『EXODUS-エクソダス-』を最初に見たときは、壮大な宇宙を舞台にしたSFアクションRPGという印象が強く、正直なところ「映像はすごそうだけど、ゲームとしてはどうなんだろう」と感じていました。
ところが、実際に1時間ほどプレイしてみると、その印象はかなり変わります。
本作は三人称視点のシューティングを軸にしたシングルプレイ専用のアクションRPGで、開発を担当するのはArchetype Entertainment。スタジオとしては『EXODUS』がデビュー作になるものの、開発チームには過去に数々のRPGを手掛けてきた元BioWareのベテランをはじめ、豊富な経験を持つクリエイターが集まっています。
実際に触ってみても、銃を撃ったときのレスポンスやキャラクターを動かした感覚は思っていた以上に軽快で、SFの世界観だけを売りにした作品ではありません。敵の攻撃を避けながら射撃し、特殊なアビリティや仲間の能力まで組み合わせて突破口を作るため、戦闘にもきちんと考える余地が用意されています。
ただ、『EXODUS』に惹かれた一番の理由は戦闘ではありませんでした。
舞台となるのは、人類が地球を離れてから約4万年が経過した遥かな未来。人類は宇宙へ進出しているものの、この世界では便利なワープで好きな星へ一瞬で移動できるわけではなく、遠く離れた場所へ向かえば、それだけ途方もない時間の隔たりが生まれます。
そこで物語の根幹に置かれているのが、光速に近い速度で移動すると、旅をしている人と残された人との間で時間の進み方に差が生まれる「浦島効果」です。
主人公にとっては数日、あるいは数週間の旅だったとしても、故郷へ帰ってみれば何年、何十年という時間が過ぎている。そして恐ろしいのは、単純に登場人物が歳を取っているだけではなく、旅立つ前に自分が下した選択まで、その長い年月を経た結果として返ってくるところにあります。
あのとき助けた人物は、その後どうなったのか。逆に見捨てた人物や勢力の存在によって、数十年後の世界はどう変わってしまったのか。
普通のRPGなら数時間後に返ってきそうな選択の結果を、『EXODUS』では何十年という時間そのものが増幅させます。
つまり、プレイヤーが戦う相手は目の前にいる敵だけではありません。
自分では止めることのできない「時間」そのものが、もう一つの敵になっています。
実際に1時間遊んだ範囲では、この仕組みの核心まで体験できたわけではありません。それでも戦闘の手触りやSF世界の作り込みに触れたうえで、この「時間と選択」が本格的に動き始めたらどうなるのかと考えると、かなり気になる一本になりました。
むしろ『EXODUS』が本当に面白いRPGになるかどうかは、この仕組みをどこまで物語とゲームプレイへ落とし込めるかにかかっていると思います。だからこそ、現時点では完成形を見ていないにもかかわらず、**「これは期待したくなる」**という感覚が強く残っています。
数日の旅から帰ったら数十年後…「浦島効果」がゲームそのものになっている
『EXODUS-エクソダス-』を語るうえで、やはり外せないのが「浦島効果」です。
言葉だけ聞くと難しいSF設定にも感じますが、仕組み自体はそこまで複雑ではありません。光の速さに近い速度で宇宙を移動すると、旅をしている人と、その場所に残っている人では時間の進み方に差が生まれます。主人公にとって数日しか経っていなくても、帰還したころには何年、場合によっては何十年もの歳月が流れているわけです。
SF作品では決して珍しくない題材ですが、『EXODUS』が面白いのは、これを世界観の説明だけで終わらせていないところにあります。
本作の世界には、別の星へ一瞬で移動できる便利なワープが存在せず、光速を超える移動や通信もできません。そのため、遠く離れた星へ向かうには光速に近い速度で長い距離を移動する必要があり、そこで発生する時間のズレから逃げられない仕組みになっています。
そして主人公が大きな旅へ出れば、その瞬間から時間は容赦なく進んでいきます。
たとえば、ある人物を助けてから別の星へ向かったとします。主人公としては少し旅をして戻ってきた感覚でも、その人物が暮らしていた場所ではすでに数十年が経過しているかもしれません。
その間に助けた人物が何をしたのか。その行動によって周囲の人々はどう変わり、街や勢力がどんな歴史を歩んだのか。反対に、誰かを見捨てたことで本来起こるはずだった出来事そのものが失われている可能性もあります。
実際、旅から帰還したあとの世界では、それ以前に下した選択の結果によって新しいミッションやストーリーが生まれる一方、二度と体験できなくなるものもあるとされています。
ここが普通の選択型RPGとは少し違います。
選択肢によって直後の会話が変わったり、終盤の展開が分岐したりするゲームなら珍しくありません。ただ、『EXODUS』の場合は**「選択したあとに何十年もの時間を経過させる」**ことで、その結果をさらに大きくしようとしています。
しかも、都合が悪いからといって簡単に元の場所へ戻れるわけでもありません。戻るためにも同じように長距離を移動する必要があり、その間にも残された世界の時間は進み続けます。
そう考えると、「ちょっと戻って確認してから決めよう」というRPGではおなじみの感覚そのものが通用しなくなる可能性があります。
さらに興味深いのが、この時間経過をプレイヤー側で自由に調整できないことです。
開発途中ではカレンダーのような仕組みを用意し、時間の経過を細かく管理できる案も検討されていたそうですが、それでは『EXODUS』が描こうとしているものから外れてしまうため採用されなかったとされています。
時間はプレイヤーにとって便利なシステムではなく、自分が下した選択の影響を何倍にも膨らませて返してくる、コントロールできない存在として扱われています。
この考え方が個人的にはかなり面白く感じました。
どれだけ強い武器を手に入れても、どれだけ主人公を成長させても、過ぎてしまった数十年を撃ち倒すことはできません。自分が宇宙を旅している間にも誰かは歳を取り、文明は変化し、以前と同じ世界には戻れなくなっていく。
だからこそ、『EXODUS』における「時間が敵になる」という言葉は、単なるキャッチコピーではありません。
自分で選択することはできても、その選択が長い時間の中で何を生み出すのかまでは支配できない。
この仕組みが本当にゲーム全体を通して機能するのであれば、『EXODUS』は「選択によってストーリーが変わるRPG」から、さらに一歩踏み込んだ作品になりそうです。
正解が分からない選択肢が面白い!数十年後まで影響する可能性も
時間を自由に巻き戻せず、自分が旅をしている間にも世界が変わり続ける。そんな『EXODUS-エクソダス-』だからこそ、もう一つ重要になってくるのが「何を選ぶのか」という部分です。
本作では会話中にも頻繁に選択肢が現れ、プレイヤー自身が相手にどう接するのかを決めていきます。
たとえば、必要なアイテムを持っている人物と出会った場合、お金を払って普通に取引することもできれば、主人公のアビリティを利用して強引に奪い取ることも可能です。
これだけなら善人になるか悪人になるかを選ぶシステムにも見えますが、『EXODUS』ではもう少し複雑な価値観が用意されています。
その基準になるのが「パラディン」と「イモータル」です。
パラディンは人間らしい美徳を重視する考え方で、イモータルはセレスティアルに近い野心や、より大きな視点から物事を見る価値観。ただし、パラディンを選べば正義、イモータルなら悪という単純な区別にはなっていません。
ここがなかなか悩ましいところです。
目の前に困っている一人の人間がいたとして、その人を救うことだけを考えれば答えは簡単かもしれません。しかし、その選択によって大勢の人が危険にさらされると分かっていたら、それでも同じ判断ができるのか。
反対に、より大きな目的を達成するために一人を切り捨てたとして、それを単純に「悪い選択だった」と言い切れるのか。
しかも、この判断が主人公の考え方を示すだけで終わらず、キャラクターの成長や解放される能力にも影響していきます。つまり、物語上のロールプレイとゲームとしての成長要素が切り離されているのではなく、自分がどんな人物として行動してきたのかが、そのまま主人公の形を作っていくわけです。
実際にプレイした範囲でも、少し判断に迷う場面がありました。
敵対する勢力に所属している負傷者と遭遇したとき、その人物を倒してしまうこともできれば、貴重なアイテムを渡して助けることもできます。当然ながら敵側の人間なので、主人公にとって助けなければならない明確な理由があるわけではありません。
それでも、実際に目の前で話をされると「敵だから倒せばいい」と簡単には割り切れなくなります。
自分ならどうするかを少し考えた結果、今回は助ける選択をしました。ただ、その人物が数十年後に何をしているのか、そもそも今回の判断が後々まで残るほど重要なものなのかは、この時点では分かりません。
それでも、選択肢を前にして一度手が止まったということ自体、RPGとしてはかなり大切な部分だと感じます。
さらに本作では、プレイヤーの判断によって会話が少し変化するだけではなく、ミッションの結末や仲間との関係に影響したり、その後に発生するはずだったミッションが解放されたり、逆に受けられなくなったりするケースまで用意されています。
そして、『EXODUS』には先ほど触れた「時間」があります。
選択した直後なら小さな変化にしか見えなかったものが、主人公のいない数十年間で積み重なり、帰ってきたころにはまったく別の結果へつながっているかもしれません。
助けた一人が後に大きな勢力を作る可能性もあれば、善意で行った判断が思いもしなかった問題を残すことだって考えられます。
もちろん、すべての小さな選択がそこまで大規模に変化するとは限らず、実際にどの程度まで物語が分岐するのかは製品版を遊んでみなければ分からない部分です。
ただ、**「どちらが正解なのか分からない選択」と「その結果を何十年も先まで進める時間」**が組み合わさっていることには、かなり惹かれました。
選んだ瞬間では、その判断が正しかったのか分からない。そして宇宙から帰ってきたとき、自分が作ってしまった未来を初めて目の当たりにする。
『EXODUS』の選択が怖くも面白く感じるのは、まさにそこだと思います。
戦闘はかなり歯応えあり!銃だけでは押し切れないTPS
選択と時間の組み合わせは『EXODUS-エクソダス-』ならではの魅力ですが、RPGとして長時間遊ぶことを考えると、やはり戦闘そのものが面白いのかも気になるところです。
実際に触ってみると、戦闘の基本は三人称視点のカバーシューティングになっていました。遮蔽物を利用しながら敵を狙い、状況に応じて武器を切り替えていくので、最初は比較的オーソドックスなTPSにも感じます。
ただ、しばらく戦っていると、銃を撃っているだけでは簡単に押し切れないことが分かってきました。
特に厄介だったのがシールドを構えた敵で、正面から何発撃ち込んでも思うようにダメージが通りません。そこで敵の防御を崩すアビリティを使い、体勢が崩れたところへ銃撃を重ねると一気に攻めやすくなります。
ほかにも敵をダウンさせる能力や、自分をステルス状態にするものなど、戦闘で使えるアビリティはかなり豊富です。武器についてもアサルトライフル系からセミオート系、ショットガン系まで用意されており、銃とアビリティをどう組み合わせるかによって立ち回りが変化します。
このあたりは最初こそ使えるものが多くて少し戸惑ったものの、仕組みが分かってくると面白さが見えてきました。
というのも、敵側もこちらが安全な場所から撃ち続けることを許してくれません。
遮蔽物を越えて距離を詰めてくる敵がいるうえ、上からミサイルのような攻撃まで飛んできます。そのため、一度安全な場所を確保したからといって、そこでじっと撃ち続けていれば勝てるわけではありません。ローリングで攻撃を避けながら場所を変え、次にどこから攻めるかを考える必要があります。
さらに、弾薬の消費も思っていたより早く感じました。
敵自体が硬めなので、何も考えず撃ち続けていると弾が減り、リロードが必要になります。当然、その瞬間はこちらが無防備になるため、敵に距離を詰められると一気に苦しくなる。結果として「同じ場所に隠れたまま撃ち続ける」という戦い方がしにくくなっていました。
今回のデモは操作に慣れていない人でも遊べるよう難易度が少し抑えられていたようですが、それでも何度か倒されています。敵の耐久力も攻撃力もそれなりに高く、少なくとも触った範囲では、雰囲気を楽しみながら適当に撃っていれば突破できるタイプではありませんでした。
そこで重要になるのが仲間です。
仲間にもそれぞれクールタイムのある能力が用意されているため、自分の武器とアビリティだけを見るのではなく、仲間に何をさせるかまで含めて戦闘を組み立てていきます。
敵の注意を引いてもらっている間に自分が動くのか、特殊能力で敵の防御を崩してから一気に攻めるのか。武器、アビリティ、仲間、そして自分の立ち位置をどう噛み合わせるかという部分には、思っていた以上に考える余地がありました。
その一方で、操作そのものは重たくありません。
銃の切り替えやキャラクターの反応はかなり素直で、狙って撃つというTPSの基本部分にも大きなストレスは感じませんでした。SF RPGというと世界観やストーリーに力を入れる代わりに、アクション部分は少し大味という作品もありますが、少なくとも今回触った『EXODUS』にはその印象がありません。
また、主人公の能力は戦闘だけに使うものでもなく、探索ではグラップリングを利用して移動したり、アビリティで進路を作ったりする場面も用意されています。寄り道した先でスキルポイントが手に入ることもあるため、ステージを一直線に進んで戦闘を繰り返すだけの構成ではなさそうです。
もちろん、1時間程度のプレイだけで戦闘システム全体の奥深さまで判断することはできません。
それでも、銃撃のレスポンスが良く、アビリティを使う意味があり、さらに仲間との連携まで考える必要がある。この基本部分がしっかり作られていたのは好印象でした。
壮大なSF設定や「時間」という仕組みに目を奪われやすい作品ですが、その世界を実際に冒険するためのアクション部分も、きちんとゲームとして楽しめそうだったというのが、実際に触ってみて感じた部分です。
実際に遊んだから気になった部分もある
ここまで戦闘についてはかなり好印象だったものの、実際に触ったからこそ「ここは製品版でもう少し良くなってほしい」と感じた部分もありました。
特に気になったのが、ボスクラスの敵と戦ったときのターゲッティングです。
『EXODUS-エクソダス-』には仲間がいるため、敵の注意を引きつけてもらい、その隙に自分がステルス状態になって背後へ回るといった連携もできます。通常の戦闘では武器やアビリティと仲間の能力を組み合わせる面白さがあるだけに、ボス戦でも同じように立ち回りを考えたくなるところです。
ところが、今回戦ったボスはかなり執拗に主人公を狙ってくる印象がありました。
仲間が近くにいても攻撃はこちらへ集中しやすく、距離を取って隠れても上からミサイルのような攻撃が飛んできます。せっかく仲間と一緒に戦っているのであれば、誰が敵の注意を引きつけるのかまで含めて戦術を組み立てられると、戦闘の幅はさらに広がりそうです。
もちろん、これは開発途中のデモを1時間ほど遊んだ段階での感触なので、製品版でも同じ仕様になるとは限りません。それでも、通常戦闘の手触りが良かったぶん、ボス戦で仲間との連携がどこまで機能するのかは気になりました。
もう一つ、現時点では評価しきれない大きな部分があります。
それが、『EXODUS』最大の特徴でもある「時間の遅れ」です。
今回のプレイでは会話中の選択肢や戦闘、探索などは実際に確認できましたが、宇宙へ旅立ったあと数十年が経過し、自分の選択によって変化した世界へ帰ってくるという、本作の核心までは体験できていません。
ここはかなり重要だと思います。
どれだけ選択肢が豊富でも、旅から戻ったときに登場人物が歳を取っていたり、会話が少し変わったりする程度で終わってしまえば、「浦島効果をゲームにする」という設定の面白さを十分に活かしきれません。
反対に、以前助けた人物の行動が数十年後の社会を変えていたり、一つの判断から新しい勢力が生まれていたり、かつて訪れた場所そのものが別の姿になっていたりすれば、話は大きく変わってきます。
実際、本作ではプレイヤーの判断によってミッションの結末や仲間との関係が変わるだけでなく、後のミッションが発生したり、逆に受けられなくなったりする仕組みも用意されています。
だからこそ、気になるのは「分岐があるかどうか」ではなく、数十年という時間を挟むことで、その分岐をどこまで大きく感じさせてくれるのかという部分です。
しかも『EXODUS』では、時間経過をプレイヤーが自由に操作することもできません。宇宙へ旅立てば、自分が戻ってくるまでにも世界は変わり続けます。
そうなると、一度選んだ結果を簡単に確認して、気に入らなければ別の選択を試すという遊び方とは相性がかなり違ってきます。
「あのとき別の選択をしていたら、数十年後はどうなっていたんだろう」
そんな後悔まで含めてプレイヤー自身の体験にできるのであれば、『EXODUS』の選択システムはかなり印象に残るものになりそうです。
戦闘については、細かく気になるところこそあったものの、銃撃のレスポンスやアビリティを絡めた立ち回りなど、基本となる部分には手応えを感じました。
だからこそ、最終的な評価を大きく左右しそうなのは、むしろまだ十分に触れられていない部分です。
自分が選んだことを何十年後の世界がどう受け止め、その結果をどんな形で突きつけてくるのか。
『EXODUS』が単に「よくできたSFアクションRPG」で終わるのか、それともほかでは味わえない作品になるのか。その境目は、この時間と選択の仕組みにあると感じています。
『EXODUS-エクソダス-』はSF RPG好きなら追いかけたい一本
気になる部分は残っているものの、1時間ほど実際に遊んだ時点で『EXODUS-エクソダス-』への期待はかなり高まりました。
とくに印象に残ったのは、壮大な宇宙を用意して終わりではなく、SFならではの設定をゲームの仕組みそのものへ落とし込もうとしているところです。
そもそも本作の世界では、人類はすでに地球を離れ、約4万年という途方もない時間を生き延びています。その間に人類より遥かに進化したセレスティアルが誕生し、主人公たちは宇宙における圧倒的な強者ではなく、むしろ厳しい立場から生き残るために戦っていきます。
知性を持った動物たちが存在し、宇宙ステーションを運営する種族がいたり、メカに乗った賞金稼ぎが登場したりと、実際に歩いているだけでも「この宇宙にはまだ知らないものが大量にありそうだ」と感じられる世界になっていました。
こうした世界観が単なる背景設定で終わっていないのも、本作に期待している理由の一つです。
『EXODUS』の世界観構築にはSF作家のピーター・F・ハミルトンが初期段階から関わっており、この世界をさらに掘り下げる小説まで作られています。つまり、「浦島効果を使ったら面白そう」というアイデアだけを出発点にしたのではなく、その物理法則の中で人類や文明がどう変化するのかまで考えながら世界を組み立てているわけです。
実際にプレイしていても、その作り込みは細かなところから感じられました。
道中には寄り道できる場所があり、そこで過去に起きた出来事の痕跡や誰かが残したメッセージを見つけられます。目的地へ向かって戦闘を繰り返すだけではなく、自分から少し横道へ入ることで、この場所で何が起きたのかを知れる作りになっているのは、世界観を重視するRPGとして素直に嬉しいところでした。
音楽についても印象が強く、オーケストラを思わせる壮大さの中に重い低音が入り、広大な宇宙を旅している感覚をかなり盛り上げてくれます。戦闘の手触りだけではなく、探索や音まで含めてSF世界へ入り込ませようとしているため、1時間という短いプレイでも作品全体の方向性は十分に感じられました。
そして何より、やはり気になるのは「時間」です。
宇宙へ出発すると、自分にとってはわずかな時間しか経っていないのに、残してきた世界では何十年もの歳月が流れている。その間に人は歳を取り、社会は変わり、自分が下した判断も思わぬ方向へ転がっているかもしれません。
しかもプレイヤーは、その時間を都合よく止めることができない。
強い敵なら装備やアビリティを工夫して倒せますが、過ぎてしまった時間にはどんな武器も通用しません。宇宙へ旅立つという行為そのものに取り返しのつかなさを持たせているのが、『EXODUS』の面白いところだと思います。
もちろん、現時点で「間違いなく傑作になる」とまでは言えません。
今回触れた範囲では戦闘や探索の基本部分はよくできていましたが、本作最大の特徴である時間の遅れが、ゲーム全体を通してどれほど大きな変化を生み出すのかまでは確認できていないからです。
ただ、それを差し引いても、実際に遊んでみて期待が下がる作品ではありませんでした。
むしろ、銃撃やアビリティを組み合わせる戦闘がしっかり楽しめたからこそ、その先に待っている選択と時間の仕組みを自分で体験したくなっています。
数十年後の世界へ帰ってきたとき、自分の選択を後悔するのか。それとも、あのとき選んだことは間違っていなかったと思えるのか。
そこまでプレイヤー自身に考えさせるRPGになっているなら、『EXODUS-エクソダス-』はかなり記憶に残る作品になりそうです。
少なくともSFの世界観を眺めるだけではなく、その世界のルールに振り回されながら物語を選んでいくRPGが好きなら、発売まで追いかけておきたい一本だと感じました。
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