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『Phantom Blade Zero』は本当に面白いのか?圧倒的アクションの裏に見える期待と不安

『Phantom Blade Zero』は本当に面白いのか?圧倒的アクションの裏に見える期待と不安

はじめに|映像を見ただけで気になってしまう『Phantom Blade Zero』

新作ゲームの映像を見ていると、「これはちょっと触ってみたい」と直感的に思わされる作品がたまにあります。2026年10月29日に発売予定の『Phantom Blade Zero』は、まさにそのタイプのゲームでした。

何より目を引くのが、異様なほど滑らかに動く戦闘アクションです。

敵の攻撃をギリギリで弾き、そのまま懐へ潜り込んで斬撃を叩き込む。武器を持ち替えれば戦い方そのものが変わり、刀だけでなく鎖のような武器まで飛び出してくる。映像を眺めているだけでも「いったい何種類のモーションを作ったんだ」と思ってしまうほど、とにかく動きの密度が高いゲームなんですよね。

しかも、ただエフェクトを派手にして見栄えを良くしているわけではありません。本作には実写アクションの世界で長年キャリアを積んできた谷垣健治氏がアクションディレクターとして参加しており、あの独特な動きには映画で培われた殺陣の考え方が持ち込まれています。トレーラーを見たときに、ほかのアクションゲームとは少し違った印象を受けるのも納得できるところです。

一方で、ここまで映像が格好いいと、逆に気になってくる部分もあります。

「これ、本当に自分で操作しても面白いのか?」

という点です。

最近はトレーラーだけなら驚くほど豪華なゲームも珍しくありませんし、派手なコンボが次々と繰り出されていても、実際に触ってみれば同じボタンを押しているだけだった、という可能性もあります。『Phantom Blade Zero』についても、見た目の複雑さに対して入力自体は意外とシンプルなのではないか、という部分は気になるところです。

さらに、本作を見て「またソウルライクなのでは?」と思った人もいるかもしれません。

暗めの世界観に強敵との一対一、パリィを重視しているように見える戦闘など、そう感じる要素は確かにあります。ただ、実際のシステムを細かく見ていくと、いわゆるソウルライクとは明確に違う部分も多く、むしろ『Devil May Cry』や『NINJA GAIDEN』などに近い、攻めることを重視したアクションゲームとして作られているようです。

そこで今回は、現時点で判明している情報を整理しながら、『Phantom Blade Zero』の何がこれほど魅力的に見えるのか。そして、逆にどこに不安が残っているのかを掘り下げていきます。

映像だけなら間違いなく期待したくなる一本です。あとは、その圧倒的なアクションが「見るだけで格好いいゲーム」で終わるのか、それとも「自分で動かして本当に面白いゲーム」になるのか。発売前の今だからこそ、そのあたりをじっくり考えてみたいと思います。

『Phantom Blade Zero』とはどんなゲームなのか

映像のインパクトが強すぎるせいか、『Phantom Blade Zero』というと高速アクションばかりに目が向きがちです。ただ、ゲーム全体を見てみると、単純に敵を次々と倒していくステージクリア型の作品ではなく、ストーリーや探索まで含めたアクションRPGとして作られています。

まず主人公となるのは、謎の組織「オーダー」に所属していた凄腕の暗殺者・ソウルです。ところが、彼はオーダーのリーダーを殺害したという濡れ衣を着せられ、組織から追われる立場になってしまいます。

さらに逃亡の途中で瀕死の重傷を負い、謎の治療者によって命こそ救われるものの、その治療によって生きられるのは残り66日。つまり本作は、自分を陥れた黒幕を探すだけではなく、残された時間そのものが限られているという状況から物語が始まるわけです。

この設定は、個人的にもかなり気になっています。

単純な復讐劇なら珍しくありませんが、「自分はなぜ濡れ衣を着せられたのか」「オーダーの裏側で何が起きているのか」を追いながら、主人公自身にも死が迫っているとなれば、物語を先へ進める理由としては十分です。アクションが売りのゲームとはいえ、ストーリーにも一本しっかりとした軸が用意されているのは好印象でした。

そして、その物語の舞台となるのが「ファントムワールド」と呼ばれる架空世界です。

全体的には中国武術や東洋的な建築を思わせる雰囲気が強いものの、それだけに寄せているわけではなく、オカルトや民間信仰を思わせる要素まで入り込んでいます。黒を基調とした衣装や薄暗い景色も相まって、いわゆる王道の中華ファンタジーとは少し違った、かなり癖のある世界観になっているんですよね。

開発側では、こうした独自のスタイルを「カンフーパンク」と表現しています。

言葉だけ聞くと少し分かりにくいものの、実際の映像を見ると妙に納得できます。古い武術映画を思わせる剣戟や身のこなしがありながら、現実の中国をそのまま再現した世界ではなく、怪しげな敵や巨大なボス、現実離れした武器まで普通に登場する。このごちゃ混ぜ感こそ、『Phantom Blade Zero』のビジュアルを印象的にしている部分なのかもしれません。

ゲームの進行についても、完全なオープンワールドではなく「セミオープンワールド」が採用されています。広大な一枚のマップを好きな方向へ何十時間も探索するタイプではなく、複数のエリアを移動しながら物語を進め、最初は行けなかった場所が後から解放されていくような構造になっているようです。

ここは、むしろ本作との相性を考えると悪くない選択に感じます。

『Phantom Blade Zero』で一番期待したいのは、やはり高速で展開する戦闘です。そこで巨大なオープンワールドを用意して移動時間まで増やしてしまうより、探索できる余地は残しながら、戦闘やイベントをある程度の密度で配置したほうがゲームとしてはまとまりやすいはずです。

しかも探索中には、ただ走り回るだけではなく、壁走りやロープを使った移動、ステルスキルといったアクションも用意されています。 そのため、「オープンワールドではない=探索要素がほとんどない」という話でもありません。

こうして全体像を見ていくと、『Phantom Blade Zero』はストーリーを追いながら複数のエリアを探索し、その途中で濃密な戦闘を繰り返していくアクションRPGと考えるのが一番近そうです。

そして何より、本作をほかのアクションRPGと明確に差別化しているのが、その戦闘を成立させるために作り込まれた膨大なモーションです。

トレーラーを初めて見たときに「なんだ、この動きは」と感じた人も少なくないと思いますが、あの異様なほど滑らかなアクションには、きちんと理由があります。

一番の見どころは、やはり異常なほど作り込まれたアクション

では、『Phantom Blade Zero』の何がここまで目を引くのか。やはり一番大きいのは、トレーラーを数十秒見ただけでも伝わってくるアクションの作り込みです。

剣を振る、敵の攻撃を受け流す、回避して背後へ回り込む。言葉にしてしまえばアクションゲームでは珍しくない動きなのですが、本作の場合、その一つひとつが妙に生々しいんですよね。

特に印象的なのが、攻撃と攻撃の間にある動きです。敵を斬ったあとに身体をひねって次の一撃へつなげたり、相手の攻撃を弾いた勢いをそのまま反撃へ持っていったりと、単発の技を順番に再生しているというより、最初から一連の殺陣として作られているように見えます。

それもそのはずで、本作のアクションディレクターを務めているのが谷垣健治氏です。

谷垣氏は長年にわたって実写アクションの現場に携わってきた人物で、ドニー・イェンのスタントチームでも活動してきました。つまり、『Phantom Blade Zero』にはゲームだけを見て作られたアクションではなく、実際の映画で「どう動けば格好よく見えるのか」を追求してきた人の感覚が持ち込まれているわけです。

ここは、本作を見るうえでかなり重要だと思っています。

ゲームのアクションを派手にするだけなら、大量のエフェクトを出したり、攻撃速度を上げたり、キャラクターを大きく動かしたりする方法もあります。ただ、それだけでは「派手」にはなっても、必ずしも「格好いい」にはなりません。

『Phantom Blade Zero』の場合は、刀を振ったときの身体の運び方や、攻撃を受け流してから反撃へ移る流れまで含めて見せようとしている。そのため、画面内ではかなり激しいことが起きているのに、キャラクターがただ無茶苦茶に動いているようには見えないんです。

さらに驚かされるのが、これだけ凝った動きを一部の武器だけに用意しているわけではないという点です。

本作にはメイン武器だけでも30種類以上、さらにサブ武器にあたる武装も20種類以上用意され、それぞれ異なる技やモーションを持っているとされています。

普通に考えると、かなり無茶な作り込みです。

武器の数だけ増やしてモーションの一部を使い回すゲームなら珍しくありませんが、『Phantom Blade Zero』では武器によって動きそのものが変わるため、新しい武器を手に入れることが、そのまま新しいアクションを触る楽しさにつながってきます。

刀で素早く斬り込むのか、長い武器を使って間合いを取るのか、それとも特殊な武装を途中に挟むのか。戦闘中には複数の武器を切り替えられるため、プレイヤー側がどんな組み合わせを選ぶかによって、同じ敵との戦いでも見た目はかなり変わってきそうです。

ただ、ここまで読んでいると、「映像が格好いいのは分かった。でも結局、難しいアクションゲームなんじゃないの?」という疑問も出てくると思います。

パリィがあり、巨大なボスがいて、全体的に暗い世界観となれば、どうしても近年のソウルライクを連想します。実際、映像だけを見れば『SEKIRO』あたりに近いゲームだと思ってしまっても不思議ではありません。

ところが、システムを細かく見ていくと、『Phantom Blade Zero』が目指しているアクションは少し違います。

では結局のところ、このゲームはソウルライクなのか。

ここは『Phantom Blade Zero』のゲーム性を理解するうえでも、もう少し掘り下げておきたい部分です。

結局『Phantom Blade Zero』はソウルライクなのか?

先ほど触れたように、『Phantom Blade Zero』の戦闘映像だけを見ると、どうしてもソウルライクを連想します。

強敵との一対一を重視した戦闘があり、敵の攻撃を見極めてパリィを決める場面も多い。世界観も明るいファンタジーとは正反対ですし、巨大なボスと対峙する場面まで出てくれば、「また高難度のソウルライクなのかな」と感じるのも無理はありません。

ただ、実際のシステムを見ていくと、本作はソウルライクの定番からかなり意識的に離れています。

分かりやすいところでは、休憩ポイントを利用しても倒した雑魚敵が復活しません。死亡した際に経験値を落とし、それを回収するためにもう一度同じ場所まで向かうといった仕組みもなく、スタミナゲージによって行動そのものを厳しく制限される作りにもなっていないようです。

このあたりは、一般的なソウルライクを遊んだことがある人ほど違いが分かりやすいと思います。

たとえばソウルライクでは、敵に攻撃したあともスタミナを残し、「あと一発入れたいけど、ここは回避できる分を残しておこう」と考える場面が頻繁にあります。ところが『Phantom Blade Zero』の場合、映像を見る限りでは主人公がかなり激しく動き続けており、攻撃の合間に息切れして立ち止まるような戦い方とは根本的に相性が良くありません。

さらに、難易度が複数用意されている点も大きな違いです。

死んで敵の動きを覚え、何度も挑戦すること自体をゲーム体験の中心に置くというより、プレイヤー自身が自分に合った難易度を選び、そのうえで高速アクションを楽しむ。少なくとも現時点で判明している仕組みを見る限り、こちらの考え方に近いゲームと見たほうが自然です。

では何に近いのかというと、本作が影響を受けたタイトルとして挙げられているのが、『Devil May Cry』『NINJA GAIDEN』『SEKIRO』『仁王』といった作品です。

この並びを見ると、『Phantom Blade Zero』が目指している方向性も少し見えてきます。

『Devil May Cry』のように自分から積極的に攻めていく気持ち良さがあり、『NINJA GAIDEN』のような高速戦闘もある。その一方で、『SEKIRO』を思わせるパリィも重要になっているため、どれか一作品をそのまま踏襲しているというより、それぞれの特徴を組み合わせたアクションを狙っている印象です。

だからこそ、「ソウルライクではない」とだけ聞いて安心するのも少し違う気がします。

敵の攻撃を見極める必要はありますし、パリィや回避を適切に使えなければ苦戦する戦闘にはなりそうです。難易度を選択できるとはいえ、何も考えずに攻撃ボタンを連打して最後まで進めるタイプのゲームとも考えにくいんですよね。

むしろ面白いのは、ソウルライク的な「敵の攻撃を見る面白さ」を残しながら、そこから待ち時間を減らして、もっと攻撃的なゲームにしようとしていることだと思います。

敵が動くまで距離を取って待ち続けるのではなく、自分から攻撃を仕掛け、その最中に飛んできた攻撃を弾き、さらに次の攻撃へつなげていく。トレーラーで戦闘が異様なほど速く見えるのも、この考え方が根底にあるからなのかもしれません。

そして、その攻めと守りを途切れさせないために用意されているのが、『Phantom Blade Zero』独自のリソース管理です。

ここを理解すると、派手なモーションの裏側でプレイヤーが何を考えながら戦うゲームなのか、もう一段具体的に見えてきます。

パリィだけではない。攻め続けるために作られた独自の戦闘システム

では、実際の戦闘では何を考えながら動くことになるのか。ここを見ていくと、『Phantom Blade Zero』が単純に「パリィが気持ちいいゲーム」を目指しているわけではないことが分かってきます。

戦闘の軸になっているのが、攻撃と防御の両方で使用する共通のリソースです。強力な技を使えば消費する一方、敵の攻撃をガードするときにも同じリソースを使うため、好きなだけ攻撃して、危なくなったらひたすら守ればいいという仕組みではありません。

要するに、攻めすぎれば守る余裕がなくなり、反対にガードばかりしていても消耗していく。だからこそ、相手の攻撃をどう処理するのかが重要になってきます。

そこで用意されているのが、敵の攻撃を色によって見分ける仕組みです。

青く光る攻撃はパリィで弾くことができ、成功すれば自分側のリソースを消費せず、逆に相手側のゲージを削れます。つまり、タイミングさえ合わせられれば、パリィそのものが防御であると同時に攻撃にもなるわけです。

一方、赤く光る攻撃については事情が変わります。こちらはガードもパリィも通用しないため、素直に回避しなければなりません。高速で斬り合っている最中でも、青なら弾く、赤なら避けるという判断を瞬間的に挟む必要があり、映像から受ける印象以上に忙しい戦闘になりそうです。

しかも面白いのが、成功したあとに戦闘の流れが止まらないことです。

パリィや特定の回避に成功すると、主人公が一瞬で相手の背後へ回り込む「ゴーストステップ」と呼ばれる動きにつながります。攻撃を避けて距離を取り、そこから改めて近づいて反撃するのではなく、防御に成功した瞬間が、そのまま次の攻撃を始めるきっかけになるんですね。

個人的には、この部分が『Phantom Blade Zero』の戦闘でかなり面白そうに感じています。

アクションゲームでは、攻撃と防御が明確に分かれている作品も少なくありません。自分のターンでは攻撃し、敵が大技のモーションに入ったら距離を取って回避する。もちろん、それはそれで駆け引きになるのですが、本作はできるだけ戦闘のテンポを切らず、その場で攻防をつなげようとしているように見えます。

攻撃している最中に青い予兆が見えたらパリィし、そのまま反撃へ移る。赤い攻撃が来れば回避しつつ背後へ回り込み、再びこちらの攻撃を始める。うまく操作できれば、トレーラーで見せているような「ずっと殺陣が続いている戦闘」を、プレイヤー自身の操作で作れる可能性があります。

そして、この仕組みはボス戦だけの話でもありません。敵側にも同じようにゲージが設定されており、こちらの攻撃やパリィによって削り切ると、相手を無防備な状態へ持ち込めます。

となると、ただHPをゼロにするまで斬り続けるより、「どうやって相手の体勢を崩すか」という駆け引きも戦闘の中に入ってきます。

ここまでなら、『SEKIRO』のようにパリィを中心としたゲームにも見えるかもしれません。ただ、『Phantom Blade Zero』ではそこへ豊富な武器と武器切り替えが加わるため、戦い方の幅はさらに広がります。

特に興味深いのが、メイン武器を切り替えることで、先ほど触れた戦闘リソースを回復できるという仕組みです。ひとつの武器で攻撃してリソースを使い切ったら、そこで守りに入るのではなく別の武器へ持ち替え、さらに攻撃を続けられるようになっています。

つまり本作では、パリィも回避も武器切り替えも、それぞれ独立したシステムとして置かれているわけではありません。

すべてが「どうすれば攻撃の流れを止めずに戦えるのか」という方向へつながっている。

そう考えると、あれだけトレーラーの戦闘が激しく動き続けていることにも納得できます。

そして、この戦闘をさらに面白くする可能性を持っているのが、先ほど少し触れた武器の多さです。単純に攻撃力の違う武器を集めるのではなく、一本ごとに異なるアクションが用意されているのであれば、どの武器を組み合わせるかによって戦闘そのものがかなり変わってくるはずです。

50種類以上の武器と専用モーションはかなり期待できる

ここまで戦闘システムを見てきましたが、その面白さを大きく左右しそうなのが武器の存在です。

『Phantom Blade Zero』では、主人公が同時に装備できるのはメイン武器2つとサブ武器にあたる武装2つの合計4つ。しかも、これらは戦闘中でも自由に切り替えられるため、最初からひとつの武器だけで最後まで戦うようなゲームではありません。

さらに驚くのが、その種類です。

メイン武器だけで30種類以上、サブ武器まで含めれば20種類以上が用意されており、単純計算でも50種類を超えます。アクションRPGで武器が50種類以上あること自体はそこまで珍しくありませんが、本作で注目したいのは、武器ごとに異なる技やモーションが用意されている点です。

ここはかなり期待したくなる部分なんですよね。

よくあるアクションRPGでは、「炎属性の刀」「攻撃力が高い刀」「クリティカル率が上がる刀」のように性能こそ違っていても、実際に振ってみればモーションはほとんど同じというケースがあります。それでも装備更新の楽しさは生まれますが、戦っているときの感覚まで大きく変わるわけではありません。

一方、『Phantom Blade Zero』では、新しい武器を手に入れること自体が新しいアクションを覚えることにつながってきます。

今まで使っていた武器とは間合いも違えば、攻撃のつながり方も変わる。そこへサブ武器まで組み合わせるとなれば、「攻撃力が5%高いからこちらを使う」といった数値だけの装備選びではなく、純粋に自分が動かして気持ちいい武器を探す楽しさが生まれそうです。

そして、先ほど触れた戦闘リソースの仕組みがあることで、武器を切り替える意味もしっかり用意されています。

メイン武器を変更すると戦闘で使用するリソースが回復するため、ひとつの武器で攻め続けて残量が少なくなったところで別の武器へ切り替え、そこからさらに攻撃を継続できます。つまり、「この敵にはこの武器が有効だから持ち替える」というだけではなく、武器を切り替える行為そのものが戦闘の流れに組み込まれているんです。

これがうまく機能すれば、かなり気持ちのいい戦闘になりそうです。

一方の武器でコンボを叩き込み、リソースが減ってきたところで別の武器へ切り替える。そのまま攻撃をつなげ、敵の反撃が来ればパリィや回避で受け流して再びこちらのターンへ持っていく。先ほど紹介した戦闘システムまで含めると、本作が目指している「攻撃を途切れさせない」という方向性が、ここでも一貫していることが分かります。

さらに武器には、それぞれ専用の強化要素も用意されているようです。

すべての武器が一括で強くなるのではなく、武器ごとに独自の強化ルートを持ち、使い込んだものを個別に成長させていく仕組みになっています。 50種類以上をただ集めて終わるのではなく、気に入った武器を見つけて育てていく遊びも期待できそうです。

ただ、ここまで武器とモーションを増やすとなると、少し気になることもあります。

50種類以上ある武器のどれを使っても本当に違った手触りを感じられるのか。それとも、見た目のモーションこそ違うものの、実際にプレイすると似たような感覚に落ち着くのか。このあたりは、最終的に触ってみなければ分かりません。

それでも、少なくとも現時点で見えている方向性としては、武器の多さを単なる収集要素で終わらせるつもりではなさそうです。

むしろ「どの武器で戦うか」「どのタイミングで切り替えるか」まで含めて、あの高速戦闘を組み立てる。その狙い通りに仕上がっているのであれば、武器を変えるたびに新鮮な感覚で遊べるアクションゲームになる可能性があります。

ただ、『Phantom Blade Zero』は戦闘だけを延々と繰り返すゲームでもありません。

物語を進めるためには各地を探索することになりますが、そこで採用されているのが完全なオープンワールドではなく、複数のエリアをつないでいくセミオープンワールドという構造です。この選択もまた、戦闘を最大の魅力としている本作には意外と合っているのかもしれません。

オープンワールドではないからこそ、アクションに集中できそう

武器を切り替えながら高速で戦うことが『Phantom Blade Zero』の大きな魅力になりそうですが、もうひとつ気になるのが、その戦闘をどんなフィールドで楽しむことになるのかという点です。

最近の大作アクションRPGというと、広大なフィールドを自由に歩き回れるオープンワールドを想像する人も多いと思います。ただ、『Phantom Blade Zero』は完全なオープンワールドではなく、複数のエリアをつないだセミオープンワールドという構造を採用しています。

先行プレイの印象としても、巨大なフィールドへ放り出されて好きな方向へ何時間でも進めるというより、ある程度進む方向が決められたエリアを探索していく感覚に近いようです。通路によって各エリアがつながり、ゲームを進めることで最初は入れなかった場所が解放されていく。そう考えると、「セミオープンワールド」という言葉から想像するより、実際にはかなりコンパクトな作りになるのかもしれません。

ここは人によって好みが分かれそうですが、個人的には『Phantom Blade Zero』なら無理にオープンワールドにしなくてもいいと思っています。

というのも、このゲームを見て「広大な世界を自由に旅したい」と感じた人より、「あの戦闘を早く自分で動かしてみたい」と感じた人のほうが多いはずなんですよね。

それなら、マップの広さそのものを売りにするより、敵との戦闘や探索、イベントをある程度まとまった密度で配置したほうが、本作の良さは出しやすくなります。せっかく戦闘が面白くても、次の敵に出会うまで広い平原を何分も移動する時間が続いてしまえば、どうしてもテンポは落ちてしまいます。

特に『Phantom Blade Zero』の場合、戦闘そのものがかなりスピーディーです。

パリィから反撃へつなげ、赤い攻撃を回避したらそのまま背後へ回り込み、武器を持ち替えてさらにコンボを続ける。そこまでテンポ良く動くゲームだからこそ、フィールド側まで必要以上に広げるより、「探索していたら何かを見つけた」「その先で強敵と遭遇した」と短い間隔で展開が変わったほうが気持ち良く遊べそうです。

もちろん、だからといって探索がおまけ程度に扱われているわけでもありません。

フィールドには隠しアイテムや収集要素が用意されているほか、移動そのものにも壁走りやロープを使ったアクロバティックなアクションが取り入れられています。さらに、状況によっては敵へ気づかれないように接近してステルスキルを狙うこともできるようです。

このあたりを見ると、本作の探索は「広い場所を歩かせること」よりも、「狭い場所でもどう動かせるか」を意識しているように感じます。

壁を走って別の足場へ移ったり、ロープを使って一気に距離を詰めたり、そのまま敵へ奇襲を仕掛けたりできるのであれば、移動と戦闘が完全に切り離されることもありません。トレーラーで見せている主人公の身軽さを戦闘だけに限定せず、フィールド上でも使わせようとしているわけです。

また、最初は行けなかった場所が後から解放される構造なら、一度通ったエリアを再探索する意味も出てきます。

ただし、ここについては現時点で過度に期待しないほうがよさそうです。どこまで寄り道できるのか、探索によってどれほど重要な装備やイベントを発見できるのかまでは、今回の情報だけでは見えてきません。

そのため、『ELDEN RING』のように「遠くに見える場所へ実際に行ってみる」ことを期待すると、思っていたゲームとは違う可能性があります。逆に、『Phantom Blade Zero』に求めているものが濃密な戦闘とテンポの良いゲーム進行なら、セミオープンワールドという選択はむしろプラスに働きそうです。

ここまで戦闘、武器、探索と見てくると、少なくとも目指している方向性にはかなり期待できます。

ただ、それでもまだ一つ、大きな疑問が残ります。

あれだけ複雑に見える戦闘を、実際にはどこまで自分で操作しているのか。

『Phantom Blade Zero』が本当に面白いアクションゲームになるのかを考えるなら、ここは避けて通れないところです。

ただし「見た目ほど戦闘は深くない」という可能性は気になる

ここまで『Phantom Blade Zero』の戦闘についてかなり期待できる部分を見てきましたが、それでも発売前の段階でひとつ気になっていることがあります。

それが、あれだけ派手で複雑に見えるアクションと、実際にプレイヤーが要求される操作の複雑さが、本当に一致しているのかという点です。

トレーラーでは、主人公が敵の攻撃を弾いた直後に斬り返し、そのまま身体を回転させながら別の攻撃へつなげ、さらに武器を切り替えて次の動作へ移っています。見ている側としては、「こんな動きを自分で入力できるのか」と思ってしまうほど、とにかく情報量が多いんですよね。

ところが、実際の操作については、見た目ほど複雑ではない可能性があります。

ひとつのボタン入力から複数のモーションが自然につながるように作られているのであれば、プレイヤー側としては比較的シンプルな操作でも、画面上では映画の殺陣のような戦いを繰り広げられます。アクションゲームが苦手な人でも格好いい戦闘を楽しめるという意味では、むしろ大きな長所になり得る部分です。

ただ、アクションゲームをやり込む人からすると、評価は少し変わってくるかもしれません。

最初は「こんなコンボまで出せるのか」と感動していても、それがボタンを数回押すだけで毎回ほぼ同じように発動するのであれば、慣れてきた頃には自分で動かしている感覚が薄くなる可能性があります。

ここはかなり難しいところです。

操作を複雑にしすぎれば、せっかく用意した大量のモーションを一部のプレイヤーしか使えなくなります。一方で簡単に出せるようにしすぎると、今度は「見ている分には凄いけれど、遊んでみると意外と単調」という評価につながりかねません。

『Phantom Blade Zero』がどちらに転ぶのかは、現時点ではまだ判断できない部分です。

もちろん、先ほど紹介したパリィや回避、戦闘リソース、武器切り替えまで考えると、ただ攻撃ボタンを連打していれば終わるゲームには見えません。青い攻撃ならパリィ、赤い攻撃なら回避という判断が必要になり、攻撃と防御で同じリソースを使う以上、敵の動きを無視して一方的に殴り続けることも難しそうです。

だからこそ個人的に気になるのは、基本操作の難しさよりも、上手くなったときにどれだけ戦い方が変わるのかというところです。

最初は攻撃、パリィ、回避を覚えるだけでも精いっぱいだったものが、慣れてくると武器切り替えを挟みながらリソースを維持し、敵の攻撃まで利用してコンボを伸ばせるようになる。そこまでプレイヤー側の上達を感じられるのであれば、操作そのものが比較的シンプルでも問題ありません。

反対に、序盤から終盤まで同じ入力を繰り返しているだけで、それでも画面上では勝手に派手な殺陣が展開されるのであれば、見た目ほど奥行きのある戦闘にはならないはずです。

もうひとつ、映像を見ていて少し気になったのが攻撃したときの手応えです。

モーションそのものは驚くほど滑らかな一方で、斬撃が敵へ入った瞬間のヒットストップはそれほど強く見えず、攻撃がかなり軽快に流れていく場面もあります。文字起こし内でも、攻撃が当たったときの感覚やヒットストップの弱さについて気になるという反応が出ています。

もちろん、これは実際にコントローラーを握ったときの振動や効果音まで含めなければ判断できません。

それでもアクションゲームでは、「敵に攻撃が当たった」という感覚が気持ち良さに直結します。モーションが滑らかだからこそ、攻撃までスルスルと抜けてしまうのか、それとも実際に触ればきちんと一撃の重さを感じられるのか。この部分も発売後の評価を左右しそうです。

要するに、『Phantom Blade Zero』には現時点でも「見れば分かる凄さ」がかなりあります。

膨大なモーション、武器の種類、パリィと回避を組み合わせた高速戦闘。このあたりは映像だけでも十分伝わってきます。

一方で、本当に重要な**「触ったときに面白いのか」だけは、映像では判断しきれません。**

だからこそ、本作については発売前に体験版を出してほしいという気持ちがかなり強いです。

ここが実際に触って納得できる仕上がりになっているなら、『Phantom Blade Zero』は単に映像が凄い新作では終わらないはずです。

ただ、本作を評価するうえでもうひとつ忘れてはいけないのが、これほど大規模な作品を作っているS-GAMEにとって、本格的なコンソール向けタイトルとして大きな挑戦になるということです。映像から伝わってくる期待値が高いからこそ、最後までそのクオリティを維持できているのかという不安も残っています。

新規IPとしては異例の期待作。それでも発売されるまで油断できない

ここまで見てきた戦闘システムが狙い通りに機能するなら、『Phantom Blade Zero』はかなり面白いアクションゲームになる可能性があります。

実際、本作に向けられている期待は決して小さくありません。Steamのウィッシュリストは162万に達しているとされており、S-GAMEにとって本格的なコンソール向け作品として大きな挑戦になることを考えても、かなり注目されているタイトルだと分かります。

これだけ期待されるのも、映像を見れば納得できる部分があります。

滑らかなモーションを生かした高速戦闘があり、メイン武器だけでも30種類以上、そこへ20種類以上のサブ武器まで用意されている。さらに、セミオープンワールドのフィールドを探索しながら、残された66日間で自分を陥れた黒幕を追うストーリーまで組み合わされています。

少なくとも「どこに力を入れているのか分からないゲーム」ではありません。

特にアクションについては、実写映画の殺陣をゲームへ持ち込み、パリィや回避、武器切り替えを組み合わせながら、とにかく攻撃の流れを止めない戦闘を目指している。その方向性はかなりはっきりしています。

そのうえ、本編をクリアしたら終わりというわけでもなく、クリア後にはボスラッシュやローグライク系のモード、さらにフレンドと挑戦できる協力プレイ要素まで用意されるとされています。本編だけなら20~30時間程度が想定されているようですが、戦闘そのものが面白ければ、クリア後まで含めてかなり遊べるゲームになりそうです。

となると、「かなり期待できる新作」と言いたくなるのですが、ここで少し冷静に見ておきたい部分もあります。

S-GAMEは、もともと2010年に創業者が制作した作品からシリーズを展開し、その後はスマートフォン向けタイトルなどを手掛けてきたスタジオです。今回の『Phantom Blade Zero』は、その流れから一気に規模を拡大したコンソール向けタイトルになります。

だからこそ気になるのが、今見えている映像のクオリティを一本のゲームとして最後まで維持できるのかというところです。

数分間のトレーラーで凄い映像を見せることと、20~30時間遊ぶゲームとして完成させることは、当然ながら同じではありません。

50種類以上ある武器にどこまで個性を持たせられるのか。豊富なモーションを用意しながら、敵との駆け引きまで単調にならずに作れるのか。セミオープンワールドの探索に、寄り道したくなるだけの意味を持たせられるのか。さらにボス戦や育成、クリア後のやり込みまで含めると、かなり多くの要素を成立させる必要があります。

しかも、ここまで映像が良いこと自体が、ある意味では本作のハードルを上げています。

初めてトレーラーを見た段階で「この戦闘を自分で動かせるのか」と期待してしまう以上、実際に発売されたゲームが少しでもそこへ届かなければ、反動で厳しく評価される可能性があります。特に先ほど触れた「見た目は複雑なのに操作してみると浅い」という印象を持たれてしまえば、本作最大の武器であるアクションそのものが弱点になりかねません。

逆に言えば、そこさえ乗り越えれば一気に評価されてもおかしくない作品です。

新規IPだからこそシリーズ作品のような安心感はないものの、「前作とあまり変わらない」といった制約もありません。あれだけ大量のモーションを作り、実写アクションの考え方まで取り込み、独自の戦闘システムを組み立てていることからも、少なくとも無難な作品を作ろうとしていないことは伝わってきます。

だから今の段階では、神ゲーになると断言するよりも、**「かなり期待している。ただし、実際に触るまではまだ信用しきれない」**くらいが一番しっくりきます。

映像が凄いからこそ、その映像に自分の操作がきちんと追いついているのかを確かめたい。派手なコンボを眺めるゲームではなく、自分が上手くなることで、あの殺陣を作り出せるゲームになっているのかを知りたいんです。

発売前の現時点でこれだけ「実際に触って確かめたい」と思わせてくる時点で、新規IPとしては十分に成功しているとも感じます。

あとは2026年10月29日の発売を迎えたとき、映像を見て抱いた期待がそのままゲームとしての面白さにつながっているのか。最終的には、そこに尽きると思います。

まとめ|『Phantom Blade Zero』は久々に発売日が待ち遠しいアクションゲーム

ここまで『Phantom Blade Zero』について見てきましたが、現時点での印象をひと言でまとめるなら、期待しているからこそ、実際に触ったときの感触がものすごく気になるゲームです。

まず、映像から伝わってくるインパクトは文句なしに強いと思います。

実写アクションの考え方を取り入れた膨大なモーションがあり、パリィと回避を使い分けながら敵と高速で斬り合う。さらに30種類以上のメイン武器と20種類以上のサブ武器が用意され、戦闘中の武器切り替えまで攻撃を継続するためのシステムとして組み込まれています。

これだけでも、アクションゲームが好きなら気になってしまう要素は十分に揃っています。

しかも、いわゆるソウルライクの定番をそのまま踏襲しているわけではありません。休憩ポイントを使っても倒した敵は復活せず、死亡時に経験値を落として回収へ向かう仕組みもない。スタミナによって行動を厳しく縛るのではなく、もっと自由に動き回りながら攻撃を続ける方向へ振られています。

個人的には、ここがかなり楽しみなところです。

近年は強敵との緊張感ある戦闘を売りにしたアクションRPGというだけで、どうしてもソウルライクに近い作品が増えています。その面白さ自体を否定するつもりはありませんが、そろそろ違った方向からアクションの気持ち良さを追求する大作が出てきてもいいと思っていました。

その点、『Phantom Blade Zero』は敵の攻撃を慎重に待つというより、自分から懐へ飛び込み、攻撃されればその場で弾き、避けたらすぐに反撃する。武器を切り替えながら攻撃をつなげていくことまで含めて、とにかく戦闘を止めないゲームを目指しているように見えます。

一方で、何度も触れてきたように、不安がなくなったわけではありません。

あれだけ複雑に見えるコンボを、プレイヤー自身がどこまで操作しているのか。50種類以上ある武器に、本当に使い分けたくなるだけの違いが生まれているのか。そして何より、数分間のトレーラーで感じた凄さを20~30時間の本編でも維持できるのか。

ここは発売されるまで分からない部分がかなり残っています。

特に『Phantom Blade Zero』の場合、映像の完成度が高いだけに、「グラフィックとモーションは凄かったけれど、遊んでみると意外と普通だった」という結果になってしまうのが一番怖いところです。逆に、操作するほど武器やシステムへの理解が深まり、自分の上達に合わせて映像のような殺陣を作れるようになるのであれば、一気に評価が変わる可能性もあります。

だからこそ、今の段階では神ゲーになるとも、見た目だけのゲームとも決めつけたくありません。

ただ、発売前の新規IPを見ていて、ここまで「早く自分で動かして確かめたい」と感じる作品はそう多くないんですよね。

残り66日という期限を背負ったソウルの物語、独特なカンフーパンクの世界、セミオープンワールドの探索、そして何より、ほかのゲームではなかなか見られない密度で作られた高速アクション。少なくとも、『Phantom Blade Zero』にしかないものはすでに見えています。

あとは、それらが一本のゲームとしてきれいにつながっているかどうかです。

2026年10月29日に実際にコントローラーを握ったとき、トレーラーを初めて見たときの「これ、めちゃくちゃ面白そうだな」という感覚が、そのまま「やっぱり面白かった」に変わるのか。

久しぶりに、その答えを発売日まで待つこと自体が楽しみなアクションゲームです。

ゲームとは少し違う“大人向け作品”のレビューも書いています

ここまで『Phantom Blade Zero』について紹介してきましたが、最後に少しだけ別サイトについても触れておきます。

普段このブログではゲームを中心に扱っていますが、別サイトではジャンルを分けて、成人向けの二次元作品を対象に、ストーリーやキャラクターの描かれ方を掘り下げたレビューも書いています。

ゲームとは扱っている作品そのものが異なるものの、「なぜこの物語に引き込まれるのか」「キャラクターの関係性がどう変化していくのか」といった部分をじっくり見ていく点では、こちらの記事にも通じるところがあります。

特に、作品を選ぶときに絵柄や知名度だけではなく、物語やキャラクター設定まで含めて知りたい人には、ひとつの読み物として楽しんでもらえるかもしれません。

なお、リンク先は本ブログとは対象年齢の異なるコンテンツを扱っています。

成人向け作品を専門に扱うサイトとなるため、興味のある18歳以上の方のみご覧ください。

二次元作品のレビューサイト「アダルトナラティブ研究所」

※リンク先には成人向けコンテンツが含まれます。

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