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【ゲームの隠し要素】クリアしたと思ったらまだ終わってない!本編以上に衝撃だったクリア後要素10選

【ゲームの隠し要素】クリアしたと思ったらまだ終わってない!本編以上に衝撃だったクリア後要素10選

クリアした瞬間に世界が豹変する『スーパーマリオブラザーズ』の2周目

ゲームをクリアしてエンディングまで見届ければ、「これで終わり」と思ってしまうのが普通です。ところが初代『スーパーマリオブラザーズ』には、そんなプレイヤーの感覚をひっくり返すような仕掛けが用意されていました。ワールド8-4でクッパを倒し、ピーチ姫を救出したあと、そのままもう一度ゲームを始めると挑戦できる2周目です。

ただ、もう一度同じステージを最初から遊ぶだけなら、ここまで印象的な隠し要素にはならなかったと思います。実際に2周目へ入ってみると、最初に気づく大きな変化が敵の配置です。1周目では序盤から登場していたクリボーがメットへ置き換えられ、上から踏んでもそのまま倒せなくなっています。さらに敵の移動速度まで上がっているため、「一度クリアしたゲームだから楽勝」と考えていると、ワールド1の段階から思わぬ苦戦を強いられることになります。

しかも、変わっているのは敵だけではありません。一部のコースでは後半に登場した高難度の構成が使われ、足場となるリフトまで短くなるなど、1周目で身につけた感覚だけでは簡単に突破できないように調整されています。見慣れたはずのステージなのに、実際に操作してみると何かがおかしい。この「知っているゲームが突然牙をむく」感覚こそ、2周目ならではの面白さだったのではないでしょうか。

そして何より驚かされるのは、『スーパーマリオブラザーズ』が発売されたのが1985年だということです。当時は現在のようにクリアデータを保存して、その後に追加コンテンツをじっくり遊ぶ仕組みが当たり前だった時代ではありません。それでもエンディングを迎えたプレイヤーに対して、「まだ遊び足りないなら、今度はもっと難しい世界をどうぞ」と言わんばかりの挑戦が用意されていました。

一度エンディングを見たからこそ、その先に何かがあるとは思わない。そんなプレイヤーの油断を利用して、同じゲームをまったく違った表情で遊ばせる――今では珍しくなくなった「クリア後のやり込み要素」という発想が、ファミコン初期の作品ですでに形になっていたと考えると、この2周目は単なる高難度モード以上に興味深い隠し要素です。

無限地獄を抜けても終わらない『妖怪ウォッチ2』のあやとりさま

『スーパーマリオブラザーズ』がクリア後にもう一度同じ世界を高難度で遊ばせる作品だったのに対して、『妖怪ウォッチ2』では少し違った形で「エンディングの先」が用意されています。本編をクリアすると挑戦できるようになるのが、その名前からして穏やかではない「無限地獄」。ところが、実際に足を踏み入れてみると、ここを攻略することさえクリア後のやり込みにおける最終目標ではありません。

無限地獄は複数の階層から構成されたクリア後ダンジョンで、第8階層に待つボスを倒すと、さらに「アミダ極楽」という場所へ進めるようになります。普通なら無限地獄を最後まで突破したところで「これで裏ダンジョンも攻略した」と満足してしまいそうですが、そこからもう一段階先を用意しているのが本作の面白いところ。しかも、「極楽」という名前から受ける印象とは正反対に、その奥には生半可な育成では通用しない強敵が待っています。

その相手こそ「あやとりさま」です。『妖怪ウォッチ2』では、戦闘に参加する妖怪をサークル上で動かし、前衛の3体を状況に応じて入れ替えることが重要になります。しかし、あやとりさまは「眼絡繰糸」という技で、この入れ替え自体を封じてくるのが厄介なところです。相性の悪い妖怪が前に出ていても簡単には交代できず、その状態で全体への混乱や連続行動にも対応しなければなりません。普段の戦闘で頼ってきた立ち回りそのものを崩してくる相手になっています。

さらに、攻撃を仕掛けてくる複数の目玉にも対処する必要があり、とくに左右の目は先ほど触れた入れ替え封じにも関わっています。つまり、ただ火力の高い妖怪を並べて正面から押し切ればいいわけではなく、行動を制限された状態で「どこから崩していくか」まで考えなくてはいけません。レベル99まで育てたSランクの妖怪を揃えていても勝利が約束されないほどの相手となれば、本編を終えたばかりの感覚で挑んで苦戦するのも無理はないところです。

本編をクリアし、その後に待つ無限地獄まで突破して、ようやくたどり着いた極楽で待っているのが作中屈指の強敵――。こうして振り返ると、『妖怪ウォッチ2』のクリア後要素が印象に残る理由は、単に強い裏ボスが配置されているからではありません。「まだ先があるのか」と思わせる構造を何度も重ねながら、最後にそれまで培ってきた戦い方まで試してくる。この徹底した作り込みがあるからこそ、あやとりさまはクリア後に待つ最後の壁として強烈な存在感を残しているのだと思います。

殿堂入りした者だけが入れる『ポケットモンスター 赤・緑』ハナダのどうくつ

クリア後に待っているものが、とてつもなく強いボスだけとは限りません。『ポケットモンスター 赤・緑』では、四天王を倒して殿堂入りを果たしたことで、それまで入ることさえ許されなかった場所がひっそりと開放されます。それが、ハナダシティの近くに存在する「ハナダのどうくつ」です。本編を進めるうえでは一度も立ち寄る必要がなく、殿堂入りするまでは入口を塞がれているため、まさにクリアしたプレイヤーだけに用意された場所でした。

実際に中へ入ってみると、そこまで冒険してきたフィールドとは明らかに雰囲気が違います。道中に出現する野生のポケモンからしてレベルが非常に高く、中にはレベル67で登場するものまでいるほど。四天王を倒した直後なら十分に育っているはずの手持ちでも油断できず、「殿堂入りしたからもう敵はいない」という感覚を一度リセットされるような場所になっています。

そして、その危険な洞窟を最深部まで進んだ先で待っているのが、レベル70のミュウツーです。当時の野生ポケモンとしては最も高いレベルで登場し、ジムリーダーや四天王との戦いを終えたあとに、誰とも関わらず洞窟の奥で待っている。この配置だけでも、ほかのポケモンとは明らかに違う存在だと感じさせるには十分だったと思います。

ただ、ミュウツーという存在をさらに印象深くしているのが、そこへ至るまでの情報がハナダのどうくつですべて説明されるわけではない点です。冒険中に訪れるポケモンやしきには日記が残されており、そこでは南米ギアナの奥地で新種のポケモンが発見されたこと、そのポケモンがミュウと名付けられたこと、さらにミュウが子どもを産み、生まれた存在がミュウツーと呼ばれたことなどが断片的に記されています。やがて日記は「強すぎて手に負えない」という内容へとつながっていきました。

ここが初代『ポケットモンスター』のクリア後要素で、とくに面白いところです。本編ではポケモンリーグを制覇してチャンピオンになることが大きな目標として置かれている一方、その旅の途中で何気なく目にした記録の答えが、エンディングのさらに向こう側に隠されています。すべてを丁寧に説明するのではなく、「あの日記に書かれていた存在は、もしかしてこいつなのか」とプレイヤー自身に結び付けさせる作りになっているわけです。

強敵と戦うためだけの裏ダンジョンではなく、本編で残されていた謎の先まで自分の足で確かめに行ける場所だったからこそ、ハナダのどうくつとミュウツーは強く記憶に残ります。殿堂入りという大きな目標を達成したあと、それまで見えていなかった世界の裏側が少しだけ開く――そんな「クリア後だからこそ味わえる冒険」を、初代『ポケットモンスター』はしっかり用意していたのです。

クリア後のさらに奥にいる『星のカービィ ロボボプラネット』星の夢.Soul OS

ミュウツーのようにエンディング後の世界を探索することで出会える存在もいれば、「そこまでやり込んだ人にしか戦わせない」と言わんばかりの条件が設定された裏ボスもいます。『星のカービィ ロボボプラネット』に登場する「星の夢.Soul OS」は、まさに後者を象徴するような存在です。

まず、本編を一度クリアしただけでは星の夢.Soul OSには会えません。エンディング後に解放されるボスとの連戦モードに加えて、メタナイトを操作する別モードも攻略し、その両方をクリアしてようやく新たな勝ち抜きボスバトルへ挑戦できるようになります。つまり、本編を終えた時点ではまだ入口にも立っておらず、クリア後に用意された遊びをさらに二つ乗り越えて、ようやく挑戦への道が開く仕組みです。

そして、その勝ち抜き戦を進んだ最後に待っているのが星の夢.Soul OSなのですが、ここまで来たプレイヤーに対して簡単に勝たせるつもりはありません。戦闘が始まると、それまでの横スクロールアクションから奥行きのある3Dシューティングへと大きく姿を変え、第3形態までその戦いが続きます。裏ボスだから攻撃力や体力を高くしたという程度ではなく、戦いそのものの見せ方まで変えてくるのが印象的です。

ようやく第4形態へ入ると通常の戦闘へ戻りますが、そこで舞台となるのは星の夢の内部。周囲に現れる柱のコアを破壊しながら奥へ進み、その先にあるハート型の本体へ迫っていくことになります。しかも柱の数は3本、4本、6本と増えていき、最終戦だけでも10分近くかかる場合があるほどの長丁場です。

厳しいのは、それだけの相手と万全の状態で戦えるわけではないことです。星の夢.Soul OSだけを選んで挑戦するのではなく、そこへ到達するまでに歴代のボスを次々と倒していかなければならず、途中で受けられる回復も限られています。連戦で少しずつ体力を削られた状態から、最後に長時間の戦闘を突破しなければならないため、単体のボス攻略とはまた違った緊張感が生まれます。

こうして条件を追っていくと、星の夢.Soul OSが単なる「本編より強いボス」として置かれているわけではないことが見えてきます。本編をクリアし、そこで解放されたモードも遊び尽くし、さらにボス連戦を勝ち抜いてきたプレイヤーだからこそ、その最後に戦える相手になっているのです。

エンディングを見たところで終わらず、その後のやり込みを重ねるほど、さらに深い場所へゲームが続いていく。ここまで到達したプレイヤーにとって星の夢.Soul OSとの戦いは、クリア後に追加された一戦というより、『星のカービィ ロボボプラネット』を本当に遊び尽くしたかどうかを問われる最後の試練に近い存在だったのではないかと思います。

エンディングだけでは姿すら見えない『ドンキーコング リターンズ』黄金のしんでん

ここまで紹介してきた作品にも厳しい条件はありましたが、『ドンキーコング リターンズ』の場合は少し方向性が違います。本編をクリアしただけでは隠しステージに挑戦できないどころか、その場所自体がマップに現れません。ワールド8のボスを倒してエンディングを迎えても、まだやるべきことが大量に残されています。

目指すことになるのは「黄金のしんでん」と呼ばれる場所ですが、そこへ行くためには各ワールドに隠されたコースをすべて攻略しなければなりません。さらに、その隠しコースを出現させるには、通常ステージに配置された「K・O・N・G」の4枚のパネルを集める必要があります。しかも、一度取ったパネルを少しずつ集めればいいわけではなく、4枚すべてを1回のプレイ中に回収しなければならないという条件付きです。

当然、ステージを普通にゴールするのと、途中に隠されたパネルを探しながら最後まで突破するのとでは難しさが変わってきます。ようやくKONGパネルを揃えて隠しコースを出現させても、それで終わりではありません。今度は各ワールドに用意された高難度の隠しコースを攻略し、そこで手に入るオーブを8個すべて集める必要があります。つまり、本編クリア→収集要素のコンプリート→隠しコース攻略と段階を踏んで、ようやく黄金のしんでんが姿を現すわけです。

これだけでも十分に大掛かりなやり込み要素ですが、『ドンキーコング リターンズ』はそこで終わらせてくれません。苦労してたどり着いた黄金のしんでんをクリアすると、さらに「ミラーモード」が解放されます。ようやく隠し要素の最深部まで来たと思ったところで、その先に新しい遊び方が待っている。この徹底ぶりには、「まだあるのか」と驚かされた人も少なくなかったはずです。

しかも、本作は通常ステージの時点から決して簡単なゲームではありません。その中でKONGパネルを集め、隠しコースまで攻略し、8個のオーブを揃えるとなれば、エンディングを見ることと黄金のしんでんへ到達することにはかなり大きな隔たりがあります。言い換えれば、ストーリーを最後まで進めたプレイヤーと、本作を隅々まで遊び込んだプレイヤーとで、見える景色そのものが違っていたとも言えます。

だからこそ、黄金のしんでんは単なる「クリア後に追加された1ステージ」と考えると、その存在を少し過小評価してしまうかもしれません。普通なら見落としてしまう場所まで探索し、各ステージに散りばめられた要素を回収し、高難度のコースまで突破したプレイヤーだけが最後にたどり着ける場所になっています。

エンディングを迎えればゲームそのものはクリアできる。それでも、「このゲームを本当に遊び尽くしたい」と思った人には、その先にまだ長い道のりが残されている――。『ドンキーコング リターンズ』の黄金のしんでんは、そんなやり込みそのものをご褒美へ変えたクリア後要素として、かなり贅沢な作りになっていました。

数々の強敵を越えた先に待つ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』ミラボレアス

黄金のしんでんが収集とステージ攻略を重ねた先に待つ場所だったのに対して、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』では、強敵との戦いを乗り越えたハンターにさらなる試練が用意されています。その相手が、シリーズを代表する伝説的なモンスターの一体「ミラボレアス」です。

もちろん、アイスボーンのストーリーをクリアしてエンディングを見れば、すぐに挑戦できるわけではありません。そこから特別任務を進め、アルバトリオンという強敵を討伐し、さらに別の任務を突破して、ようやくミラボレアスへつながる道が開きます。本編のラスボスを倒したところがゴールではなく、その後も強敵を越え続けたハンターだけがたどり着ける相手として配置されているのです。

そして、実際に戦う舞台となるのが「シュレイド城」。シリーズを長く遊んできた人なら、この場所を見ただけで特別な戦いが始まることを感じたかもしれません。しかもクエストの制限時間は30分しかなく、どれだけ慎重に立ち回っていても、時間内に倒し切れなければ失敗となります。単純に生き残るだけでは足りず、強烈な攻撃をかわしながら、こちらも積極的にダメージを与えていかなければならない戦いになっています。

ただ、ミラボレアスがクリア後の相手として強烈な印象を残す理由は、その難易度だけではありません。作中では情報そのものが秘匿されるほどの存在として扱われ、一般のハンターにとっては、本当に実在するのかさえ分からない伝説に近いモンスターとして語られています。つまり、そこら中を歩き回っている強力なモンスターとは最初から立ち位置が違い、「名前だけは知っているが、本当にいるのか分からない」という特別な存在感を持たされているわけです。

この設定は、シリーズを現実に遊んできたプレイヤーの記憶とも重なります。2004年に発売された初代『モンスターハンター』でもミラボレアスはオンラインで出会うモンスターとして登場しており、誰もが普通にストーリーを進めれば戦える相手ではありませんでした。作品世界の中だけでなく、プレイヤー側から見ても長く特別な存在として扱われてきたことが、ミラボレアスというモンスターの重みにつながっています。

さらに興味深いのが、『アイスボーン』の開発当初から登場が決まっていたわけではなかったという点です。シリーズ15周年に向けて過去の資料を見直す中で新たなCGが制作され、それに対するプレイヤーの反響が大きかったことが、最終的な登場につながったとされています。長年にわたって特別視されてきたモンスターが、ファンから寄せられた反応もきっかけとなって再び姿を現したという流れまで含めると、この復活にはかなり特別なものを感じます。

だからこそ、ミラボレアスがアイスボーンの奥深くに置かれていることにも意味があります。本編を終え、その後も装備を整えながら強敵へ挑み続け、アルバトリオンさえ越えてきたハンターが最後に対峙するのは、シリーズの中で長く伝説として扱われてきた存在でした。

ただ強いモンスターを追加して終わるのではなく、そこへたどり着くまでの過程とシリーズを通して積み重ねられてきた背景まで含めて、最後の大きな壁として成立させる。「クリア後だからこそ戦える相手」にこれほどふさわしい存在もなかなかいないと感じさせるのが、『アイスボーン』におけるミラボレアスです。

リメイクされるたび“クリア後”が拡張された『ドラゴンクエストIII』

ミラボレアスのように長いシリーズの歴史を背負ってクリア後に登場した存在がいる一方で、作品そのものが移植・リメイクされる中で、「エンディングの先」が少しずつ作られていったゲームもあります。その代表として挙げたいのが『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』です。

今では『ドラクエ』と聞けば、ラスボスを倒したあとに裏ダンジョンや裏ボスへ挑む流れを思い浮かべる人もいると思います。ただ、1988年に発売されたファミコン版『ドラゴンクエストIII』には、そうしたクリア後専用の場所が用意されていませんでした。大魔王ゾーマを倒して物語を最後まで見届ければ、そこで冒険は一区切り。本当に「エンディングがゲームの終わり」だったわけです。

そこに大きな変化が加わったのが、1996年に発売されたスーパーファミコン版でした。このリメイクでは、エンディングへ到達した冒険の書でなければ入れない隠しダンジョンが追加されます。つまり、ゾーマを倒してロトの称号を得ることがゲームの最終地点ではなく、その先へ進むための条件にもなったということです。

しかも、隠しダンジョンの奥で待っている「しんりゅう」は、ただ倒せば終わりという相手でもありません。決められたターン数以内に撃破すると願いを叶えてもらえるのですが、一度条件を達成したあとも、さらに短いターン数での撃破が求められていきます。レベルを上げて何とか一度勝てば終了ではなく、パーティー構成や装備、攻撃の組み立てまで突き詰めながら「どれだけ効率よく倒せるか」に挑戦できる仕掛けになっていました。

ここまででもファミコン版にはなかった大きな追加要素ですが、『ドラゴンクエストIII』の場合はさらに先があります。ゲームボーイカラー版では、しんりゅうとの戦いを越えたプレイヤーに対して、もう一段奥へ進む仕掛けが追加されました。しんりゅうに願いを叶えてもらうのではなく、あえて別の選択をすることで「氷の洞窟」へ進めるようになり、その最深部には新たな裏ボス「グランドラゴーン」が待っています。

こうして並べてみると面白いもので、同じ『ドラゴンクエストIII』でも、どのバージョンを遊んだかによって「どこまでが冒険なのか」が変わっています。ファミコン版ではゾーマを倒したところで終わっていたものが、スーパーファミコン版ではその先に隠しダンジョンとしんりゅうが加わり、ゲームボーイカラー版になると、さらに奥へ新たなダンジョンと裏ボスが置かれました。

最初から巨大なクリア後コンテンツが完成していたのではなく、時代を重ねるたびにエンディングの向こう側へ新しい冒険が付け足されていく。一度完成したはずのゲームなのに、リメイクされるたび「まだ終わりではない」とゴール地点が後ろへ伸びていったという意味でも、『ドラゴンクエストIII』は少し変わった形でクリア後要素を発展させてきた作品と言えます。

すべてを自力で突破した者だけが戦える『スプラトゥーン2』心のなかの3号

『ドラゴンクエストIII』ではリメイクを重ねるたびにクリア後の世界が広がっていきましたが、『スプラトゥーン2』には少し違った意味で「最後までやり込んだ人」だけに用意された相手がいます。追加コンテンツ「オクト・エキスパンション」に登場する、隠しボスの「心のなかの3号」です。

そもそもオクト・エキスパンションは、地下鉄を乗り継ぎながらさまざまなステージへ挑戦し、地上を目指していく1人用のコンテンツになっています。ただ、すべてのプレイヤーが順調に攻略できる難易度ではないため、どうしても突破できないステージについては救済措置を利用して先へ進むことも可能です。ここまでは、難しい場所で詰まってゲームそのものを諦めなくてもいいように考えられた仕組みと言えます。

ところが、「心のなかの3号」と戦いたいなら話が変わってきます。救済措置を使って突破したステージが残っている場合、あとから戻って自力でクリアし直さなければなりません。つまり、ストーリーを最後まで進めたという結果だけでは足りず、すべてのステージを自分の力で乗り越えた記録そのものが求められるわけです。

さらに、攻略を進める際に利用した借金もすべて返済する必要があります。この二つの条件を満たして初めて、拠点となっていた駅のホームにあるロッカーから隠された戦いへ進めるようになります。それまで何度も行き来していた場所に入口がありながら、条件を満たすまでは何も起こらないという見せ方も面白いところ。突然どこかに新しいダンジョンが出現するのではなく、「ずっと目の前にあった場所の意味が変わる」という仕掛けになっています。

そこで待っている心のなかの3号は、もちろん簡単に勝たせてくれる相手ではありません。耐久力が高いだけでなく、こちらの動きに対応しながら戦ってくるため、ここまでのステージで身につけてきた操作や判断を改めて試されることになります。難しいステージを一つも飛ばさず、自分の力で攻略してきたプレイヤーの最後に置かれているからこそ、この強さにも納得できるものがあります。

そして、苦労して倒したあとに手に入る報酬が「金のつまようじ」というのも、『スプラトゥーン』らしいところです。圧倒的な性能を持つ武器がもらえるわけではなく、金色の装飾が付いた頭用のギアが残るだけ。それでも、その装備を身につけていること自体が「すべてを自力で突破し、心のなかの3号にも勝った」という証明になります。

ここまで考えると、心のなかの3号は単にクリア後へ配置された高難度ボスというより、プレイヤーに対する最後の実力試験と考えたほうがしっくりきます。途中で救済措置を利用すること自体は否定せず、まずは物語の最後まで進ませてくれる。それでも、その先にある特別な一戦へ挑みたいなら、飛ばしてきた課題も含めて自分の力で乗り越えてきてほしい。

エンディングを見たかどうかではなく、「そこへ至るまでに何を成し遂げたか」をゲーム側が確認したうえで最後の扉を開く。そんな条件が設定されているからこそ、心のなかの3号との戦いは、オクト・エキスパンションを本当の意味で遊び切ったプレイヤーだけが味わえる隠し要素になっています。

開発中の“ミス”から生まれた『ゼルダの伝説』裏ゼルダ

心のなかの3号は、プレイヤーが積み重ねてきた実力を最後に試すような隠し要素でした。一方、初代『ゼルダの伝説』に用意されたクリア後要素は、難易度の高さもさることながら、そもそもなぜこれほど大掛かりなものが作られたのかという誕生の経緯まで含めて面白い存在です。それが、通称「裏ゼルダ」と呼ばれるもう一つの冒険でした。

一度ガノンを倒してエンディングを迎えると、そのセーブデータは2周目へ移行します。ただ、ここで始まるのは敵が少し強くなった程度の周回プレイではありません。ダンジョンの配置から内部構造、そこに用意された仕掛けまで変化しており、同じフィールドを歩いているはずなのに、1周目で覚えた攻略法がそのまま通用しなくなっています。

これがかなり大胆な作りで、普通なら一度ゲームをクリアしたプレイヤーには、それまで得た知識や経験という大きなアドバンテージがあります。どこにダンジョンがあり、中へ入ったらどう進めばいいのかも分かっているため、2周目はどうしても答えを知った状態での冒険になりがちです。ところが裏ゼルダでは、その「もう知っている」という感覚そのものを崩してきます。同じ世界なのに何かが違い、もう一度手探りで探索し直さなければならない。この仕掛けによって、一度遊んだ世界を再利用しながら、新しい冒険として成立させていました。

そして興味深いのが、この裏ゼルダが最初から計画されていたものではなく、開発中の思わぬ出来事から生まれたとされている点です。当時は限られた容量の中へできるだけ多くのダンジョンを収めるため、マップをパズルのように組み合わせながら制作していました。ところが作業が進んだ段階で、用意されていたデータ領域の半分しか使われていなかったことが判明します。

普通に考えれば、そこで設計をやり直して本来予定していた形へ修正するところかもしれません。しかし、残った領域を利用してクリア済みのプレイヤー向けに高難度のもう一つの世界を作るという方向へ発想が切り替えられます。その結果として誕生したのが、裏ゼルダだったというわけです。

さらに、この経緯について後年のインタビューでは、当時の出来事がなければ裏ゼルダは生まれていなかったという趣旨の話まで語られています。開発途中なら修正されて消えてしまってもおかしくなかった出来事が、逆に一本分とも感じられる新しい冒険へ変わったと考えると、ゲーム開発の面白さを感じるエピソードでもあります。

しかも、裏ゼルダが優れているのは、単純にゲームのボリュームを増やしたところではありません。一度クリアした人ほど「この世界なら知っている」という思い込みを持っているからこそ、配置や構造が変わったときの戸惑いが大きくなります。プレイヤーが1周目で身につけた知識を、2周目では逆に利用して驚かせるという仕掛けになっているのです。

エンディングを迎えたあと、もう一度同じハイラルへ足を踏み入れたはずなのに、そこには自分の知らない冒険が待っている。今の感覚で見てもかなり贅沢なクリア後要素ですが、その始まりが開発中の思わぬ出来事だったと知ると、裏ゼルダが長く語られてきた理由も少し違って見えてきます。

エンディングの先に“もう一地方”を隠した『ポケットモンスター 金・銀』

裏ゼルダが同じ世界を別物へ変えることで「もう一度冒険する面白さ」を作っていたのに対して、『ポケットモンスター 金・銀』はさらに思い切った方法でエンディングの先を描きました。ジョウト地方でチャンピオンとなったプレイヤーに用意されていたのは、裏ダンジョンや強敵が一体追加される程度のものではありません。なんと、前作『赤・緑』の舞台だったカントー地方そのものが待っていたのです。

ジョウト地方でポケモンリーグを制覇したあと、船に乗って海を渡ると、そこには3年前の『赤・緑』で冒険した街並みが広がっています。しかも、単に懐かしい場所を観光できるだけではなく、カントー地方でも各地のジムを巡り、新たに8個のバッジを集めることが可能です。ジョウトで手に入れた8個と合わせれば、その数は合計16個。殿堂入りをひとまずのゴールだと思っていたプレイヤーからすれば、「ここからまだこんなに遊べるのか」と驚かされるだけのボリュームがありました。

もちろん、ゲームボーイというハードの容量を考えれば、前作のカントー地方が完全にそのまま収録されているわけではありません。一部の施設やダンジョンは縮小されています。それでも、新作の舞台としてジョウト地方を作ったうえで、前作の世界まで同じソフトに収めてしまったという事実はかなり大胆です。エンディング後の「おまけ」という言葉では片づけにくい規模になっています。

さらに、このカントー地方の収録には、当時HAL研究所の社長だった岩田聡氏が開発を支援し、グラフィック圧縮ツールの開発などに関わったという逸話も残されています。限られた容量の中へ二つの地方を収めるという発想だけでも驚かされますが、その裏側に技術的な工夫があったと知ると、『金・銀』のクリア後要素がどれほど大掛かりだったのかも見えてきます。

ただ、『金・銀』が本当にすごいのは、カントー地方へ行けること自体が最後の驚きではないところです。各地を巡って8個のバッジをすべて集めると、今度はジョウトとカントーの境にある「シロガネやま」へ進めるようになります。ジョウトで8個、カントーでも8個。合計16個ものバッジを手にして、ようやく最後の場所へ向かう資格を得るわけです。

そして、シロガネやまの最深部まで進んだところで、一人のトレーナーが静かに立っています。そこにいるのは、前作『赤・緑』の主人公・レッド。話しかけても多くを語ることはなく、そのまま戦闘が始まります。前作でプレイヤー自身が操作し、ポケモンを育てながら各地のジムを攻略し、最後にはチャンピオンまで上り詰めた主人公が、今度は『金・銀』の主人公にとって最後の壁として立ちはだかる構図です。

ここまで来ると、レッドが強いというだけでは、この場面が印象に残る理由を説明しきれません。『赤・緑』を遊んだ人にとって、レッドは単なる過去作の登場人物ではなく、かつて自分自身が操作して旅をした主人公でもあります。その存在が3年後の世界で最強クラスのトレーナーとなり、何も語らず山の最深部で待っている。前作を知っているほど、その演出が持つ意味は大きく感じられます。

最初はジョウト地方を舞台にした新しい冒険として始まり、殿堂入りすれば前作のカントー地方が開き、そこを制覇した先では、かつての主人公との戦いまで待っている。『ポケットモンスター 金・銀』は、エンディング後に何か一つ大きな隠し要素を置いたのではなく、「もうゲームは終わった」と思うたびに、その先を見せてくる作品でした。

だからこそ、今回紹介してきた10作品の最後に置く存在としても、『金・銀』は象徴的です。エンディングを終着点ではなく、次の冒険へ踏み出す境界線へ変えてしまう。そして、その長い旅の本当の最後には、かつて自分だった存在が待っている――。クリア後の世界だからこそ味わえる驚きとロマンを、これほど大きなスケールで形にした作品は、今振り返っても強烈です。

なぜゲームの「クリア後要素」はこんなにも記憶に残るのか

ここまで10作品を振り返ってきましたが、こうして並べてみると、クリア後要素と一口に言ってもその形はかなり違います。強烈な裏ボスが待っている作品もあれば、見たことのないダンジョンが開放されたり、2周目で世界そのものが変化したりするゲームもありました。中でも『ポケットモンスター 金・銀』のように、エンディングの先へもう一つの地方まで用意してしまった作品は、その規模だけでもかなり異質です。

それでも共通しているのは、プレイヤーが一度「終わった」と思ったあとに出てくることだと思います。ラスボスを倒してエンディングが流れれば、そこでひとまず緊張から解放されますし、ゲームによっては数十時間かけてたどり着いた瞬間でもあります。そんなタイミングで新しい場所や強敵の存在に気づけば、「まだ何かあるのか」と気になってしまうのも自然な話です。

しかも、クリア後だからこそ許される作りもあります。本編であれば、ある程度幅広いプレイヤーが物語の最後まで進めるように難易度を考える必要がありますが、エンディング後まで遊ぼうとする人は、すでにゲームの基本を理解していることが前提になります。だから『妖怪ウォッチ2』のあやとりさまや『星のカービィ ロボボプラネット』の星の夢.Soul OSのように、それまで身につけてきた戦い方を本気で試すような相手も置けるわけです。

一方で、難しくすることだけがクリア後要素の魅力でもありません。初代『ポケットモンスター 赤・緑』では、冒険中にポケモンやしきの日記を読んでいたプレイヤーほど、その先でミュウツーと出会ったときに点と点がつながります。『金・銀』ではさらに踏み込み、前作で自分が操作していた主人公が、長い冒険の最後にレッドとして立ちはだかりました。こうした仕掛けは、強敵を倒したという達成感とはまた違う形で、「この世界を最後まで見届けた」という満足感につながっています。

個人的に、クリア後要素で一番ワクワクするのは、この**「もう見るものは全部見たと思っていたのに、まだ知らないものが残っていた」**と気づく瞬間です。今のように発売直後から攻略情報が大量に出回る環境では、隠しボスの名前やクリア後の内容まで先に知ってしまうことも珍しくありません。それでも、自分で遊んでいて偶然新しい入口を見つけたり、何気なく続けていたら知らないイベントが始まったりしたときの感覚は、やはり特別なものがあります。

本編をクリアすることが、そのゲームとの付き合いの終わりとは限らない。むしろ、エンディングまで遊んだからこそ見せてもらえる世界があり、そこでは開発側も遠慮なくプレイヤーへ牙をむいてくる――。今回紹介した10作品が今でも語られるのは、単純に「隠し要素のボリュームが多かったから」だけではなく、終わったはずの冒険がもう一度動き出す驚きを、それぞれ違った方法で味わわせてくれたからなのだと思います。

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