前線を支えてくれた仲間を、次の任務では別のメンバーへ入れ替えてみる。その結果、今まであまり使っていなかったキャラクターの強さに気づいたり、新しいクラスの組み合わせを試したくなったりと、部隊編成そのものが遊びの一部になっていました。
そして、ここまで遊んでくると「ゼロ・カンパニーを育てる」という言葉の意味も、かなり実感できるようになります。新しい仲間を迎え、クラスや装備を考えて育成し、絆を深めながら任務に合わせて4人を選ぶ。その積み重ねによって、最初は寄せ集めだった部隊が少しずつ自分の戦い方に合った組織へ変わっていくんです。
用意されたキャラクターをただ強くしていくのではなく、誰を仲間にして、どう育て、どんな役割を与えて戦場へ送り出すのかまで自分で決められる。仲間への愛着と育成、そしてストラテジーとしての部隊編成がうまくつながっているからこそ、「自分だけのゼロ・カンパニーを率いている」という感覚が、ゲームを進めるほど強くなっていきました。
戦闘だけでは終わらない!3D探索によって物語とバトルが自然につながる
ここまで紹介してきた育成や部隊編成を考えていると、どうしても拠点と戦闘を往復するゲームを想像しやすいのですが、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』にはもう一つ、主人公を直接操作して3Dフィールドを歩く探索パートも用意されています。これがあることで、ミッションを選択したら即座に戦闘が始まるという流れだけではなく、自分たちが実際に現地へ赴いて任務を遂行している感覚が生まれていました。
探索パートでは新たな土地を自分の足で歩きながら周囲を調査し、そこにいる人物と会話して物語を進めていきます。そして、探索中に敵と遭遇すれば、その場所がそのまま戦場となってターン制バトルへ移行する仕組みです。戦闘そのものはこれまで紹介してきたシステムと同じでも、そこへ至るまでの過程があるだけで、ステージを一つずつ攻略しているときとは受ける印象がかなり変わってきます。
もちろん、探索そのものが広大なフィールドを自由に歩き回るような作りになっているわけではなく、内容としては比較的シンプルです。それでも、自分で現地へ向かい、周囲を調べ、人と話し、その流れから戦闘へ入っていくため、「次のバトルを開始するためのイベント」という感じが薄いんですね。何のためにここへ来て、なぜこの場所で戦うことになったのかが一続きになっているので、物語から戦闘への移行にも違和感がありません。
こうした作りは、ゼロ・カンパニーを率いるロールプレイとも相性が良かったです。拠点で仲間と過ごして装備や部隊を整え、任務が始まれば現地へ赴いて調査し、敵と遭遇したらその場で戦闘に入る。戦いが終われば再び拠点へ帰還するという流れがあるため、個々のシステムを別々に遊んでいるというより、特殊部隊として一つの任務を最初から最後まで遂行しているという感覚につながっています。
さらに、ゼロ・カンパニーの活動はプレイヤーが直接参加する任務だけに限りません。拠点では戦術作戦や調査といったイベントも発生し、今回の戦闘には連れていかない仲間を別の任務へ派遣することもできます。最大4人しか出撃できないからといって、それ以外のメンバーが完全に待機要員になるわけではなく、部隊全体を動かしながら活動している雰囲気が出ているのも良いところでした。
振り返ってみると、本作にはターン制バトル、育成、部隊編成、拠点での交流、3D探索と、かなり異なる遊びが詰め込まれています。ただ、それぞれが独立した要素として置かれているのではなく、「ゼロ・カンパニーを率いて任務を遂行する」という一本の流れにつながっているため、思ったほど散漫な印象はありませんでした。
戦闘だけを繰り返していたら、ここまで仲間や部隊そのものには愛着を持てなかったかもしれません。拠点へ戻る時間があり、自分で現地を歩く時間があり、その先で再び仲間と戦う。こうした戦闘以外の時間まで含めて作られているからこそ、「スター・ウォーズの世界で特殊部隊を率いている」というロールプレイが途切れにくい。3D探索はゲーム全体から見れば一つの要素ではあるものの、本作のRPGらしさを支えるうえでは、しっかり意味のあるパートになっていました。
気になったのはカメラワークとミッションのテンポ
ここまで紹介してきた通り、『STAR WARS ゼロ・カンパニー』は戦闘から育成、仲間との交流や探索まで、それぞれの要素がうまくつながった作品です。ただ、クリアまで遊んでみると、すべてが快適だったというわけでもありません。特に気になったのが、戦闘中のカメラワークと一部ミッションのテンポでした。
まずカメラについては、広い場所で戦っているときにはそれほど気にならないものの、狭い場所へ入ると遮蔽物や周囲のオブジェクトが画面を覆ってしまい、敵と味方の位置関係を確認しづらくなる場面があります。戦闘では「どこから敵を狙えるのか」「この位置まで移動して安全なのか」といった判断が重要になるだけに、盤面を把握したいタイミングで視界が悪くなるのは少しストレスを感じるところでした。
また、高低差のあるマップではカーソル操作が意図した場所からずれてしまい、移動先を指定しづらいこともあります。本作は一手の判断がその後の戦況に影響するストラテジーなので、「ここへ移動させたい」と考えているのに操作面で引っかかると、どうしてもテンポが崩れてしまうんですね。戦術そのものを考える難しさなら楽しめるのですが、操作のしづらさによって余計な確認が増えてしまう部分は、もう少し洗練されてほしいと感じました。
そして、もう一つ気になったのがミッション構成です。敵の殲滅や特定目標の確保、脱出など複数の目的は用意されているものの、種類そのものはそれほど多くありません。特にサブミッションでは、目的を達成したあとに改めて脱出地点まで部隊を移動させなければならないケースもあり、「もう任務としては終わったのに、まだ移動が続くのか」と感じる場面がありました。
メインストーリーの重要な任務なら、ある程度時間をかけて攻略すること自体が一つの楽しみになります。一方、部隊育成などを目的に繰り返すサブミッションでは、もう少し短時間で決着する戦闘があっても良かったと思います。敵を殲滅した時点で終了するようなシンプルな任務を増やすなど、メインとサブでテンポに変化があれば、育成目的でも気軽に出撃しやすくなったはずです。
細かな部分では、一部ミッションでフレームレートが低下したり、探索中のキャラクターの挙動が不自然になったりする場面もあります。さらに、敵のターンで思考時間が長く感じられることもあり、こうした部分が重なると、戦闘そのものは面白いのに待ち時間で少し勢いを削がれることがありました。
とはいえ、これらは戦闘システムや育成の根本的な面白さを損なうほどの問題ではありません。むしろ、基本となるゲームサイクルが面白かったからこそ、「ここがもう少し快適なら、さらに遊びやすかったのに」と感じた部分でもあります。
特に本作は、ストラテジー初心者でも入りやすいように戦闘ルールが整理されているだけに、カメラやカーソル、敵ターンの待ち時間といった操作・パフォーマンス面が改善されれば、もともとの遊びやすさはさらに際立つはずです。ゲームそのものの難しさより、快適性の部分に少し粗さが残っているというのが、クリアまで遊んだうえで気になったポイントでした。
『STAR WARS ゼロ・カンパニー』はこんな人におすすめ
操作性やミッションのテンポには気になるところが残っていたものの、クリアまで遊んだ印象としては、それ以上に「よくまとまったゲームだった」という感覚のほうが強く残りました。ターン制ストラテジーとして考える面白さがあり、仲間を育てるRPGとしての楽しさもある。さらに拠点での交流や探索まで含めて、それらが「ゼロ・カンパニーという部隊を率いる体験」へきちんとつながっているのが本作の良さです。
まずおすすめしたいのは、やはりスター・ウォーズが好きな人です。舞台となるのはクローン戦争末期で、共和国軍の正規部隊として大規模な戦争の中心を駆け抜けるのではなく、その裏側で極秘任務を遂行する特殊部隊を描いています。ジェダイやクローンだけではなく、マンダロリアンや賞金稼ぎ、ドロイドなど異なる背景を持った仲間が集まってくるため、この時代のスター・ウォーズを少し違った立場から体験できるのも面白いところでした。
一方で、「スター・ウォーズは好きだけど、ストラテジーはあまり遊んだことがない」という人にも、本作はかなり勧めやすいです。位置取りや敵を倒す順番、アビリティを使うタイミングなど、考えなければならない部分はしっかりありますが、複雑さそのものを難しさにしているタイプではありません。必要な情報を確認しながら次の一手を考えられるので、遊び始めてから少しずつ戦い方を覚えていけます。
逆に、『XCOM』シリーズのようなターン制ストラテジーが好きな人なら、馴染みのある部分を感じながらも、本作ならではの違いを楽しめると思います。特に印象的なのは、戦闘だけを延々と繰り返すのではなく、任務から帰れば拠点を歩き、仲間と話し、装備や育成を整えてから再び戦場へ向かうところ。戦術ゲームとして勝敗を考えるだけではなく、部隊の指揮官として過ごす時間そのものがゲームに組み込まれています。
そして個人的に一番おすすめしたいのは、仲間を集めて育てながら、自分だけのパーティーを作っていくRPGが好きな人です。
最初は能力やクラスを見て「このキャラクターは使いやすそうだな」と考えていたのに、一緒に戦って絆を深め、拠点で会話を重ねていくうちに、「この仲間は次の任務にも連れていきたい」と思うようになる。さらにクラスや装備を組み合わせて役割を作り、ミッションに合わせて4人のメンバーを選んでいくため、戦闘を重ねるほど自分なりの部隊が出来上がっていきます。
この部分こそ、クリアまで遊んでタイトルに「寄せ集め部隊を率いるRPGが想像以上に面白い」と入れたくなった理由でもあります。
もちろん、カメラワークやミッションのテンポ、パフォーマンス面など、もう一段磨いてほしい部分はありました。それでも、戦闘では一手ずつ考える楽しさがあり、戦いが終われば好きな仲間が待っている拠点へ帰り、育成や交流を済ませて次の任務へ向かう。このサイクルを繰り返していると、いつの間にかゼロ・カンパニーそのものへの愛着が強くなっていきます。
「スター・ウォーズだから」という理由だけで遊び始めてもいいですし、「XCOM系の新しいストラテジーを遊びたい」という入り方でも十分楽しめます。ただ、本作の魅力を一つだけ挙げるなら、やはりバラバラだった仲間たちを集め、自分で育て、自分の判断で戦場へ送り出しながら、一つのチームにしていくことだと思います。
ストラテジーとして遊びやすく、それでいて部隊編成には考える余地があり、仲間との交流まで含めてRPGとして楽しめる。少なくとも、単なる「スター・ウォーズ版XCOM」を想像して始めると、良い意味でその予想を裏切ってくれる一本でした。
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