昔遊んでいたゲームを久しぶりに買い直そうとして、「え、こんなに高かったっけ?」と驚いた経験がある人もいると思います。発売当時は数千円で普通に店頭に並んでいたソフトが、今では1万円、2万円を超え、中にはゲーム機本体より高い値段が付いているケースまであります。
では、なぜこうしたゲームがプレミア化するのかというと、単純に「名作だから値段が上がった」という話ではありません。
むしろ大きいのは、市場に残っている本数そのものが少ないことです。
たとえばスーパーファミコンの『ファイアーエムブレム トラキア776』は、1999年に書き換えサービス向けとして登場し、パッケージ版が発売されたのは2000年。すでに次世代ハードへ移行していた時期でもあり、出荷本数が少なかったことから、後になって入手しにくい一本になりました。
こうした「ハード末期に発売されたゲーム」は、プレミア化しやすい条件を持っています。
当時は次のゲーム機へユーザーの関心が移っているため、新作として発売されても大きく売れにくい。それでも後からシリーズ人気が高まったり、作品そのものが再評価されたりすると、欲しい人は増えるのに市場へ出てくるソフトは増えません。結果として、中古価格だけがじわじわ上がっていくわけです。
さらに面白いのが、ゲームとして高評価だったかどうかと、現在の価格が必ずしも一致しないことです。
発売当時にあまり売れなかった作品でも、その少なさ自体が数十年後には価値になります。スーパーファミコンの『ファイナルファイト タフ』も、PlayStationやセガサターンといった次世代機が主流になり始めた時期に発売されたため出荷本数が少なく、後になってプレミア価格が付いた作品のひとつです。
つまり、「当時人気だったゲーム=現在高い」とは限りません。
むしろ、当時はそこまで注目されず、店頭から静かに消えていったゲームのほうが、とんでもない価格になっていることすらあります。
そしてもうひとつ無視できないのが、箱や説明書を含めた状態の違いです。
同じソフトでも、カセットやディスクだけなのか、箱・説明書まで揃っているのかで価格は大きく変わります。さらに保存状態まで良ければ、同じタイトルとは思えないほど金額に差が付くケースも珍しくありません。
ゲームとして遊ぶだけならソフト一本あれば十分だった時代に、箱まできれいに残していた人が、数十年後になって思わぬ形で報われているとも言えます。
では実際に、昔は普通に購入できたゲームが、現在どこまで高騰しているのか。
ここからはスーパーファミコン、PlayStation、PlayStation 2、ニンテンドー3DSの中から、特に価格の上がり方が印象的なプレミアゲームを見ていきます。
【SFC】末期に生まれたソフトは今やとんでもない価格に
プレミアゲームを語るうえで、やはり外せないのがスーパーファミコンです。
1990年に発売されたスーパーファミコンは数多くの名作を生み出しましたが、PlayStationやセガサターン、さらにNINTENDO64といった次世代機が登場すると、市場の中心も少しずつ移っていきました。
そして、この**「世代交代の時期に発売された」という事情が、数十年後の中古価格に大きな影響を与えています。**
ファイアーエムブレム トラキア776|人気シリーズなのに入手困難
最初に取り上げたいのが、1999年に登場した『ファイアーエムブレム トラキア776』です。
ファイアーエムブレムといえば、現在まで続いている任天堂の人気シリーズ。それだけを聞くと大量に流通していそうですが、『トラキア776』には少し特殊な発売経緯があります。
もともとは1999年に、スーパーファミコン用の書き換えサービス「ニンテンドウパワー」向けとして登場し、通常のパッケージ版が発売されたのは2000年でした。すでにスーパーファミコンの最盛期を過ぎた時期だったこともあり、流通量が少なく、これが現在の希少性につながっています。
しかも厄介なのが、マイナーな作品だから欲しい人も少ない、というゲームではないことです。
シリーズを追いかけている人なら一度は遊んでみたい作品でありながら、欲しくなっても現物の数には限りがある。こうなると需要に対して供給が追いつかず、発売当時の定価を大きく上回る価格になってしまいます。
「昔クリアできなかったから、今になってもう一度挑戦したい」
そんな気持ちで買い直そうとしたら、気軽には手を出せない価格になっていた。レトロゲーム好きにとっては、なかなか切ない一本です。
ファイナルファイト タフ|次世代機への移行期が生んだ希少作
続いては『ファイナルファイト タフ』。
カプコンを代表するベルトスクロールアクション『ファイナルファイト』シリーズの作品で、4人のプレイアブルキャラクターから選んで戦えるゲームとなっています。
ここで注目したいのが発売されたタイミングです。
この頃にはPlayStationやセガサターンが登場しており、ゲームファンの関心はすでに次世代機へ向かい始めていました。そのため出荷本数が少なく、後になって希少なスーパーファミコンソフトとして扱われるようになります。
ソフト単体でも約1万8000円、さらに箱付きでは8万円を超える価格例まで挙げられており、同じゲームでも付属品の有無によって価値が大きく変わることが分かります。
当時からすれば、箱はゲームを取り出したら押し入れへ、あるいは邪魔だから捨ててしまったという人も少なくなかったはずです。
それが今になって、「箱を残していたかどうか」で数万円単位の差になるのですから、何とも皮肉な話です。
マジカルポップン|かつてのワゴンソフトが驚きの価格へ
さらに強烈なのが『マジカルポップン』です。
ゲーム自体はオーソドックスな横スクロールアクションで、スーパーファミコン作品として丁寧に作られていた一方、発売当時は販売面で苦戦し、ワゴンセールに並んだとされています。
普通なら「売れなかったゲーム」で話は終わりそうなところですが、プレミアゲームの世界ではむしろ逆です。
売れなかったということは、それだけ市場へ残った本数も限られる可能性があります。それでも後から作品を欲しがる人が現れれば、少ない現物をコレクター同士で取り合うことになり、価格が一気に跳ね上がることもあります。
実際、ソフト単体でも5万円以上、箱付きの状態が良いものでは過去に50万円を超える取引例まで挙げられています。
発売当時にワゴンで見かけて、「まあ、今度でいいか」と素通りした人がいたとしたら、現在の価格を見て何とも言えない気持ちになるかもしれません。
レンダリング・レンジャーR2|箱・説明書付きなら別次元
そしてSFC編の最後は、一気に桁が変わります。
『レンダリング・レンジャーR2』は、アクションとシューティングを組み合わせた作品で、スーパーファミコンとは思えないほど迫力のある演出を盛り込んだタイトルです。
ところが、この作品にはかなり特殊な背景があります。海外で制作されたゲームでありながら日本のみで発売され、さらに出荷本数そのものが少なかったため、日本だけでなく海外のコレクターからも求められる希少タイトルになりました。
その価格も強烈で、ソフト単体でも約8万円。さらに箱と説明書が揃った状態の良いものでは、過去に約69万円で取引された例まで挙げられています。
ここまで来ると、「昔のゲームソフト」という感覚では見られなくなってきます。
もちろん、すべての個体がこの金額で売れるわけではなく、状態や付属品、取引時期によって価格は大きく変わります。それでも、かつてゲームショップに並んでいた一本のソフトが、数十年後には数十万円単位で語られる存在になったという事実だけでも十分にインパクトがあります。
しかも、こうした現象はスーパーファミコンだけの話ではありません。
次は舞台を初代PlayStationへ移します。こちらにも、「中古ゲームにそこまで出すの?」と思わず価格を二度見したくなるようなプレミアソフトが残っています。
【PS1】中古ゲームとは思えない価格になったプレミアソフト
スーパーファミコンで数十万円という世界を見た後なら、初代PlayStationのプレミア価格にはそこまで驚かない……と思いたいところですが、こちらも負けていません。
初代PlayStationは発売されたソフトの数が非常に多く、その中には大ヒットした定番作品だけでなく、当時ほとんど注目されなかった実験的なタイトルや、今では同じような企画を通すのが難しそうな尖った作品もありました。
そして、そうしたゲームほど流通量が少なく、後になって一部のファンから再評価されることで、思わぬプレミア価格が付いています。
夕闇通り探検隊|今なお語られるサイコホラーADV
まず紹介したいのが『夕闇通り探検隊』です。
ジャンルはサイコホラーアドベンチャーで、街に存在するさまざまな噂を集め、実際にその場所へ向かって検証していくという作品。リアル寄りに描かれた街を探索しながら心霊スポットへ足を踏み入れていくため、派手に驚かせるタイプとは違った、じわじわ迫ってくる怖さを持っています。
こういうゲームは、今になって振り返るとかなり貴重です。
ホラーゲーム自体は現在も作られていますが、『夕闇通り探検隊』のような独特の空気感を持つ作品は簡単に代わりが見つかりません。「昔のゲームだから懐かしい」というだけではなく、今でもこの作品だから遊びたいという需要が残りやすい一本でもあります。
それに対して現物の数は限られており、資料内では3万円以上が相場として挙げられています。
ホラーゲームを一本遊ぶために3万円と考えると、かなり勇気のいる金額です。それでも欲しい人がいるから価格が維持されるわけで、プレミアゲームの価値が単純な古さだけでは決まらないことがよく分かります。
ハームフルパーク|知る人ぞ知るシューティングの傑作
続いては『ハームフルパーク』。
こちらは一気に価格が跳ね上がり、8万円前後で取引されている例が挙げられている横スクロールシューティングです。
このゲームの面白いところは、単に数が少ないだけのレアソフトではない点にあります。
見た目にはコミカルで、シュールなギャグも散りばめられている一方、シューティングゲームとしては攻略の自由度が高く、初心者から上級者まで遊べる作りになっています。難易度が上がれば攻略方法を考える面白さも増していき、遊び込むほど魅力が見えてくるタイプの作品です。
つまり、「珍しいからコレクターが欲しがっている」という話だけでは終わりません。
ゲームそのものを遊びたい人からの需要もあり、そこへ現物の希少性まで重なっている。こうなると中古市場で値段が下がりにくいのも納得できます。
それにしても、8万円前後となると気軽に「ちょっと遊んでみよう」とは言えない金額です。面白そうだからこそ遊んでみたいのに、プレミア化したことで手を出しにくくなっているのは、レトロゲームならではの悩ましいところでもあります。
serial experiments lain|独特すぎる作品性が希少価値につながった一本
そして、初代PlayStationのプレミアゲームを調べていると、かなり異質な一本として出てくるのが『serial experiments lain』です。
資料内では8万円以上で取引されている作品として紹介されています。
ただ、この作品については価格以上に、その中身が強烈です。
一般的なゲームのように、ステージを攻略したり、敵を倒したりしながらエンディングを目指す作品とはかなり性質が異なります。アニメ版とゲーム版が互いを補完するマルチメディア企画として作られており、資料内でも「ゲームですらないと評価されたこともある」と説明されるほど、かなり変わった構成になっています。
だからこそ、今になって同じ体験を求めようとしても代替作品を探すのが難しい。
万人向けではないものの、「この作品でしか味わえないものがある」というタイプのゲームは、時間が経っても一定の需要が残ります。そこへ流通量の少なさが重なれば、中古価格が一般的なPS1ソフトとはまったく違う領域へ入っていくのも不思議ではありません。
プレミアゲームというと、単純に「数が少ないから高い」と考えがちですが、こうした唯一無二に近い作品性も、欲しい人が現物を探し続ける理由のひとつになっています。
LSD|ついに10万円級、普通には手を出しにくい領域へ
初代PlayStation編の最後は『LSD』です。
ここまで3万円、8万円と金額が上がってきましたが、『LSD』については資料内で10万円以上で取引されているソフトとして挙げられています。
10万円となると、もう「昔のゲームを懐かしんで買い直す」という感覚ではありません。
たとえば子どもの頃に遊んでいて、「久しぶりにもう一度やってみたい」と思って検索した結果、10万円という価格が出てきたら、そのまま画面を閉じたくなる人もいると思います。
一方で、ここまで高額になっていること自体が、プレミアゲームの面白さでもあります。
大量に売れた定番ソフトなら、中古市場にも数多く残ります。しかし、当時から少し変わった立ち位置にあり、後から「あのゲームを遊びたい」と評価されるようになった作品は、欲しい人が増えてもソフトそのものを新しく増やすことはできません。
スーパーファミコンでは、ハード末期に発売されたことで数が少なくなった作品が目立ちました。それに対して初代PlayStationでは、独特すぎる企画や尖ったゲーム性を持つ作品が、年月を経ても代わりのない一本として求められているのが印象的です。
しかも、プレミア化しているのはSFCや初代PlayStationのような90年代のゲームだけではありません。
次はPlayStation 2へ進みます。「PS2なら家にまだ何本か残っている」という人もいるかもしれませんが、その中にも発売当時からは想像できない価格になったゲームが存在しています。
【PS2】比較的新しいと思っていたゲームまでプレミア化
初代PlayStationまでなら、「もうかなり昔のゲームだから高くなっていても仕方ない」と感じる人もいるかもしれません。
ところが、次に見ていくPlayStation 2でも状況は変わります。
PS2は2000年に発売され、国内だけでも膨大な数のゲームが登場したハードです。当然、中古ショップへ行けば数百円で買えるタイトルも大量にありますが、その陰で1万円、2万円、さらに3万円を超えるソフトも出てきました。
しかも今回は限定版や特典付きの商品ではなく、当時は一般のゲームショップで普通に購入できた通常販売のソフトに絞って見ていきます。
レッスルエンジェルス サバイバー2|女子プロレス団体を経営する異色作
まずは『レッスルエンジェルス サバイバー2』です。
内容は女子プロレスを題材にしたシミュレーションゲームで、プレイヤーは団体を運営しながら選手をスカウトし、育成して興行を行っていきます。
単純に試合だけを楽しむプロレスゲームとは違い、団体経営と選手育成を組み合わせているのが特徴。好きな選手を集めて自分なりの団体を作っていけるため、この手のシミュレーションが好きな人にはかなり刺さる内容になっています。
一方で、題材を見ても分かるように、誰もが購入するタイプのゲームではありません。
こうした作品は大ヒットタイトルほど市場へ出回りにくく、それでも後から遊びたい人が現れると中古価格が上がりやすくなります。『レッスルエンジェルス サバイバー2』についても、2万円前後という価格例が挙げられていました。
PS2の中古ソフトに2万円と考えると、かなり高く感じます。
ただ、団体経営と女子プロレスを組み合わせたゲームそのものが珍しく、似たような作品を探せば簡単に代わりが見つかるわけでもありません。「このゲームを遊びたい」という需要が、そのまま特定の一本へ集中しやすいタイプと言えます。
新・豪血寺一族 煩悩解放|ネットで有名になった頃には入手困難に
続いては『新・豪血寺一族 煩悩解放』です。
『豪血寺一族』シリーズの2D対戦格闘ゲームですが、このタイトルを知らなくても、作中に登場する「レッツゴー!陰陽師」という言葉には聞き覚えがある人もいるかもしれません。
2000年代のインターネット文化を知っている人なら、動画を見た記憶が残っている人もいるはずです。
ところが、ネット上で大きな注目を集めた頃には、肝心のゲームソフトがすでに入手しにくい状態になっていました。価格も2万円台後半まで上がった例があり、話題になったから気軽に遊んでみよう、とはいかない一本になっています。
ここがプレミアゲームの少し面白いところです。
発売された瞬間に大ヒットしたわけではなくても、後になって別のきっかけから作品の存在が知られることがあります。しかし、その時点で新品の生産が終わっていれば、欲しい人だけが増えて現物は増えません。
昔なら中古ショップで何となく見かけていたゲームが、数年後にはネット文化を象徴する作品のひとつとして知られ、その結果として入手しづらくなっていく。プレミア化には、こんな経路もあります。
新マスターオブモンスターズ Final EX|3万円を超えたファンタジーSLG
さらに価格が上がってくるのが、『新マスターオブモンスターズ Final EX』です。
北欧神話をベースにしたファンタジー系のシミュレーションゲームで、資料内では3万円以上の価格が付くタイトルとして挙げられています。
3万円となれば、新作ゲームを何本も買える金額です。
それでも中古市場でこの価格が成立する背景には、やはり「そのゲームでなければ得られない体験」があります。
人気シリーズのように現行機向けの新作が定期的に発売されたり、旧作が簡単に移植されたりする作品なら、必ずしも高額なオリジナル版を買う必要はありません。しかし、遊ぶ手段が限られているゲームの場合、昔のソフトそのものを探すしかなくなります。
プレミア化してから作品を知った人にとっては、ここが非常につらいところです。
興味を持った頃には中古価格が数万円。しかも古いゲームなので、いつでも新品を買えるわけではありません。「いつか安くなったら買おう」と待っているうちに、さらに見つからなくなる可能性まであります。
PS2は安いゲームばかりではない|棚に眠る一本がお宝になっているかも
こうしてPS2を見てみると、スーパーファミコンや初代PlayStationとは少し違った感覚があります。
何より、PS2は今でも「少し前まで遊んでいたゲーム機」という印象を持っている人が少なくありません。押し入れや実家の棚を探せば、当時買ったソフトがそのまま残っているという人もいると思います。
だからこそ、数万円という価格を見ると驚きがあります。
さらにPS2には、『カレーハウスCoCo壱番屋 今日も元気だ!カレーがうまい!!』のように、題材そのものがかなり変わった作品も存在します。このタイトルも1万円を超える価格例が挙げられており、誰もが知る人気シリーズだけを探せばプレミアゲームが見つかるわけではありません。
むしろ、「こんなゲームあったな」と忘れられていたような作品ほど、現在では見つけにくくなっていることがあります。
そう考えると、昔買ったPS2ソフトをまとめて処分する前に、タイトルだけでも一度確認してみたくなります。
そして、この話はさらに新しい世代へ続きます。
次に取り上げるのはニンテンドー3DS。「3DSでプレミアゲームと言われても、さすがにまだ早いのでは」と感じるかもしれませんが、すでに中古価格が数万円、タイトルによっては10万円を超える取引例まで出ています。
【3DS】まだ新しいと思っていたのに…すでに高額ソフトが続出
PS2まで見てきましたが、プレミア化の波はさらに新しいニンテンドー3DSにも及んでいます。
3DSといえば2011年発売のゲーム機ですから、スーパーファミコンと比べればかなり最近のハードという感覚があります。『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』のように数百円程度で購入できる定番タイトルがある一方で、一部のソフトはすでに数万円という価格帯へ入っています。
しかも、ここから紹介するタイトルは単純に「人気シリーズだから高い」というものばかりではありません。むしろ3DSでも、流通量が少なかった作品や特定ジャンルのファンから求められる作品ほど、驚くような値段になっています。
洞窟物語3D|中古でも1万円を大きく超えるレアソフト
まずは『洞窟物語3D』です。
もともとの『洞窟物語』はPC向けに公開された作品で、そこから3DS向けに作られたのが本作。オリジナル版の2Dグラフィックから大きく変わり、3DS版ではキャラクターやステージが3Dポリゴンで表現されています。
つまり、単純に昔のゲームをそのまま3DSへ移したものではなく、このバージョンならではの見た目を楽しめる作品になっています。
ところが、中古価格は1万5000円を超える例が挙げられており、気軽に手を伸ばせる価格ではなくなりました。
元になった『洞窟物語』を遊ぶ方法がほかにあったとしても、「3DS版そのものが欲しい」という人にとっては代わりがありません。
プレミアゲームでは、この違いがかなり重要です。
作品を遊べれば何でもいい人と、特定のハードで発売された特定のバージョンを手元に置いておきたい人では、ソフトに対する価値の感じ方がまったく異なります。後者の需要が残っている限り、流通量の少ないパッケージ版には値段が付きやすくなるわけです。
フロッガー3D|知名度の低さと流通量の少なさが直撃
続いては『フロッガー3D』。
元をたどると1981年に登場したアーケードゲーム『フロッガー』の30周年記念作品で、2011年に3DS向けとして発売されました。
名前だけではピンと来ない人もいるかもしれません。
ところが、プレミアゲームという視点で見ると、むしろその知名度の低さが気になるポイントになってきます。
発売当時から大勢が買うようなタイトルではなかったため流通量も少なく、現在では見つけること自体が難しい作品となり、2万円前後の価格例が挙げられています。
ここまで見てきた作品にも共通しますが、発売当時に「あまり売れなかった」という事実は、必ずしも中古価格にとってマイナスにはなりません。
むしろ何年も経ってから欲しい人が現れたとき、市場に残っている本数が少ないことが一気に効いてきます。
発売当時ならゲームショップで普通に手に取れたはずなのに、欲しくなった頃には2万円。プレミア化というのは、こういうところが本当に厄介です。
ナノアサルト|ゲーム機本体より高いシューティングゲーム
さらに価格が上がるのが『ナノアサルト』です。
360度から迫ってくる敵を撃破していくシューティングゲームで、3DSでは比較的珍しいジャンルの作品となっています。中古価格については3万円を超える例が挙げられており、ソフト一本として考えるとなかなか強烈です。
ただ、なぜここまで高くなるのかを考えると、3DSというハードならではの事情も見えてきます。
3DSには数多くのゲームが発売されましたが、シューティングゲーム自体はそれほど多くありません。そこへ出荷本数の少なさや作品への評価が重なり、シューティングゲームを集めたい人からの需要も価格を押し上げる要因として挙げられています。
これも「有名だから高い」というプレミア化とは少し違います。
特定のジャンルを集めている人からすると、選択肢が少ないからこそ一本一本を揃えたくなる。その中に流通量の少ないタイトルがあれば、欲しい人に対して現物が足りなくなり、結果として中古価格も上がっていきます。
3DS本体を安く入手できたとしても、遊びたいソフトのほうが高い。そんな逆転現象まで起きているのが、現在のレトロゲーム市場の面白いところです。
セガ3D復刻アーカイブス1・2・3|10万円超えの取引例まで
そして3DS編で特にインパクトがあるのが、『セガ3D復刻アーカイブス1・2・3 トリプルパック』です。
名前の通り、『セガ3D復刻アーカイブス』シリーズ3作品をまとめたパッケージで、『スペースハリアー』『ファンタジーゾーン』『ぷよぷよ通』『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』『サンダーブレード』『サンダーフォースIII』『スーパーハングオン』など、合計27タイトルを収録しています。
これだけ入って発売時の価格は8,990円。
それが中古市場では5万円から6万円ほど、さらに10万円を超える取引例まで挙げられています。
発売された当時に買っていた人からすれば、かなり驚く価格ではないでしょうか。
何より3DSは、まだ「レトロゲーム」と呼ぶことに少し抵抗を感じる人もいるくらいのハードです。それにもかかわらず、すでにソフトによってはスーパーファミコンや初代PlayStationの有名なプレミアタイトルと並ぶ金額になっています。
もちろん、中古価格は一定ではありません。商品の状態や付属品、売買される時期によっても変わるため、今回挙げた金額がそのまま現在の固定価格という意味ではありません。
それでも、ここまでSFC、PS1、PS2、3DSと見てくると、ひとつ気になることがあります。
なぜ何十万円もするゲームがある一方で、同じ時代のソフトが数百円で売られているのか。
単純に「高いゲームほど面白かった」と考えれば分かりやすいのですが、実際のプレミアゲームはそれほど単純ではありません。
次は、価格とゲームそのものの評価を少し切り離して、プレミアゲームならではの面白さを掘り下げていきます。
高額だから名作とは限らない?プレミアゲームの面白いところ
ここまで紹介してきたゲームを見ると、数万円、数十万円という価格が付いているだけに、「そこまで高いなら、よほど面白いゲームなのでは?」と思ってしまいます。
ところが、プレミアゲームの価格は必ずしもゲームとしての評価だけで決まるものではありません。
もちろん、『夕闇通り探検隊』や『ハームフルパーク』のように、作品そのものに独特の魅力があり、現在でも遊びたい人がいるからこそ高値になっているタイトルもあります。
一方で、プレミア化する大きな要因として何度も出てきたのが、そもそも市場に出回った本数が少ないという事情です。
特に分かりやすいのが、スーパーファミコン末期に発売された作品でした。
PlayStationやセガサターンなどへ市場が移っていく中で発売されたゲームは、最初から大量に出荷されにくくなります。『ファイナルファイト タフ』もそうした時期に登場した作品で、出荷本数の少なさが現在の希少性につながっています。
さらに『マジカルポップン』のように、発売当時は販売面で苦戦した作品が、後になって驚くような価格になるケースもあります。
ここが、プレミアゲームを見ていて面白いところです。
発売当時に100万本売れた大ヒットゲームなら、それだけ中古市場にも大量のソフトが残ります。いくら名作として評価されていても、欲しい人に対して十分な数が存在するなら、極端な価格にはなりにくいものです。
反対に、当時ほとんど売れなかったゲームは現存する本数も限られます。
発売から何年も経って作品が再評価されたり、シリーズを集めたい人が増えたりすると、「欲しい人はいるのに売り物がない」という状況が生まれます。すると、当時の人気とはまったく関係なく中古価格が上がっていくことがあります。
要するに、名作だから高いというより、「欲しい人の数に対して現物がどれだけ残っているか」が重要になってくるわけです。
だからこそ、発売当時の評価だけを見ても、数十年後にどのゲームがプレミア化するのか簡単には分かりません。
今なら中古ショップで数百円のゲームでも、10年、20年と経った先で同じ値段とは限らない。特にパッケージ版の生産が終われば、そこから市場に存在する本数が大幅に増えることはなくなります。
さらに、箱や説明書まで含めると話は変わってきます。
子どもの頃なら、ゲームを買った瞬間に箱を開け、説明書を読んだ後は適当な場所へしまっていた人も多いと思います。スーパーファミコンの紙箱ともなれば、潰れたり破れたり、引っ越しや大掃除をきっかけに捨ててしまったケースも珍しくありません。
ところが数十年後には、その「普通なら捨ててしまうもの」まで残っていること自体が希少価値になります。
『レンダリング・レンジャーR2』では、ソフト単体で約8万円という例に対して、箱や説明書が揃った状態の良いものでは約69万円という過去の取引例が挙げられていました。
ここまで差が付くと、もはやゲームを遊ぶためだけの値段ではありません。
ソフトそのものに加えて、箱や説明書を含めた「発売当時の姿」を残していることにも価値が生まれ、コレクションとして取引される世界に入ってきます。
そして、プレミアゲームを見ているともうひとつ感じるのが、当時は何でもなかったものが、時間の経過によって価値を持つ面白さです。
発売日にゲームショップへ行って普通に購入した一本が、20年後には数万円になっている。当時ワゴンで見かけたゲームが、今では簡単に手を出せない金額になっている。そんな逆転が実際に起こります。
そう考えると、「高いゲームを探す」というだけでなく、昔のゲーム市場そのものを振り返る楽しさも出てきます。
「あのゲーム、昔持っていた気がする」
ここまで読んで、そんな一本を思い出した人もいるかもしれません。
もし実家の押し入れや棚に昔のゲームが残っているなら、次の休みにでも一度確認してみる価値はありそうです。
家に昔のゲームが眠っているなら、一度確認してみるのも面白い
ここまで見てきた中で、「そういえば、このゲーム昔持っていたかも」と思い当たるタイトルはあったでしょうか。
スーパーファミコンから3DSまで振り返ってみると、プレミア化しているのは誰もが知っている大ヒット作ばかりではありません。むしろ発売時期が遅かったり、出荷本数が少なかったり、当時はそれほど注目されなかったりと、昔なら何気なく手放してしまいそうなゲームが驚くほど高くなっています。
だからこそ、実家の押し入れやクローゼットに昔のゲームが残っているなら、一度タイトルを確認してみるのも面白いと思います。
特にスーパーファミコンの場合、ソフトだけでなく箱や説明書が残っているかどうかも見逃せません。『マジカルポップン』ではソフト単体で5万円以上、状態の良い箱付きでは過去に50万円を超える取引例があり、『レンダリング・レンジャーR2』でもソフト単体と箱・説明書付きでは大きな価格差が見られました。
子どもの頃なら、箱や説明書まで含めて将来価値が出るなんて考えもしなかったはずです。
ゲームを買ったらすぐに箱を開けて遊び、説明書はケースに入れっぱなし。紙箱ならいつの間にか潰れていたり、大掃除のときに捨ててしまったりした人も多いと思います。それをきれいな状態で何十年も残していたこと自体が、今では価値になっているわけです。
ただし、今回紹介した価格を見て「このゲームを持っているから○万円で売れる」と考えるのは少し早いです。
中古ゲームの価格は状態や付属品、取引する時期などによって変わります。同じタイトルでも、ソフトのみなのか完品なのか、傷や汚れがあるのかによって金額にはかなり差が出るため、記事内で紹介した数字はあくまで取引例として見るのが自然です。
そして個人的に、プレミアゲームを調べていて一番面白いのは、金額そのものよりも**「なぜこのゲームが今になって高くなったのか」**という部分だと思います。
ハード末期にひっそり発売されたゲーム、当時は売れなかったのに後から評価された作品、ほかでは代わりが見つからないほど尖った一本。現在の価格から発売当時の状況を逆にたどっていくと、そのゲームがどんな立ち位置だったのかまで見えてきます。
もちろん、昔持っていたゲームが数万円になっていたら、「売らなければよかった……」という気持ちにもなります。
ただ、当時夢中になって遊んだゲームなら、その時間まで含めて十分に元は取れているのかもしれません。
それでも押し入れから箱付きの『レンダリング・レンジャーR2』あたりが出てきたら、話は別です。
そのときは、勢いで処分する前に一度価格を調べてみたほうが良さそうです。
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