「ファイナルファンタジーを一度は遊んでみたいけれど、結局どれから始めればいいのか分からない」
FFシリーズにこれから触れようとしている人ほど、最初にぶつかるのがこの問題かもしれません。
それも無理はなく、FFは1987年に第1作が発売されてから長く続いているシリーズで、ナンバリング作品だけでも『ファイナルファンタジーXVI』まで登場しています。さらに『FF7リメイク』のようなリメイク作品や続編、派生タイトルまで含めると選択肢はかなり多く、「有名だから興味はあるけれど、何を選べばいいのか分からない」となりやすいシリーズでもあります。
ただ、ここで最初に知っておいてほしいのは、FFを遊ぶからといって『FF1』から順番に追いかける必要はないということです。
FFは基本的にナンバリングごとに世界観や登場人物、ストーリーが独立しており、『FF10』から始めたから過去作を知らなくて話についていけない、といった心配はありません。シリーズものというよりも、それぞれが一本のRPGとして成立していて、その中にクリスタルや魔法、召喚獣といったFFらしい要素が受け継がれていると考えたほうが分かりやすいと思います。
だからこそ、問題になるのは「順番」ではなく、数あるFFの中から自分に合った最初の一本をどう選ぶかなんですよね。
昔ながらのコマンドバトルを楽しめる作品もあれば、近年のFFにはアクションRPGに近いものもあります。王道のファンタジーを前面に押し出した作品がある一方で、学園生活や恋愛を描いた作品、国家同士の戦争や政治を扱う作品もあり、同じFFという名前が付いていてもプレイしたときの感触はかなり違います。
そこでこの記事では、ストーリーへの入りやすさやバトルシステムの分かりやすさ、現在のゲーム環境でも遊びやすいかといった点を踏まえながら、これからFFを始める人におすすめしたい7作品をランキング形式で紹介していきます。
「FFに興味はあるけれど、作品が多すぎて選べない」という人はもちろん、昔遊んでいたFFを久しぶりにプレイしてみたい人も、次に遊ぶ一本を探すつもりで読み進めてもらえればと思います。
初心者が最初のFFを選ぶなら「有名だから」だけで決めないほうがいい
FFシリーズを初めて遊ぶとなれば、「とりあえず一番有名な作品を選べば間違いない」と考える人もいると思います。もちろん、それも一つの選び方ではあるのですが、FFに関しては知名度だけで決めてしまうと、思っていたゲームと少し違った……となる可能性があります。
というのも、先ほど触れたようにFFは作品ごとの違いがかなり大きく、バトルシステム一つを取っても同じシリーズとは思えないほど変化してきました。
たとえば、じっくり考えてコマンドを選ぶターン制の作品がある一方で、時間経過によって戦況が動いていくATBを採用した作品もあります。さらに『FF12』では仲間の行動条件を自分で組み立てる「ガンビット」が登場し、近年になると『FF16』のように本格的なアクションRPGへ踏み込んだ作品まで出てきました。
これだけ方向性が違う以上、単純に「人気があるFF=自分にも合うFF」とは限らないわけです。
ストーリーについても同様で、いかにもファンタジーRPGらしい冒険を楽しめる作品もあれば、恋愛を強く打ち出した作品、国家間の戦争や政治を描いた作品など、その雰囲気はかなり違います。だからこそ最初の一本を選ぶときは、「シリーズで何番目の作品なのか」よりも、自分が普段どんなゲームを好んで遊んでいるのかを基準にしたほうが選びやすくなります。
そこで今回のランキングでは、単純な人気や知名度だけではなく、ストーリーへの入りやすさ、バトルシステムの分かりやすさ、現在でも遊びやすい環境が整っているかといった部分も含めて考えています。
特に最後の「現在でも遊びやすいか」は、昔のFFを選ぶうえで意外と重要です。
FFシリーズには1990年代以前に発売された作品も多いため、「名作なのは分かるけれど、今から昔のRPGを遊ぶのは少し大変そう」と感じる人もいるかもしれません。ただ、現在は『FF1』から『FF6』までを現代向けに調整したPixel Remasterが登場しており、エンカウントのオン・オフや獲得経験値の倍率変更など、遊びやすくするための機能も追加されています。
一方、『FF7リメイク』のように現代的なグラフィックとアクション性を前面に出した作品からシリーズへ入ることもできますし、あえて昔ながらのドット絵でFFらしいRPGを味わうという選択もあります。
つまり、FF初心者だからといって「これを遊ばなければいけない」という正解が一つだけあるわけではありません。
そのうえで、もし「それでも候補が多すぎて決められない」という人に向けて、ここからは最初の一本としておすすめしやすい7作品を順番に紹介していきます。それぞれの魅力だけでなく、どんな人に向いているのかも含めて見ていくので、自分ならどれを遊びたいか考えながら読み進めてみてください。
第7位 FF8|学園×恋愛×独特すぎる育成システムが刺さる一本
ここからは、FFシリーズを初めて遊ぶ人におすすめしたい7作品を順番に紹介していきます。その最初となる第7位に選んだのが、1999年に発売された『ファイナルファンタジーVIII』です。
『FF8』でまず目を引くのは、それまでのシリーズとは少し雰囲気の違う世界観ではないかと思います。
主人公のスコールは、傭兵を育成する学校「バラムガーデン」に所属する青年で、物語も学園生活から始まります。そこへヒロインのリノアをはじめとした仲間たちとの出会いが重なり、やがて国家間の争いや世界そのものを巻き込む大きな物語へ発展していくため、序盤と終盤ではかなり違ったスケールの冒険を味わえる作品になっています。
そして『FF8』を語るうえで外せないのが、スコールとリノアの関係です。
FFシリーズには恋愛を描いた作品がいくつもありますが、『FF8』はその要素をかなり前面に押し出しています。他人との間に距離を置きがちなスコールが、リノアや仲間たちとの関わりを通じて少しずつ変化していくため、世界を救う壮大な物語だけではなく、一人の青年が他者と向き合っていく過程にも見どころがあります。
ただし、初心者におすすめするうえで一つ知っておいてほしいのが、『FF8』は今回紹介する7作品の中でもシステムにかなり癖があるという点です。
代表的なのが「ドロー」と「ジャンクション」。敵から魔法をドローして集め、その魔法をHPや力といったステータスにジャンクションすることでキャラクターを強化していきます。一般的なRPGでは魔法といえば戦闘中に使うものですが、『FF8』では魔法そのものがキャラクターを強くするための資源にもなっているわけです。
最初は「魔法を集めて装備するってどういうこと?」と戸惑うかもしれません。それでも仕組みが分かってくると、どの魔法をどの能力に割り当てるのかを考えながら、自分なりにキャラクターを強化していく面白さが見えてきます。
言い換えるなら、何も考えずにレベルを上げていけば自然と強くなれるRPGとは少し違います。だからこそ万人向けの最初のFFとして上位には置きにくいものの、育成システムを理解して試行錯誤すること自体が好きな人なら、むしろこの独特さが強く刺さる可能性があります。
現在は『FINAL FANTASY VIII Remastered』が展開されているため、発売当時の作品をそのまま遊ぶよりも入りやすくなっています。
王道ファンタジーだけではなく学園ものや恋愛要素のあるRPGが好きな人、そして少し癖があっても自分で仕組みを理解しながらキャラクターを育てることに面白さを感じる人なら、『FF8』は最初の一本として十分候補に入れていい作品です。
第6位 FF12|重厚な世界観と「ガンビット」にハマると抜け出せない
第6位は、広大なイヴァリースを舞台にした『ファイナルファンタジーXII』です。
先ほど紹介した『FF8』が学園や恋愛といった要素を強く打ち出していたのに対して、『FF12』では国家同士の戦争や政治、それぞれの立場から動く人物たちの思惑が物語の中心に置かれています。そのため、分かりやすい王道ファンタジーというより、作り込まれた世界の中へ入り込み、その歴史や情勢まで含めて楽しみたい人に向いたFFと言えます。
物語の舞台となるのは、小国ダルマスカをはじめとした複数の国家が存在するイヴァリース。主人公のヴァンは空賊になることを夢見る少年で、ある出来事をきっかけに、祖国を取り戻そうとする王女アーシェや空賊のバルフレアたちと行動を共にするようになり、やがて巨大な帝国を巡る争いへ巻き込まれていきます。
こうした物語だけでも『FF12』はかなり特徴的なのですが、実際に遊んでみると、それ以上に強烈な個性を感じるのがバトルシステムです。
敵と遭遇するたびに専用の戦闘画面へ切り替わるのではなく、フィールド上を移動している状態からそのまま戦闘へ入っていく仕組みが採用されています。さらに、その戦闘を面白くしているのが『FF12』を象徴する「ガンビット」です。
ガンビットは、仲間がどのような状況で何をするのかをあらかじめ設定しておけるシステムで、「HPが減った仲間がいたら回復する」「特定の敵を優先して攻撃する」といった具合に、条件と行動を組み合わせて仲間の動きを作っていきます。
これだけ聞くと「自動で戦ってくれるなら、自分で操作する部分が少ないのでは?」と思うかもしれませんが、実際の面白さはむしろ逆です。
どんな状況を想定してガンビットを組むのか、その順番をどうするのかによって戦闘の安定感が変わるため、プレイヤーはキャラクターへ一つひとつ指示を出すというより、パーティー全体が効率良く動く仕組みそのものを作っていくことになります。自分で考えた設定がうまく機能し、仲間たちが次々と敵へ対応していくようになると、他のFFではなかなか味わえない気持ちよさがあります。
一方で、この独特な戦い方は好みが分かれる部分でもあります。
自分で毎回コマンドを選択して戦いたい人にとっては少し馴染みにくいかもしれませんし、ガンビットの仕組みを理解するまでは戸惑う場面もあると思います。その意味では、誰にでも最初のFFとして勧められるタイプではないものの、キャラクターの育成や装備だけでなく「どう戦わせるか」まで細かく考えるのが好きなら、一気に面白くなってくる作品です。
現在遊ぶのであれば、システムが調整された『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』が選択肢になります。こちらではジョブを軸にした育成要素が採用されているほか、広大なフィールドを移動するときに便利な倍速機能も用意されており、オリジナル版より快適に進められるようになっています。
政治や戦争を絡めた少し大人びたファンタジー世界が好きで、自分なりの戦略を組み立てることにも面白さを感じる。そんな人にとって『FF12』は、シリーズの中でもかなり長く付き合える一本になると思います。
第5位 FF4|これぞ王道RPG。物語を楽しみたい初心者に強くすすめたい
『FF12』のような複雑な世界情勢や独自性の強いシステムよりも、「まずは分かりやすい王道RPGを一本遊んでみたい」という人にすすめたいのが、第5位の『ファイナルファンタジーIV』です。
1991年に発売された作品なので、今回紹介する中ではかなり古いFFに入ります。ただ、物語の分かりやすさという点では今からシリーズへ入る人とも相性がよく、FFが長く支持されてきた理由を知るうえでも面白い一本になっています。
主人公は、軍事国家バロンの飛空艇団「赤い翼」を率いる暗黒騎士セシル。国王から与えられた命令に疑問を抱いたことをきっかけに、それまで自分が信じていたものと向き合うことになり、親友のカインや白魔道士のローザ、召喚士のリディアなど、さまざまな仲間と出会いながら大きな戦いへ身を投じていきます。
『FF4』の魅力は、何といってもこの物語の勢いにあります。
友情があれば裏切りもあり、仲間との別れや再会もあり、その中で主人公自身も大きく成長していく。現在のRPGと比べれば演出そのものはシンプルですが、「次はどうなるんだ」と先へ進みたくなる出来事が次々と起こるので、古い作品だからストーリーも淡白なのでは、と構える必要はありません。
特に印象的なのが、暗黒騎士として物語を始めたセシルが、自分自身の過去や弱さと向き合いながらパラディンへと成長していく流れです。単に装備や見た目が変わるだけではなく、主人公の内面的な変化とゲーム上の成長が重なっているため、セシルという人物を追いかけながら自然と物語へ入り込める作りになっています。
そして、初めてFFを遊ぶ人にとってありがたいのが、キャラクターごとの役割がかなり分かりやすいことです。
セシルなら前衛、ローザなら回復、リディアなら召喚や魔法といったように、それぞれが得意とすることがはっきりしています。最近のRPGでは、スキルツリーや装備、ジョブなどを自分で細かく組み合わせる作品も珍しくありませんが、『FF4』では「このキャラクターをどう育てればいいのか」と必要以上に悩まされる場面が少なく、物語を追いかけることに集中しやすくなっています。
バトルには、シリーズを代表するシステムの一つとなった「ATB(アクティブタイムバトル)」が本格的に導入されています。
自分のターンが来るまで完全に時間が止まっているのではなく、時間経過によって行動可能になるため、従来のターン制RPGより少しだけ緊張感があります。それでも複雑なアクション操作を求められるわけではないので、「アクションはあまり得意ではないけれど、ただ順番にコマンドを選ぶだけでは少し物足りない」という人にも入りやすい仕組みです。
また、今から遊ぶのであればPixel Remaster版があることも大きいところ。昔ながらのドット絵の雰囲気を残しながら遊べるため、30年以上前のゲームをそのまま引っ張り出して遊ぶ感覚とはかなり違います。
もちろん、グラフィックや演出の豪華さを最優先するなら、このあと紹介する作品のほうが入りやすいかもしれません。それでも、仲間と出会い、困難を乗り越えながら主人公が成長し、最後には大きな敵へ立ち向かっていく――そんなRPGらしい物語をしっかり味わいたいなら、『FF4』はいま遊んでも十分に魅力があります。
「まずはFFらしいRPGを一本クリアしてみたい」「複雑な育成よりストーリーを楽しみたい」という人なら、古さだけを理由に候補から外してしまうのは少しもったいない作品です。
第4位 FF9|「ファイナルファンタジーらしい世界」を味わうなら外せない
第4位は、2000年に初代PlayStationで発売された『ファイナルファンタジーIX』です。
ここまで『FF8』『FF12』『FF4』と方向性の異なる作品を紹介してきましたが、「せっかく初めてFFを遊ぶなら、いかにもファンタジーらしい世界を冒険してみたい」という人には、『FF9』がかなり有力な候補になります。
『FF9』は「原点回帰」をテーマにしており、頭身を抑えたキャラクターデザインに、中世ファンタジーを思わせる街並み、飛空艇、黒魔道士といった要素が詰め込まれています。リアル寄りのキャラクターを描いた『FF8』などとは雰囲気が大きく異なり、画面を見ただけでも「これからファンタジー世界を冒険するんだ」と感じさせてくれる作品です。
主人公は、盗賊団タンタラスに所属するジタン。そこへアレクサンドリア王国の王女ガーネット、心優しい黒魔道士のビビ、生真面目な騎士スタイナーなどが加わり、それぞれ違った事情を抱えた仲間たちと一緒に世界を巡っていくことになります。
このメンバーが、また本当に個性的なんです。
特にビビは『FF9』という作品を語るうえで欠かせない存在で、自分とは何者なのかという疑問を抱えながら旅を続けていきます。見た目だけなら可愛らしいキャラクターなのですが、物語が進むにつれて扱われるテーマは思っている以上に重く、やがて「生きること」や「死ぬこと」にまで踏み込んでいきます。
『FF9』が面白いのは、こうした重いテーマを扱いながら、作品全体が必要以上に暗くなっていないところです。
仲間同士の賑やかなやり取りがあり、思わず笑ってしまう場面もあれば、それぞれが自分の悩みと向き合う場面もある。冒険を続ける中で少しずつキャラクターへの思い入れが強くなっていくので、終盤になる頃には「この仲間たちと旅をしてきた」という感覚が自然と残ります。
そして初心者にすすめやすい理由は、ストーリーだけではありません。
バトルにはATBが採用されていますが、キャラクターごとの役割はかなり分かりやすく、ジタンなら「盗む」、ビビなら黒魔法、ガーネットなら白魔法や召喚といった具合に、それぞれの個性がそのまま戦闘にも反映されています。
育成についても、武器や防具に設定されたアビリティを装備中に覚え、習得後は装備を変更しても使えるようになるという仕組みです。新しい装備を手に入れたときに「攻撃力が高いから交換する」だけではなく、「このアビリティも覚えてから次の装備に変えよう」と考える楽しさがあり、それでいて仕組み自体はそこまで複雑ではありません。
また、現在遊べる移植版には倍速やエンカウントを抑えるための機能なども用意されているため、オリジナル版が発売された2000年当時より遊びやすくなっています。
もちろん、最新作のようなリアルなグラフィックや激しいアクションを期待すると、最初は古さを感じる部分もあると思います。それでも、街を巡り、仲間と出会い、飛空艇に乗って世界を冒険する――そんな昔ながらのファンタジーRPGが好きなら、この作品の雰囲気はかなり入りやすいはずです。
そして何より、可愛らしい見た目とは裏腹に、物語を最後まで進めたときに残るものが思いのほか深い。FFというシリーズが得意としてきた「壮大な冒険」と「キャラクターの人生」を一緒に味わいたい人には、『FF9』を最初の一本として選んでみてほしいと思います。
第3位 FF6|ドット絵時代のFFを遊ぶなら、まず候補に入れたい名作
ここからはいよいよTOP3です。第3位には、スーパーファミコン時代のFFを代表する一本、『ファイナルファンタジーVI』を選びました。
「さすがにスーパーファミコンのRPGを今から遊ぶのは古すぎない?」と感じる人もいるかもしれません。ところが『FF6』に関しては、ドット絵で描かれていること自体が大きな壁になりにくく、むしろ限られた表現の中でここまで壮大な物語を描いたのかと驚かされる作品でもあります。
舞台となるのは、かつて存在した魔法が失われ、機械文明が発達した世界。強大なガストラ帝国が幻獣の力を利用しようとする中、帝国に操られていた少女ティナをはじめ、トレジャーハンターのロック、元帝国将軍のセリスなど、それぞれ異なる背景を持つ人物たちが戦いへ身を投じていきます。
ここで『FF6』が少し変わっているのは、特定の一人だけを物語の中心に据えるのではなく、多くの仲間たちを描く「群像劇」に近い構成になっていることです。登場するプレイアブルキャラクターは14人に及び、それぞれに過去や戦う理由があり、物語を進めていく中で少しずつ彼らの人生が見えてきます。
そのため、最初はティナを中心とした物語に見えていても、次第に「誰が主人公なのか」という感覚そのものが薄れていきます。ロックにはロックの物語があり、セリスにはセリスの苦悩がある。それぞれの人物が自分の問題を抱えながら、それでも同じ目的のために集まっていくところに『FF6』ならではの魅力があります。
しかも、ストーリーは単純に「帝国を倒して世界を救う」という流れだけでは終わりません。
途中には物語の前提そのものを大きく揺さぶる展開があり、そこからゲームの雰囲気まで変わっていきます。具体的に書いてしまうと初見で味わってほしい驚きを奪ってしまうので避けますが、『FF6』が発売から長い年月を経ても語られ続けている理由の一つは、この大胆な物語構成にあります。
一方、バトルについてはFFらしい分かりやすさを残しつつ、キャラクターごとの個性がかなり強く出ています。
たとえばティナは「トランス」、ロックは「ぬすむ」、マッシュはコマンド入力による「ひっさつわざ」といった固有能力を持っており、同じ武器で同じように戦わせるのではなく、それぞれの特徴を考えながらパーティーを組む楽しさがあります。
さらに物語が進むと「魔石」が登場し、装備することでキャラクターに魔法を覚えさせられるようになります。
キャラクター固有の能力は残しながら、誰にどんな魔法を習得させるのかはある程度プレイヤー側で決められるため、最初は役割が違ったキャラクターを自分好みに育てていくことも可能です。分かりやすい固有能力と自由度のある育成が共存しているので、RPGでキャラクターを強くしていく過程が好きな人にも噛み合いやすい作りになっています。
そして、今から『FF6』を遊ぶのであれば大きいのがPixel Remasterの存在です。
昔ながらの雰囲気を残したドット絵で遊べるだけでなく、エンカウントや獲得経験値を調整できる機能なども用意されているため、「昔のRPGはレベル上げやランダムエンカウントが大変そう」という人でも触れやすくなっています。オリジナル版そのままの不便さまで受け入れなければ名作を楽しめない、という状況ではありません。
もちろん、最新の3Dゲームに慣れている人なら、最初は画面の古さを感じると思います。ただ、そこを越えて物語へ入り込めれば、キャラクターの表情や仕草を細かく描けないドット絵だからこそ、プレイヤー側の想像で補われる部分もあり、それが『FF6』独特の味になっています。
「昔のFFを一度は遊んでみたいけれど、どれから触ればいいか分からない」という人なら、まず候補に入れてほしい一本です。重厚な物語、個性的な仲間たち、育成する楽しさまで含めて、ドット絵時代のFFがどれほど濃密なRPGを作っていたのかを体験できる作品になっています。
第2位 FF7リメイク|現代のゲームからFFに入りたいなら最有力候補
第3位の『FF6』はドット絵時代を代表する作品でしたが、「昔のゲームに慣れていないし、最初はもっと現代的なFFから入ってみたい」という人もいると思います。そんな人にまず候補として挙げたいのが、第2位の『ファイナルファンタジーVII リメイク』です。
もともとの『FF7』は1997年に初代PlayStationで発売され、シリーズが2Dから3Dへ大きく踏み出した作品でもありました。その世界やキャラクターを現代の技術で再構築したのが『FF7リメイク』で、単純にグラフィックを綺麗にしただけではなく、バトルやマップ、ストーリーの見せ方まで大きく作り直されています。
物語の舞台となるのは、巨大企業「神羅カンパニー」が魔晄エネルギーによって支配する都市ミッドガル。主人公のクラウドは元ソルジャーを名乗る傭兵で、反神羅組織「アバランチ」の作戦に参加したことをきっかけに、バレットやティファ、エアリスといった人物たちと関わりながら、大きな戦いへ巻き込まれていきます。
この作品を初めて見たとき、まず印象に残りやすいのは、やはりキャラクターや街の作り込みです。
クラウドたちの表情や仕草まで細かく描かれているだけでなく、ミッドガルそのものも巨大な都市として作り込まれているので、古いRPGをリメイクした作品というより、一本の現代的な大作RPGとして入りやすくなっています。『FF』という名前は知っているものの、昔のドット絵や初代PlayStation時代の3Dグラフィックには少し抵抗があるという人なら、この時点でかなり手を出しやすいはずです。
そして、『FF7リメイク』がシリーズ初心者にすすめやすいもう一つの理由が、アクションとコマンドバトルを組み合わせた戦闘にあります。
フィールドではクラウドたちを直接操作して攻撃や回避を行いますが、それだけで敵を倒していくわけではありません。戦ってATBゲージを溜めれば、アビリティや魔法、アイテムといったコマンドを選択できるため、昔ながらのFFが持っていた「状況を見て次の一手を考える面白さ」もしっかり残されています。
このバランスが、初めてFFに触れる人にはちょうどいいところなんです。
普段からアクションゲームを遊んでいる人なら、キャラクターを直接動かして敵と戦う部分からすんなり入れますし、逆に激しい操作が得意ではなくても、コマンド選択を交えながら戦うことができます。アクションが苦手な人を意識したモードも用意されているので、「FFに興味はあるけれど、アクションRPGになった最近の作品についていけるか不安」という人でも比較的触りやすくなっています。
さらに、育成ではシリーズを象徴する「マテリア」も登場します。
武器や防具にマテリアを装着することで魔法やさまざまな能力を使えるようになるため、同じキャラクターでも装備するマテリアによって戦い方を変えられます。操作自体は現代的になっていても、装備や能力を組み合わせながら自分なりの戦い方を作るRPGとしての楽しさは薄れていません。
ただし、『FF7リメイク』から始めるのであれば、一つだけ事前に知っておきたいことがあります。
タイトルだけを見ると『FF7』全体を一本のゲームとして作り直したように感じるかもしれませんが、『FF7リメイク』で描かれるのは原作におけるミッドガル脱出まで。物語はこの一本では完結せず、その続きが『ファイナルファンタジーVII リバース』へつながっていく構成になっています。
そのため、「一本のゲームをクリアして綺麗に物語を終えたい」という人にとっては、この点が少し気になるかもしれません。逆に考えると、これからFFを始める人がクラウドたちの物語を追いかけていくには面白いタイミングでもあり、リメイクから入り、そのままリバースへ進んでいく楽しみ方もできます。
もちろん、原作の『FF7』から遊んで違いを楽しむ方法もありますが、シリーズ初心者だからといって先に原作をプレイしなければならないわけではありません。初めて見る人物や出来事だからこそ驚ける場面もあるので、現代的なゲームとしてFFの世界へ入ってみたいなら、最初から『FF7リメイク』を選んでも十分楽しめます。
美しいグラフィックで描かれる世界を歩きたい、アクションもコマンドバトルも両方楽しみたい、そしてFFを代表するクラウドたちの物語に触れてみたい。そんな人にとって、『FF7リメイク』はシリーズへの入口として非常に選びやすい一本です。
第1位 FF10|初めてファイナルファンタジーを遊ぶなら、私はこれをすすめたい
ここまで6作品を紹介してきましたが、「結局、一つだけ選ぶならどのFFから始めればいい?」と聞かれたら、私が最初にすすめたいのは『ファイナルファンタジーX』です。
『FF10』が発売されたのは2001年。すでに20年以上前の作品ではあるものの、シリーズ初心者という視点で考えると、ストーリーの入りやすさ、バトルの分かりやすさ、キャラクターの魅力、そして現在でも遊べる環境まで、最初の一本に欲しい要素がかなり綺麗に揃っています。
物語の主人公は、巨大都市ザナルカンドで活躍していたブリッツボール選手のティーダ。ある出来事をきっかけに見知らぬ世界「スピラ」へ飛ばされた彼は、そこで召喚士のユウナと出会います。
スピラは巨大な魔物「シン」の脅威にさらされており、ユウナはシンを倒すための力を求めて各地を巡礼しています。ティーダは彼女を守るガードとして旅に同行し、ワッカ、ルールー、キマリ、アーロン、リュックといった仲間たちと共にスピラを旅していくことになります。
こうして書くと「世界を脅かす巨大な敵を倒す」という王道RPGの物語に見えるのですが、『FF10』の本当の面白さは、その旅を続けるほど少しずつ見えてくるスピラの事情にあります。
なぜシンは存在するのか。なぜユウナは危険な旅を続けなければならないのか。そして、別の世界からやってきたティーダがなぜこの旅に関わることになったのか。
最初から大量の設定を説明されるのではなく、ティーダ自身もスピラについて何も知らない状態から物語が始まるため、プレイヤーも彼と一緒にこの世界のことを知っていけます。この作りが初見では非常に入りやすく、「FFの知識がないから理解できない」という場面もほとんどありません。
そして、物語の中心にいるのがティーダとユウナです。
明るく感情を表に出すティーダと、自分の使命を受け入れながら旅を続けるユウナ。最初はまったく違う場所で生きてきた二人ですが、一緒に旅を続ける中で少しずつ距離が縮まり、その関係がスピラの運命そのものとも重なっていきます。
『FF10』が今でもストーリーの評価で名前を挙げられやすいのは、単純に「泣けるRPGだから」というだけではないと思います。ティーダとユウナだけでなく、一緒に旅をする仲間たちにもそれぞれの立場や思いがあり、それを知っていくほど旅の意味が変わって見えてくる。その積み重ねが終盤の展開につながるからこそ、最後まで遊んだときに強く残るものがあります。
もちろん、初心者にすすめたい理由はストーリーだけではありません。
『FF10』のバトルには「CTB(カウントタイムバトル)」が採用されており、敵と味方がこれからどの順番で行動するのかを確認しながらコマンドを選べます。リアルタイムで敵が攻撃してくるわけではないので、次に何をするのか自分のペースで考えられるのが大きな特徴です。
たとえば、「次は敵が行動するから回復しておこう」「この敵には魔法が効きそうだからルールーに交代しよう」といった具合に、状況を確認してから一手を選べます。
しかも戦闘中にメンバーを入れ替えられるため、素早い敵にはティーダ、空を飛ぶ敵にはワッカ、硬い敵にはアーロンというように、仲間それぞれの得意分野を使い分けることが重要になります。複雑な操作を覚えなくても、「この敵にはこの仲間が強い」という基本を掴んでいけば自然と戦えるようになるので、RPGに慣れていない人にも理解しやすい仕組みです。
育成に使われる「スフィア盤」は、初めて見ると少し複雑そうに感じるかもしれません。
ただ、基本的には戦闘で成長させながら盤面を進み、HPや攻撃力、魔法などの能力を順番に獲得していく形なので、序盤から完璧に理解する必要はありません。まずは用意されたルートに沿って育てていけばキャラクターの役割に合った能力が身についていき、仕組みを理解した後には別のルートへ進んで育成の幅を広げることもできます。
さらに、初心者という意味ではストーリーの進め方もかなり親切です。
最近のオープンワールドRPGのように、広大なマップへ放り出されて「好きなところへ行ってください」というタイプではなく、基本的にはティーダたちの旅に沿って物語が進んでいきます。そのため、「次はどこへ行けばいいんだろう」と長時間迷うことが少なく、物語の続きが気になったままテンポよく進められます。
自由度の高さを最優先する人には少し窮屈に感じる可能性もありますが、初めてFFを遊ぶ人にとっては、この分かりやすさがむしろ大きなメリットです。
そして現在は『FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster』が展開されており、オリジナル版より高画質になった状態で遊べます。『FF10』のその後を描いた『FF10-2』まで収録されているため、本編をクリアして「もっとこの世界を見たい」と思ったら、そのまま続きを遊べるのも嬉しいところです。
もちろん、『FF10』だけがFFの正解というわけではありません。アクションが好きなら『FF7リメイク』のほうが入りやすいかもしれませんし、ドット絵のRPGが好きなら『FF6』、ファンタジーらしい世界を旅したいなら『FF9』という選択もあります。
それでも、「特に好みは決まっていないから、まず一本遊んでFFがどんなシリーズなのか知りたい」と言われたら、私は『FF10』を選びます。
分かりやすいバトルで仲間と一緒に旅をしながら、少しずつ世界の真実へ近づいていく。そして最後には、その旅そのものが忘れにくい思い出として残る――。
初めて遊ぶ一本だからこそ、FFというシリーズが長く愛されてきた理由まで含めて味わってほしい。そう考えると、『FF10』は今から始める人にも強くすすめられる作品です。
番外編|アクションRPGが好きならFF16から始めるのもアリ
ランキングでは『FF10』を第1位にしましたが、ここまで読んで「ターン制やコマンドバトルより、普段遊んでいるアクションゲームに近いFFのほうがいい」と感じた人もいると思います。
そんな人なら、2023年に発売された『ファイナルファンタジーXVI』からシリーズへ入るのも一つの選択肢です。
というのも、『FF16』は歴代シリーズの中でもアクション要素をかなり強く押し出した作品で、従来のFFを知っている人ほど「ここまで変わったのか」と感じるほど、戦闘の方向性が大きく変化しています。
舞台となるのは、クリスタルの加護を受けながら人々が暮らす世界「ヴァリスゼア」。主人公のクライヴ・ロズフィールドを中心に、召喚獣の力を宿す「ドミナント」や、それぞれの思惑を抱える国家が絡み合いながら物語が進んでいきます。
世界観そのものもかなり重く、明るい冒険活劇というよりは、中世ヨーロッパを思わせるダークファンタジーに近い雰囲気です。
そのため、第1位に挙げた『FF10』とは同じFFでも印象がかなり違います。
『FF10』では仲間の特徴を考えながらコマンドを選び、一手ずつ戦況を組み立てていく面白さがありました。一方の『FF16』では、クライヴを直接操作して攻撃や回避を行い、召喚獣から得たさまざまなアビリティを組み合わせながら敵と戦っていきます。
要するに、「FFを遊ぶならコマンドバトルを覚えなければいけない」という感覚で構える必要がありません。
普段からアクションRPGをよく遊んでいる人なら、むしろ『FF16』のほうが操作の感覚を掴みやすく、そこからFF特有の壮大な物語や召喚獣、魔法といった要素へ入っていける可能性があります。
とはいえ、「アクションが苦手だから自分には無理そう」と、この時点で候補から外す必要もありません。
戦闘をサポートする仕組みが用意されており、アクション操作への負担を抑えながらストーリーを追うこともできます。アクション性を強くした作品ではあるものの、上手に操作できる人だけを対象にした作りではなく、物語を楽しみたい人にも配慮されています。
そして、『FF16』で特に目を引くのが召喚獣を巡る戦いです。
FFシリーズではイフリートやシヴァといった召喚獣が何度も登場してきましたが、本作では召喚獣が単なる強力な攻撃手段ではなく、物語そのものに深く関わっています。召喚獣同士が激突する場面も大きな見せ場になっており、通常の戦闘とはスケールの違う展開を楽しめるのも『FF16』ならではです。
ただ、初めてのFFとして選ぶなら、一つ理解しておきたいところもあります。
『FF16』はシリーズの中でもかなりアクションRPG寄りなので、これを遊んで「FFはこういうゲームなんだ」と考えると、過去作品へ移ったときに驚くかもしれません。『FF6』『FF9』『FF10』などでは戦い方が大きく異なり、同じシリーズでもゲームとしての手触りはかなり変わります。
もっとも、それはFFというシリーズの面白いところでもあります。
作品ごとに世界も主人公も変わり、時代に合わせてバトルシステムまで大胆に作り替えてきたからこそ、『FF10』のようなターン制RPGと『FF16』のようなアクションRPGが同じシリーズの中に存在しています。
昔ながらのFFらしさを体験したいなら、ランキングで紹介した『FF10』や『FF9』のほうが入りやすいと思います。それでも、「まずは今の自分が遊び慣れているゲームに近いところからFFへ入ってみたい」という人なら、『FF16』から始めるのも十分アリです。
特に、ダークファンタジーの重い物語が好きで、派手なアクションや大規模な演出にも惹かれるなら、過去作にこだわらず『FF16』を最初の一本に選んでみるのも面白いと思います。
FF1から順番に遊ぶ必要はある?シリーズ初心者が気になる疑問
ここまでランキングと番外編を紹介してきましたが、初めてFFを遊ぶ人ほど、もう一つ気になることがあると思います。
それが、「いきなりFF10やFF16から始めても、本当に大丈夫なのか?」という疑問です。
ナンバリングが付いている以上、『FF1』から物語が続いていて、『FF2』『FF3』と順番に遊ばなければ理解できないように感じるかもしれません。実際、ほかのゲームシリーズでは過去作を知っていることを前提に続編が作られるケースもあるので、そう考えるのも自然です。
ただ、FFに関しては基本的にその心配はいりません。
『FF1』から『FF16』まで数字こそ連続していますが、それぞれのナンバリングで世界観や主人公、登場人物、物語が独立しています。たとえば『FF9』を遊ぶために『FF8』を知っている必要はありませんし、『FF10』からシリーズに入ったとしても、過去9作品を遊んでいないことが理由でストーリーを理解できなくなるわけではありません。
そのため、初めてFFを遊ぶなら、発売順よりも「自分が面白そうだと思った作品」を優先して問題ありません。
この記事で第1位にした『FF10』の物語が気になるならそこから始めてもいいですし、クラウドやティファを知っていて『FF7リメイク』に興味があるなら、そちらを選ぶのもアリです。昔ながらのドット絵RPGが好きなら『FF6』、ファンタジー色の強い世界を冒険したいなら『FF9』というように、自分の好みを基準に決めたほうが最初の一本を楽しみやすいと思います。
では、シリーズを通して共通するものが何もないのかというと、そういうわけでもありません。
作品ごとに形を変えながら受け継がれている要素があるからこそ、まったく異なる世界を描いていても「FFを遊んでいる」と感じられるシリーズになっています。その違いを楽しめるようになると、一作品をクリアしたあとに別のナンバリングへ移ったとき、「今回はこういうFFなのか」と比較する面白さも出てきます。
むしろ、最初から16作品すべてを遊ぶつもりで構えてしまう必要はありません。
まず気になった一本を遊んでみて、「ほかのFFもやってみたい」と思えたら次へ進む。それを繰り返しているうちにシリーズそのものへ興味が出てきた段階で、初期作品まで遡ってみるくらいがちょうどいいと思います。
現在は『FF1』から『FF6』までをまとめて現代向けにリファインしたPixel Remasterもあり、昔の作品へ触れるハードルも以前より下がっています。オリジナルのドット絵を意識したビジュアルやサウンドを残しながら、エンカウントのオン・オフや獲得経験値の倍率変更といった便利な機能が用意されているため、「昔のRPGは遊びにくそう」という理由だけで避ける必要もなくなってきました。
そして、もし何作品か遊んだあとで「FFがどう進化してきたのかを最初から見てみたい」と思ったなら、そのとき初めて『FF1』から発売順に追いかけるのも面白い遊び方です。
初期作品のシンプルなRPGから始まり、ATBが登場し、スーパーファミコン時代のドット表現が成熟して、PlayStationでは3Dへ移行する。その後もハードの進化に合わせて表現やシステムが変わっていくので、発売順に遊べばゲームシリーズとしての変化そのものを体験できます。
ただし、『FF7』については少し事情が違います。
現在展開されている『FF7リメイク』から続くシリーズは、オリジナル版『FF7』を現代向けにそのまま置き換えただけのものではありません。原作を知っていることで受け取り方が変わる部分もあるため、オリジナル版を先に遊んでからリメイクへ進むのか、それとも何も知らない状態でリメイクから入るのかによって、同じ場面でも感じ方が変わってきます。
とはいえ、ここでも「原作を先に遊ばなければいけない」と難しく考える必要はありません。
FFシリーズは、順番を守ることよりも「この世界を冒険してみたい」「このキャラクターが気になる」と思った作品から飛び込めることが大きな魅力です。最初の一本を選ぶ段階では数字の順番に縛られず、自分が一番ワクワクしたFFから始めてみる。それくらい自由に選んだほうが、シリーズとの最初の出会いとしては楽しめると思います。
まとめ|迷ったらFF10、アクション好きならFF7リメイクから始めてみてほしい
今回は、これからファイナルファンタジーを遊んでみたい人に向けて、最初の一本としておすすめしたい7作品を紹介してきました。
FFは長く続いているシリーズだけに、「今から始めるには作品数が多すぎる」と感じてしまいがちです。ただ、ここまで紹介してきた通り、ナンバリングごとに物語や世界観は基本的に独立しているので、最初からすべてを理解しようとする必要はありません。
だからこそ、最後は自分が何を求めているのかで決めてしまうのが一番です。
「特にこだわりはないけれど、初めてのFFでしっかり物語を楽しみたい」という人なら、私はやはり『FF10』をすすめます。ティーダとユウナを中心とした物語に入りやすく、バトルも行動順を確認しながらじっくり考えられるため、シリーズの知識がなくても比較的すんなり遊び始められます。
一方で、普段からアクションゲームを遊ぶことが多く、昔ながらのコマンドバトルには少し抵抗があるなら、『FF7リメイク』から入るほうが合っているかもしれません。キャラクターを自分で動かして戦うアクション性がありながら、ATBゲージを使ったアビリティや魔法の選択も残されているため、現代的なゲームの遊びやすさとFFらしいRPGの仕組みを両方味わえます。
ほかにも、ドット絵時代の名作に触れてみたいなら『FF6』、ファンタジーらしい世界を仲間たちと冒険したいなら『FF9』、少し変わった育成システムや恋愛を軸にした物語に惹かれるなら『FF8』と、同じシリーズでも選ぶ作品によってかなり違った体験が待っています。
そして、ここがFFというシリーズの面白いところでもあると思います。
一つの作品が合わなかったからといって、「FFそのものが自分には合わない」とは限りません。バトルも違えば世界観も違い、作品によってはゲームのジャンルそのものが変わったように感じるほど方向性に差があります。
逆に、一本遊んで気に入れば、「次は昔のFFも遊んでみよう」「今度はアクション寄りの作品にしてみよう」と、自分の興味に合わせてシリーズを横断していけます。Pixel Remasterによって初期作品にも触れやすくなっているので、最初の一本をきっかけに『FF1』まで遡ってみるのも面白い遊び方です。
何より、これからFFを始める段階で「どれを選ぶのが正解なんだろう」と考えすぎる必要はありません。
ストーリーが気になる、キャラクターが好き、映像が綺麗、戦闘が面白そう――最初の理由はそれくらいで十分です。そこから一本を最後まで遊び、「ほかのFFもやってみたい」と思えたなら、その時点で次の作品を探せばいいと思います。
もし最後まで迷ったなら、まずは『FF10』から始めてみてください。
20年以上前の作品ではありますが、ティーダたちとスピラを旅し、その物語の最後までたどり着いたとき、「ファイナルファンタジーってこういうところがいいんだな」と感じられるものが、今もしっかり残っている一本です。
ゲーム以外でも「物語とキャラクター」を深く楽しみたい人へ
ここまでFFシリーズを紹介してきましたが、振り返ってみると、長く記憶に残る作品にはゲームシステムの面白さだけではない魅力があります。
『FF8』ならスコールとリノア、『FF9』ならジタンやビビたち、そして『FF10』ならティーダとユウナのように、物語を最後まで追いかけたからこそ、そのキャラクター同士の関係まで含めて忘れられなくなることがあります。
私自身、ゲームを楽しむときも、単純にバトルが面白い、グラフィックが綺麗という部分だけではなく、登場人物が何を考えて行動したのか、その関係が物語の中でどう変わっていったのかという部分にはかなり惹かれます。
そんな「キャラクターと物語を掘り下げて楽しむ」という視点から、ゲームとは別ジャンルの作品を扱うレビューサイト「アダルトナラティブ研究所」も運営しています。
こちらでは、二次元作品を中心に、登場人物の関係性やシチュエーション、物語としてどこに魅力があるのかといった部分まで踏み込んで作品を紹介しています。今回の記事とは扱っているジャンルが異なりますが、ストーリーやキャラクター同士の関係を重視して作品を探すことが多い人は、興味があれば覗いてみてください。
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